仮面ライダージオウ 39話『2007:デンライナー・クラッシュ!』

どうも、ゲタライド(@ridertwsibu)です。
今回は電王のジオウ編の前編でした。
って言っても違和感ないくらい電王濃度がすごいことになっておりました。

他のレジェンドキャラや設定が絡んでも確固たるジオウらしさを持っていたのですが、その『らしさ』まで取り込んで電王空間に変えてしまうところがマジ電王。
この電王空間に一人強く抵抗できていたのがソウゴだったのが個人的に主人公としての成長を感じられて嬉しいです。

もう一つ重要な要素として、電王において主人公の野上良太郎と並べても遜色ない名キャラクターである、2号ライダー枠の桜井侑斗。
桐矢京介とそっくりさんネタを思った以上に堂々と切り込んできれました(この辺はある意味前回の予想通り)。
今回の出番だけを振り返ると、結局ジオウを止められずトリニティライダーキックの餌食に。
グランドジオウのウォッチを入手させてしまい君は何しにきたの? 感がありますが、実は目に見えないところですごく重要な仕事をこなしてくれておりました。

今回はどうしてここまで電王感マシマシになったのか。
そしてその中に隠されたジオウ要素についてを語っていきましょう。

グランドジオウは過去の歴史からライダーを召喚している

グランドジオウウォッチは待機音や変身音声が、これまでのライダーを踏襲しており長くてド派手という噂で楽しみにしていた。
していたのに! 無かった! え、そこ次回に持ち越しなの?
いつも強化フォームの出番は後半が当たり前だったので、おかしいとは思っていたけどこうくるとは。

しかも来週ゴルフでお休み? ちっくしょうめ!
もし、今ニチアサ視聴者がイマジンと契約したら、高確率で日本のゴルフ場が襲われまくるだろう。

二週間変身音声のおあずけは辛いなーと思いながらも、グランドジオウの戦闘はとても見応えがあって面白かった。
これもうディケイドのコンプリートフォームにそっくりだ。
全身のライダー像をタッチして召喚するまさかの演出も、見方を変えればケータッチを操作するコンプリートフォームによく似ている。

召喚されたライダーがライダーキックを中心に、それぞれ個性豊かな必殺技を発動させる演出はワクワクが止まらない。
音声もオリジナルなのが嬉しい。おそらくライブラリーを使ったものだろう。

そして最大の見所はオーズである。
うん、ちょっと待って、それは不発弾タトバキックじゃねーか!
ただでさえ主人公ライダーとして、ライダーキックのトドメ数が過去最低クラスなのに、一番派手に外しちゃった一発目を持ってくるとは思わなかった。
なお、最終話でも倒しそびれているので本当に可愛そうな残念キックだ(演出はかなり大好きなんだけどなあ)。

だが、この演出だからこそわかることもある。
タトバキックで巻き込んでいるのは、その時周囲にあったコンクリが巻き上げられたものだ。
それをやったのは怪人側で、しかもキックを避けるための防衛手段だった。

要するにグランドジオウは過去に起きたライダーの歴史を再生して喚び出している。
レジェンドライダーの歴史再生というべき能力だ。

ただ、これだとコンプリートフォームの数が増えて性能劣化したバージョンとも言える。
コンプリートフォームは、各ライダーの最強フォームを召喚して操作できる。

最強フォームというだけで性能は段違いだ。
ライダーのモーションもある程度好きに動かせるので自由度が高い。
動きと映像的な構図は多彩で全体的な華やかさはグランドジオウの方が上で、観ていて飽きないのはグランドジオウではある。
ただ外見的なインパクトは流石平成二期ライダーと言えるものの、能力は二番煎じ感が否めないのもまた事実だ。

歴史再生が能力の主眼ならば必殺技ごとのバリエーションも再生可能だろうか。
龍騎を呼んでアドベントや、ウィザードのランドによる壁構築シーンを再生して防御。
と言った歴代ライダーの多彩や技を再生できたら応用性がかなり高まる。
今後、歴史再生ならではの特徴が見れることに期待したい。

平ジェネForeverとは異なる電王らしさ

まず、あまり触れずややふんわりと誤魔化し気味だったけれど、今回イマジン達とソウゴが初対面なことについては理由が存在する。
あまり知られていない裏設定でもあるためこちらで事前解説はしておいた。

