[cc id=2152]
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
夏だ! 東映だ! 久方ぶりにスーパー戦隊と仮面ライダーが分割式の同時上映だ!
コロナ禍と、仮面ライダー50周年(スーパー戦隊は45周年)の合同映画で、通常の劇場版方式は二年ぶりとなりました。二年なのに随分久しぶりな気分ですね。実家のような安心感。
(なお、ドンブラザーズ側の感想・考察はこちら)
http://kamen-rider.info/donbro-movie/
TV本編が後編に入ってから目に見えて複雑化しておりますが、それが劇場版にもどう影響を与えたか。
本来の劇場版の在り方と、リバイスらしさが重なったことによる起きた現象。そしてそこを掘り下げて見える『家族の絆』以外の重要なメッセージ性。今回はそこも重視して語りたいです。
前提としてバースオブキメラは前日に視聴済です。感想内でもしっかりと語りますが、これ重要。
物語としても直接的な繋がりがあるため、バースオブキメラのネタバレ感想も一部本感想に含まれるのでご注意ください。
ちなみに、私がいつも利用しているシネマブルク7だと、夏映画と言えば一部上映前にキャストトークがありました。
そこだけガッツリで席が埋まるイメージでしたが、今回はリバイスの撮影会になっておりました。コロナ禍のせいかな?
家族や子供との撮影はもちろん、純粋なファンもスタンプやフィギュア等を持参で撮影している人もいました。
ちなみに私も撮影していまいりました(自分は一緒に撮らないスタイル)。
バイスが本編同様にはしゃぎ回りつつ、非常にサービス心旺盛だったのが好印象でしたね。
おかげで鑑賞前の空気はいい感じに和やかでした。
では、いつも通り最初はネタバレ無しパートから、今回の講義を始めてまいりましょう!
スポンサーリンク
ネタバレ無し感想
私は映画だと通常のドラマに比べて『考えるな、感じろ』の視聴姿勢が割合的にアップする。
これは東映特撮や仮面ライダーに対してではなく、映画作品全てについての共通項だ。
画作りや音響に重きを置かれており、物語の尺もドラマに比べて大きく限られる媒体なので、それは当然そうなる。
ぶっちゃけアクション映画でしっとりとした展開が多かったり、爽快感の無い終わり方をされると観る側も戸惑う。比較的最近の作品だと、後者はオーズ完結編で多くの人がそうなった。
映画を作る側はそんなの重々承知だ。
そのため自ずとストーリーは映画用に派手な画作りとアクション、そして「面白かったー!」という印象を残すため、視聴後の爽快感が強く優先される。
派手などんちゃん騒ぎで、中身はあんまりいらないのが人気の得やすい『映画らしさ』であり、作品が本来持っているメッセージ性は鳴りを潜めることになりやすい。
そういう視点から見ると、本作は映画的な作りをしながらも、TV本編にあった『リバイスらしさ』を比較的強めに残してきた。
要は作品の中身と画作りを両立させるという、一番難しいことに挑戦してきた。
特に中身を入れるとなれば、物語性を高める必要があり、そのための尺が必要だ。
東映の特撮ヒーロー映画は、一般的な映画の尺より短めである。しかもスーパー戦隊と仮面ライダーはセット上映のため、更に尺が削られる。
その補強になったのがバースオブキマイラだった。
こちらは完全に映画の前日譚的な立ち位置で、普通にTV放送一話分くらいの情報量がある。
全体的な設定のディティールに対する掘り下げの他、タイトル通りキマイラ関係について深く触れている。どちらも映画内で軽く触れてはいるが、事前に観ると観ないとでは物語の解像度は明確に変わる。
心を幼稚園児に戻して、映画の派手なアクションとCGを楽しめれば満足派の人はあまり必要ないかもしれない。
(バースオブキマイラ自体も、ケイン・コスギ氏がガッツリ出演していて、全体的にアクションが楽しかったけど)
TTFC会員の方はもちろん、ストーリー性も楽しみたい方は、映画の前に観ていくことを強く推奨する。
とまぁ、それでもメッセージ性を強めた以上、頭を使って観る要素は増えた。
「なんでこうなったの?」で思考を止めてしまうと、モヤモヤが徐々に溜まっていく。
いつもの夏映画と同様、展開にあれこれと強引さもある。
また、シナリオのために入れた設定と、アクション性のために入れたシーンが一部喧嘩しているようにも感じた。
これらとストーリー面のモヤモヤが混ざってしまうと、全体的に手抜きな作りにしか見えなくなる人もいるだろう。
短い尺でストーリー性とアクションを両立させる難しさが見て取れた。
しかしながら、どちらが勝っているかと言えば、明らかにアクション性だ。
坂本浩一監督のアクションへのこだわりがとにかく光る!
『子供達が最初に触れるアクション映画』としてガッツリアクション性を盛り込んでいる。
中でもケイン・コスギ氏が圧倒的だ。
キレッキレの動きで血湧き肉躍るバトルを地でいき、アクション映画のスタンダードな楽しさがそこに詰まっていた。
他のメンバーも全体的にアクションの熱量が半端ない。
ヒロミは設定的に老化した肉体への折衷案としてそう来たかーと思ったし、一輝役の前田拳太郎氏も思った以上の動きで、ケイン氏のアクションに食らいついていく。
本人は鍛え込みが間に合わなかったとパンフでは反省点を上げていたが、実際の動きはケイン氏がアクション初挑戦とは思えないと褒めるレベルだ。
元々しっかり鍛えていた人間の基準であり、作品としてはむしろ十分に加点対象になっている。
予告映像では完全にネタ枠と化していた蛇女ラブコフですら、伊東美来氏の妖艶な声色の使い分けに、宇佐美紗風氏の動きが加わると一気に引き込まれてしまう。思っていたよりも全然有りだった。
新ライダーのアクションも独自性と王道が見事に融合していて、変身後の戦闘ではラストバトルに並んで一番興奮したシーンだ。
特に武器を使った戦闘演出が私にどストライクで「これ本編でもメッチャやってほしい!」と心から思ったレベルでテンション上がった。
元々リバイスの後半が賛否両論であり、その流れで批判が起きやすくなっている。
そこも加味した上でシナリオ面で不満を上げる人は見かけるが、純粋にアクション映画としてハイレベルであり、その点だけでも十分に見応えがあった。
スポンサーリンク
【次ページ:ママさんの本質こそが仮面ライダー五十嵐】