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仮面ライダーガッチャード 第23話【ネタバレ感想・考察】マジェードのムーンケルベロスがカッコ可愛い!

2024年2月11日

あらすじ

このままじゃフルパワーズッキュンが溜まってしまう!!!!

人を魅了するケミー、ズキュンパイアの力の暴走により
フルパワーズッキュンの侵攻をなんとか食い止めようとする宝太郎たち。

ケミーであるはずのズキュンパイアが人を苦しめてしまうそのわけとは!?
ズキュンパイアの真実が明かされるとき
いま、史上最大のズッキュンが世界を覆う!!

ヴァンパイアは月夜の王子。
いまこそ月の力で対抗だ!
発動! マジェード・ムーンケルベロス!

出典:仮面ライダーWEB

人々からエネルギーを奪うズキュンパイア(山中柔太朗)を止めようとする宝太郎(本島純政)とりんね(松本麗世)。そこへ蓮華(安倍乙)らがズキュンパイア崇拝者の一人、結逢(希代彩)を連れてきた。

結逢からズキュンパイアにまつわる事情を聞いた宝太郎らは、必死にズキュンパイアを説得。自分が人々を苦しめていたことを知ったズキュンパイアは大ショック、それと同時に周囲に異変が発生する。そして、その異変を悪用しようとクロトー(宮原華音)が現れて…!

出典:仮面ライダーガッチャード|テレビ朝日

感想・考察

ムーンケルベロスがめっちゃカッコ可愛い

多重錬成マルガムにライダー達は苦戦する。高速蹴りも軌道が直線的で避けられてしまった。

速度特化は、来るとわかっていても避けられない程速いが最大の武器だと思っていたよ……。

新たな強敵にぶつけられるのが、仮面ライダーマジェードの新フォーム『ムーンケルベロス』だ! 補正には補正をぶつけるんだよ!

なんと、みつ首のケルベロスを利用してお団子頭を表現しているのが可愛い。
そしてチャイニーズ風味なカンフーアクション!

良い意味で、女の子ライダーらしさの要素を積極に使い、デザインとアクションに上手く馴染ませている。まさにカッコ可愛い新フォームだ。

マジェードが連蹴りで動きを止めて、ファイヤーガッチャードの高速蹴りが追いつき重なる。変則的なダブルライダーキック。
流石はガッチャード、ライダーキックへのこだわりに余念がない

りんねのパワーアップは前回からの繋がりが薄いものの、そもそもズキュンパイアが女子回なので正解だなと思う。

これまでのトンチキ系ギャグ回との違い

ズキュンパイアは前々回の次回予告からガッチャード特有のトンチキ回だと言われていた。
けれど、蓋を開けてみれば、意外(?)とギャグ感は薄かったように感じる。

理由は主に二つ。
これまでのガッチャードのトンチキさとは単純なギャグだけではない。物語の整合性よりもシナリオ展開を優先しているために起こる現象でもあった。
唐突にやってくる借金取りや、効果もわからない銃を撃つりんね。錬金術ではなく、展開や設定のリアリティをガン無視した展開に起因していたのである。

ズキュンパイアのキャラクター性やズッキュンの演出は、全てケミーという設定に則っている。
探すと言ってるのに間もなくソッコで見つかるマックスズッキュンや、ラストで唐突に現れる彼氏などはあったが、全体で見ればしっかりとまとまっていた。

なお、これは単純に脚本家の技量問題だけではない。
今回は前後編で相応に尺があった。レスラーG回などは一話完結で話を強引に詰め込んでいた要因も大きいだろう。

ちなみに、ズッキュン斬りは悪意に飲まれて暴走状態のケミーですら魅了した。
つまりマルガム特攻で、状況によってはスーパーガッチャードの強制分離以上に強力技だと思う。

けれど、あまりに便利過ぎるのと演出がギャグノリなので、今後はほとんど使われない展開になりそうではある。
そういう部分も、整合性無視のギャグ回らしさとは言えるのかも。

後、個人的に一番笑ったのは、グチオンのクロトーズッキュンされたのかと見つめ合うシーン。
こういうシリアスなギャグが一番笑いを耐えられない…………。

女性向き恋愛回とギャグの相性

そして今回は恋愛を物語のテーマ性に強く含めている。

アイドル回かと思っていたので陰キャ系のオタ女子かと思ったら、全然そんなことはなかった。
メガネの地味女子ユアは陰キャではあったけれど、ギャグノリではなくリアリティのある性格している。

リアリティレベルが上がると相対的にギャグ感が弱まってしまう。
そのためズキュンパイア編はこれまでのガッチャードのトンチキ回とは異なる味付けになっていると感じた。

常にギャグのノリ有りきでシリアスや感動を混入させ、人の情緒を破壊する『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』という番組が以前あったけれど、あっちの方が異常なのだ。

主体性が弱く、いい加減な彼氏に依存してしまうユアが、ズキュンパイアの純粋さと善意に触れてその夢を応援したくなる。
それは『恋』の一部であると思うが、同時に現在では『推し』と呼ぶべき感情だろう。
アイドルオタクの女子ではなく、ズキュンパイアによってアイドルオタク化した女子だった。

ズキュンパイアのズッキュンとは人に喜びを与える代わりにライフエナジーを得る。
それでも彼を推したい。自覚的であれ無自覚的であれ、ズキュンパイアのファンたちはそう考えていたのは想像に難くない。
これもアイドルを推す行為と同じだ。推しはそれ自体が楽しく、そして対価のある行為なのである。

そして主体性の薄い彼女は彼氏に捨てられズキュンパイアと出会い、『恋』から『推し』に依存先を変えた
ズキュンパイアもまた、ファンたちに自分の夢を依存していたと言える。
だから最終的にズキュンパイアは、自分の道を探すためファンたちから離れて宝太郎と共に行くことに決めた。

またグリオンは宝太郎をケミーに影響を与える『鍵』と呼んでいる。
ズキュンパイアがケミーの姿から人間の姿になっていたのも宝太郎の影響だった。

子供時代の宝太郎に出会っていたことで何かしらの変化が起きていたのか、そこまではわからない。
しかし、その影響を与える能力がズキュンパイアに新しい道を与える切っ掛けとなったのだろう。

宝太郎がズキュンパイアをガッチャしたことで、いつものようにユアからケミーの記憶は失われた。
その後、彼女はまたクズ彼氏と遭遇して復縁を求められる。

押しの弱さと依存性から迷いが生じてしまう。
その時、ユアの目に留まったのはズキュンパイアからもらった花から作ったしおり。
そうして微かな記憶が蘇る。

自分は幸せになるため生まれてきた。
だから何が幸せなのかを他人に委ねてはならない。自分の幸せは自分で見つける。

ズキュンパイアから卒業したユアもまた、彼と同じ結論をもって未来に向かっていくのだ。

前回の感想



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