今回の高濃度電王感の理由は二つある。
正確には二つが完璧に両立されていたからこその電王乗っ取り状態に発展した。

これまで何度も語ってきたことなのたけど、ジオウによる原作再現は大別して二種類に分けられる。
一つはレジェンドライダーのテーマ性や流れをジオウのシナリオに落とし込むタイプ。
わかりやすいところだとウィザード編やキバ編がこれにあたる。


これは人を選ぶ、ある意味上級者向けだ。
要するにレジェンドライダーの作品を視聴していることが大前提で、レジェンドライダーの表面的ではない部分の理解度も求められる。

わかる人間は思い当たるテーマ性や展開の流れになる度に、その旨味を噛みしめ涎をだらだら流しながら視聴する。つまり私だ。
キバ編の考察テンションで色々お察しください。
(あれでも長過ぎて削った話もあるんだよ!)

もう一つはレジェンドライダーが話を引っ張るタイプ。
こちらはレジェンドライダーが話の主軸に深く関わるので、原作らしさもわかりやすく盛り上げやすい。
これは言わずもがなジオウ後半に出てきたキバを除くブレイド~カブト編である。


基本的に元作品らしさをレジェンドとその演出に振っており一話あたりの熱量とかかる予算が違う。
何で毎回これができないのかと言われても、そりゃできるわけがない。
またこのやり方だと、原作の再現性は台詞や映像演出の要素がメインで記号的になりやすい。

今までは多少両要素が混ざり合いはすれ、どちらかに片寄っていた。
ブレイドは剣崎と始のジョーカーを巡る戦いは後半の要素で、重要ではあるがオチに相当する部分だ。

カブト編も世界観はかなりカブト寄りでも、天道抜きで地獄兄弟がメインの話作りなんてものは原作にはない。カブト原作の繊細な部分のテーマ性は、話の裏側で形作られていた。
そりゃアクの強いメンツの中でも一番濃くて『おばあちゃんが言っていた』で話をまとめあげる役割だった天道がすっぽ抜けたら、どうあがいても『いつものカブト』になるわけがない。

で、これを両立させるとどうなる? 電王になる
メインのイマジン総登場! いつも通り皆でワチャワチャしてる!
(これだけでも電王は一気に電王感が爆上がりする)
桜井侑斗とデネブもガッツリ! キャンディもしっかり配る! モモタロスも飴ちゃんと言う!

アナザーライダーだけじゃなくイマジンまで出てきて、電王名物フワッとした契約からの一方的な契約完了ワープも健在。
ぶっちゃけデンライナー乗っ取りもお家芸みたいなもの。
まんまいつもの電王じゃないですかー!

イマジンが新規じゃなくてあえてモールイマジンなのも電王らしさに拍車をかけている。
モールイマジンと言えば何体もいて場合によっては役割がショッカー戦闘員的なことある。要は使いやすい。
今回はちゃんと契約して飛ぶ流れをやっていて、しかもアナザー電王と戦える程度には強い。中々にレアな個体だ。

冒頭からグランドジオウが登場しての戦闘シーンも、要するに『最初からクライマックス』を言葉通りにやったわけだ。
ウォズノートを利用した演出を上手く利用していてここも上手い。

中には天道抜きだと『仮面ライダーカブト』にならないのに、良太郎抜きだと『仮面ライダー電王』になるの? と疑問に思う人もいるだろう。
誤解を恐れず言うなら野上良太郎がいなくても『電王』は成立する。

『電王』の脚本には大別すると、小林靖子脚本ノリと米村正二脚本ノリの二パターンあると考えている。
具体的には劇場版の『平成ジェネレーションズForever』が小林脚本ノリで、今回の電王編は米村脚本ノリだ。

小林脚本はイマジン達をワイワイさせながらも、根っこにある脚本は非常にロジカルである。
一見いつもの勢い重視な劇場版のように観せながら伏線を混ぜ込み、後半でバラバラだった事件の時間軸が一本の線にスパーンと繋がる。この気持ちよさが小林脚本による電王の醍醐味だ。

そして締めるべき部分は、モモタロスをメインにしたイマジン達と良太郎の絆で物語を引き締める。これも劇場版がそのまんま完璧な再現だった。
(ていうか劇場版の脚本は小林靖子氏監修なので当然といえば当然である)
このロジカルさと感動のバランス感覚には野上良太郎(もしくはメインを張れる電王の主要人物)が重要だ。

米村脚本ノリだとキャラ一人一人の個性による爆発力が強い。
先に出した『カブト』にて各キャラに強烈な個性付けをして物語を盛り上げた張本人が米村正二氏である。
各キャラの個性を重要視してワイワイ暴れ回ることで、物語を味付けするノリは『電王編』のイマジンや、その勢いで一緒にはしゃぐ叔父さんに近い。

他の部分で思うところだとゼロノスの戦闘が多かった分、モモタロスによる電王変身が無かったのは少し寂しかった。
けれど戦い方がモモタロスっぽくて良い意味でチンピラ感があり、そこに丸ノコの力押しがマッチしている。
ツクヨミがゲイツの変身を手伝うシーンは電王じゃなくて、ジオウ一話のオマージュだ。懐かしい小ネタを挟んできた!

