ジオウの第七話『ショータイム2018』はウィザード編の前編だ。
ショータイムの由来が本物のマジックショーだったとは思わなかった。

ウィザードのキメ台詞「さあ、ショータイムだ」も『マジック(魔法)ショー』にかけていたのは明らかなので、どストレートな使い方だったと言える。
事件発覚の要因にもなった。

さて、ストーリーの中身ではどのようにウィザードしていたかも含めて考察と感想を書いていこう。

希望と絶望のウィザードメソッド

今回は一見するとソウゴを取り巻く話に、アナザーライダーの事件が強く絡む構成だった。
仁藤の影こそあったが、あまり直接的にウィザード本編の者達は絡んでいないため、わかりやすいウィザードらしさやお祭モノ感はない。

しかし、ストーリーの構成はきっちりとウィザードの物語構成の本質を突いてきている。
ウィザードはお悩み相談系の話を、怪人に狙われるゲートを救うという形式で行ってきた。
今回はアナザーライダーが生まれる経緯を使って、ウィザードのお悩み相談を別の形で再現している。

これまでのアナザーライダー誕生の動機は、どれもその場にいる人間にはどうにもできない瀬戸際の問題ばかりだった。

ビルド編:選手生命が絶たれる
エグゼイド編:息子の病死
フォーゼ&ファイズ編:彼女の死

しかし今回抱える悩みはマジック劇場である小屋の倒産。
もっと突き詰めれば、マジック劇場を閉めることによる失恋がその根本にある。

これまでとは明らかにスケールが小さくなっているが、本人にとっては人生を左右する重大な問題であり、マジック劇場の存在が彼の想いを繋ぐ最後の希望だった。

しごく個人的な希望が絶たれることで人生に絶望し、そこから新たな怪人が生まれる。
今回で言うなら、元々マジックショーのためだけに使われていたアナザーライダーの力が、失恋により希望を失ったことで暴走を始めた。
理性を失い力を振るう様はまさに怪人である。
まさに仮面ライダーウィザードのメソッドそのものだ。

ソウゴは今回、アナザーライダーになった者にかなり同情的な立ち位置にいる。
ウィザードの構成を活かすなら、後半は失われた希望を別の形で取り戻させる流れになるだろう。

ウィザード本編より厄介なのは、アナザーライダーの力を使わないと、足掻いても失恋と劇場を閉める流れは変わらないと思われる状況だ。
そもそも劇場を閉めるのも、アナザーライダーによる力を本物だと知り、もっと広い世界で頑張ってほしいという純粋な願い。

結婚が決まった二人はどちらも良い人で、誰にも悪意がない。
どちらかというと問題は自己主張が弱くアナザーライダーの力に依存してしまったことにある。
この状況からウィザードの空気感を壊さずいかにして事件を解決するのかはかなり楽しみだ。

ウォズを中心に考察する組織間の関係

そろそろ慣れてほしいと言われていたが、本当にウォズが現れてもソウゴが驚かなくなってきた。
そして声のかけ方もフランクになっている。
ウォズは魔王が気さくなことよりも、ゲイツ達と仲良くなる方を問題視し始めていた。

ゲイツ達はオーマジオウの未来を覆す存在になり得るらしい。
今回初めてウォズはゲイツに直接的な接触と会話を試みた。
そうするだけの問題が生じたと考えると、前回継承の儀ができなかったのが引き金だろうか。
ウォズの持つ本の展開とズレが出てきたのかもしれない。

そしてウォズから動いたことで、ゲイツとウォズの因縁も見え始めた。
ゲイツはあえて変身せずに殴りかかって、対するウォズは軽くいなす程度だが、会話からなんとなくこれは何度も繰り返してきた流れのように思える。
二人の関係には敵同士の割に妙な親密さを感じた。
会話の雰囲気だとウォズが裏切ってオーマジオウ側に付いたとか、まだ色々と想像はできる余地がある。

そしてもう一つの敵対関係がタイムジャッカーだ。
こちらについてウォズは特に何も触れていないが、ズォルトの口ぶりからするに厄介な相手と認識されている感じだった。
ウォズはゲイツ側は未来の改変を警戒しているが、タイムジャッカーについては特に何も触れていない。

