あらすじ
勇気爆発バーンブレイバーン 第六話『絶対に大丈夫だ。なぜなら……私がブレイバーンだからだ!』
先行して日本に上陸したイサミ、ブレイバーン、そしてスミスは生存者の探索を行う。
生存者が見つけられなかったときは、部隊を安全に上陸させるための事前砲爆撃を実施すると伝えられたイサミ達。
誰も発見できず焦りを募らせる中、スミスにピンチが迫る。
困難な状況でも諦めないイサミ、その心に呼応するかのようにブレイバーンの新たな力が覚醒する。
第6話のネタバレ感想・考察
ルルの正体と返還要求される理由
スミスあるところにルルあり! 戦場にだって着いていくぞ。マシンにしがみついて。
人間、車にしがみつくだけでももの凄い力が必要なのだけど、発したり跳んだり跳ねたりする巨大兵器に掴まるって、もう超人レベルでは? 流石はルル。
などと思っていたら、ルルの腕力ではイサミたちが運んでいる荷物を持ち上げられなかった。
なんてことないワンシーンのように挟み込まれたけど、これはどういうことだろうか。
イサミを一発で殴り飛ばしてエアクッション発動させたり、蹴り飛ばして水ポチャさせたりと、鍛え上げられた軍人をぶっ飛ばせる力があるのは間違いない。
何故か急にその力が発動しなくなっていた。これには何か理由があるのだろうか。
長く普通の人間として過ごしていたことで、徐々に力が失われているとか?
そして再び来襲するスペルビア。好きなものは推して参ることのスペルビア。嫌いなものは卑怯な行為と以外に紳士なスペルビア。
日本があまりに絶望的な状況で重い展開が続くと思いきや、スペルビアがイケボで喋りだしたことで場が和んだ。ほとんどブレイバーンが理由だけどネ。
ブレイバーンと戦い倒されたはずのスペルビアは、何故か復活して、ブレイバーンのことも覚えていなかった。
しかし、ルルのことはちゃんと覚えており、「返上せい」と求めてきた。Say!
デスドライヴスが無機物の生命体ならば、記憶もデータとして保存やコピーできる可能性はある。
ブレイバーンのことを覚えていないのは、自分が敗北したことで記憶の引き継ぎができなかったから。
そして、自分が複数個体作られている事実を本人が認識していないのなら、これは状況的に成立し得るだろう。
復元可能な記憶と身体の中で、唯一の例外がルルだ。
以前の考察でルルの正体は生体パーツではないかと書いた。
有機物であるルルは、無機物帝国のデスドライヴスではパーツとして容易に量産できないのではないか。生体パーツであるがゆえに希少品なのだ。
ルルは本当の意味で人間になるためにも、守らなければいけない存在なのである。
ブレイバーンの主義
久しぶりの本格戦闘となりブレイバーンが新たな力を発現させた。
ミサイルのコントロールがハックされて、すべて敵だけを正確に爆撃!
そんな装備あるなら先に言え!
とはいえ、ブレイバーンのハッキング技術は既に第三話で披露されている。
今回はそれの大規模&複雑化バージョンと言えるだろう。
どちらにせよ、あらかじめ作戦に組み込ませてあげて!
ブレイバーンは品行方正な性格をしている割には、『今じゃない』と秘密主義な部分がある。
人類がギリギリまで頑張って強大な敵に抗い、もう自分たちだけではどうしようもない。
そんな時にブレイバーンは駆けつけその圧倒的な力で現状を打開する。ウルトラマンみたいなヤツだな!
彼は人類の守護神だが、人類に自分の力を依存させない。
そして同時に、ブレイバーンは人間を決して自分の下みず、その強さと可能性を信じている。
ブレイバーンは自分の美学をグイグイ押してくるが、それ以外の部分は人類の努力と作戦を重視しているように思う。
今回の作戦で言えば、斥候という確実にブレイバーンでないとできない部分を担当していた。
人間がブレイバーンのおかげでと言えば、アライドタスクフォースやイサミたちとの共闘を強調して訂正する。
ブレイバーンにとってこれは誇張でも気遣いでもない。純然たる事実なのだ。
イサミの勇気爆発条件
敵の巣窟と化した日本に斥候として向かうイサミとスミス。
人間を探し出して保護する。時間までに応答がなければミサイル爆撃による攻撃が開始される。
爆撃は日本への直接的な打撃になるが、状況が状況なので致し方ない。むしろデスドライヴスから人類を解放する必要な一手であるのは理解できる。
しかし絶対に犠牲を出したくないイサミは、敵に襲われて、スミスにもう無理だと言われても、ギリギリまで捜索を続けた。
結果として生き残りの人間たちを見つけたものの、健闘虚しく爆撃は開始されてしまう。
それでもイサミは絶対絶命の窮地でも、何か手はないかと考え続けた。
その姿は、命のやり取りに怯えていたイサミとは思えない。いや、今回も焦り、怯えてもいた。
スペルビア再来時には「持ってくれよ俺のメンタル」と弱気な発言もしている。
イサミはイサミのままであるとも言えるだろう。
対するスミスはどうだったろうか。
彼は斥候に出る直前まで、自分の好きなヒーローのアニメを観ていた。
彼は現実のマシンを操縦する軍のパイロットだけど、それは本人が本当に望んでいた夢ではない。
そして生存者の捜索を懸命に続けたものの、限界が近付くとイサミと違い作戦通りに撤退を進言した。
これはイサミに対してスミスを悪し様に言いたいわけではない。
そもそもブレイバーンとイサミだけの斥候役に、危険を承知でスミスも参加したのだ。
これだけでも十分過ぎる程に勇気ある行動であり、イサミを想う友情にも溢れている。何をどう考えても良い男だ。
しかし、状況が限界の窮地になると、彼は軍の命令に従い撤退を優先した。
本当ならば、スミスがなりたい『ヒーロー』とはイサミのような『どれだけ窮地でも諦めず、自分の正義を貫く心』ではないだろうか。
スミスが望んでいなくても、既に彼の生き方や思想に『軍人』が刻み込まれている。
これはブレイバーンの言う『生理的に無理』の正体ではないか。
イサミのメンタルはスミス程に強くない。戦うのは恐い。本当は逃げたい。
軍人の仲間や作戦のためなら自分の命を捨てでも遂行する考え方を否定してすらいる。
しかし第一話でもそうだったように、目の前で人の命が奪われうとすると、自分の心を奮い立たせて救おうとする。
自己犠牲を否定しながらも、誰かの窮地に対して自分の身を顧みず救おうとする矛盾。
それこそがブレイバーンがときめいた『勇気の爆発』ではないだろうか。
今回は、絶望的な状況でも諦めないイサミの意気に応えるよう、ブレイバーンは『勇導操波』を発動した。『その時』になったのだ。
イサミの諦めない心。誰かを救おうとする勇気。
それに呼応して叶える力がここにある。
だから言った。
迷いなく、堂々と、その言葉を言ってのけたのだ。
『絶対に大丈夫だ。なぜなら……私がブレイバーンだからだ!』
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