デネブについては『胸の顔は飾りだ』は無かった。
モモタロスはてんこ盛りことクライマックスフォームで合体には慣れているので、顔についての言及があったらトリニティにある胸の顔はどうなんだ的ツッコミができそうだったのに。

桜井侑斗がこなした重要な役割

ジオウ電王編における侑斗の立ち位置はかつてのゲイツに近い。
経緯に違いはあれどオーマジオウになる前の常盤ソウゴを倒しにきた。
物語的になんでウォッチ集まる寸前のこのタイミングなんだというツッコミは、次回に補完できるネタが出てくるかもしれないので置いておこう。

少なくとも、このタイミングで侑斗が敵対するシナリオ的な意義はある。
今やゲイツはソウゴを強く信じる友人兼親衛隊長的な存在だ。
ツクヨミも最近は大分大人しくなっている。

一致団結して戦えるようになっているからこそ、以前のように『外側から見た常盤ソウゴの現状が見えにくくなっていた。
侑斗が現れオーマジオウを敵視したことで、ウォッチを揃える直前で客観的にソウゴのオーマジオウ化についてを考えるキッカケになっている。

ソウゴの目的は最高最善の魔王になること。
このことは前回オーマジオウに敗れて、再びジクウドライバーを手にしてからブレていない。
今の所はオーマジオウ化する気配がないため、オーマの日以降ゲイツは『もしも』の時を頭の片隅には起きつつも、『ソウゴが最低最悪の魔王なるはずはない』と確信している。

だが、オーマジオウに至る未来は未だ全く変化していない。
つまりソウゴがウォッチを揃える=オーマジオウ化コースは変わらずある脅威なのだ。
綺麗事で放置できる事態ではないことを、桜井侑斗が戦うことで改めて示した。

またウォズの不穏さも今回で改めて浮き彫りになっている。
ソウゴがオーマジオウを倒すには同等かそれ以上の対抗できる力を手にしなければならない。
ウォズはあくまでオーマジオウになれば対等の力を手にできると語っている。

このセリフ、ゲイツなら眉をしかめるだろう。
オーマジオウの力を手にするということは、即ちオーマジオウになるということだ。
最高最善の魔王になるにはオーマジオウではない王の力を手に入れねばならない。

トリニティという不測の未来を辿り、それを見守る位置にいながらもウォズはあくまでソウゴがオーマジオウになることを確信している。
また、それを望んでいることに変わりはない。
あくまでもウォズは親オーマジオウ派であり、ゲイツ達を裏切った理由も明らかになっていないのだ。

ゲイツやツクヨミがウォズを受け入れているのは、あくまでウォズを信じたためでも許したからもでない。
まあ、元上司だから心の底では信じたいという拭い去れない情も少なからずあるとは思う。
それでも収まりきれない怒りや恨みを一旦抑え込んだ要素、二人が信じているのはあくまでソウゴが創る新たな歴史なのだ。

ソウゴとの対話からしてウォズは事実上仲間になった今でも判断や価値基準をオーマジオウに置いている
その変化のない価値観も今回改めて言葉という形で見えた。

そしてソウゴである。ウォッチを集めてオーマジオウと対等になる危険性はソウゴはもう強く理解している。
かつての大敗が心に響いているからこそ、未来を変える力を欲しているのだ。

オーマジオウが促す魔王への道、即ちウォッチを揃える未来を進んでいるのはあくまで未来の自分と決着を付けるため。
一度は王になる道を捨てようとした。
最低最悪の魔王になると判断されたのなら、ゲイツに倒されてもいいと本気で考えた。
ウォズをも受け入れ、トリニティという新たな未来への道筋を見つけた。

数々の試練を乗り越えたソウゴは、最高最善の魔王になるため全てのウォッチを手にしようとしている。
その覚悟の重さを直前で見せる。そのためにソウゴを外側から観測できて、改めて魔王になる重圧を教える桜井侑斗が必要だったのだ。