そもそもジオウのライダー継承は常にタイムジャッカーの起こす事件が起点になっっている。
故にタイムジャッカーが新たな王を擁立するのは本来の歴史通りの行動であり、予定調和の動きであるのだろう。
そうなるとやはりゲイツがライドウォッチを手にして継承をさせない流れが、一番オーマジオウ化を邪魔する行為に見えてくる。

ソウゴとゲイツのアナザーライダーに対する意識差

今回、アナザーライダーが悪事を働いていなくとも、ゲイツは問答無用で倒そうとした。
アナザーライダーがそれだけ危険な存在であるというのは頷ける。

しかしゲイツの目的はオーマジオウを止める、そのためにはソウゴを倒すことも厭わない。
そのため最初期はアナザーライダーを放置しようとしていた。

少なくとも50年後の未来にはさしたる影響を与えない程度の存在と認識していたはずだ。
我慢できずに割り込んだのも、目の前で犠牲になりそうな人を捨て置けなかったという印象が強い。

だが現在は有無を言わせず倒そうとする程であり、逃した後もめちゃくちゃ積極的に探し回っている。
今回の行動は、いつものゲイツの人の良さとはまた別の要因による行動だ。
そのため矛盾が生じているように思える。

理由を考えるなら捨て置けない理由が別にできたということだろうか。
ジオウがオーマジオウ化せずに問題を解決できたら、今度はライダー達による王を決める戦いがいずれ開始される。
そうしてアナザーライダーが王として勝ち残ると、今度はタイムジャッカーによる支配になってしまう。
これでは支配者が変わるだけで意味がない。

それ自体はジオウを倒せば起こる別問題として認識していたはずだ。
アナザーライダーは今の所、純粋な戦闘能力こそゲイツやジオウに劣っているが、元のライダーの力で倒さないと何度でも復活してしまう

この事実をゲイツはジオウを倒しにきた当初は知らなかった。
逆に知ってしまった以上は、王を決定する戦いにアナザーライダーを参戦させてはならない。
50年後を救うには、もはやアナザーライダーもオーマジオウ同様に全て倒さねばならない敵となっている。

ソウゴは純粋にアナザーライダーとなった人も助けたいと考えている。
エグゼイドとフォーゼ&ファイズでのアナザーライダーの戦いを経て、アナザーライダーも元は普通の人間であり、何かしらの理由があって怪物となっていると認識したのだろう。

そして今回のアナザーウィザードはマジックショーで魔法を使用している程度で、本人は一応最初から魔法と宣言しているため詐欺でもない。
少なくとも悪事らしい悪事は働いていない市民のままだ。

それが前提としてあるためか、ゲイツに危険性を指摘されてもあくまで別の方法での解決策を模索する。
しかも半ば強制的にツクヨミを手伝わせるというオマケ付きで、中々タチが悪い。
ツクヨミもゲイツが勝手に動き回っているので、自動的に彼女がソウゴを監視せねばならず拒否権がないのだ。これはひどい。

王様になることからしてそうなのだが、ソウゴは一度やると決めたら一切引かない
前向きかつワガママに自分の意を通す。
そのくせ周りが幸福になれる道を模索するという方向性からもブレていない。
そう考えると、案外王の器はあるのかもしれないと思った。

しかしアナザーウィザードは結局暴走してしまっている。
怪人の出す被害を考えると、ゲイツの判断は正しく元々ジオウを倒すことを目的としていたのだから、これは戦う口実としては十分だ。
しかもツクヨミがアナザーウィザードの魔法で倒れたのだから余計に捨て置ける事態ではない。

一方ソウゴのワガママの中には、ゲイツやツクヨミと仲間になるというものも含まれている。
前回から仲間になりたいと自覚し、また共闘したことである程度はなれると確信を得て積極的に行動を開始した。

ウォズの作戦もあり見事に亀裂の入った関係であり、こちらはこちらで窮地である。
次回は本格的に仮面ライダービーストである仁藤も登場だ。
ゲイツとソウゴには彼の生き方を学び、このピンチをチャンスに変える展開を期待したい。

大量の仮面ライダー作品が無料で見放題