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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 【ネタバレ感想・考察】

2024年1月8日

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』は、人気アニメ『SPY×FAMILY』の世界観を拡大し、フォージャー家の新たな冒険を描いた映画です。

この記事では、ネタバレありで映画の魅力、観客の反応。そして、わたしの個人的な感想と考察をお届けします。

映画の概要

この劇場版は、原作者・遠藤達哉の監修のもと、フォージャー家の初めての家族旅行を描いています。

スパイの父ロイド、殺し屋の母ヨル、超能力者の娘アーニャ、そして未来予知犬ボンドが織りなすドラマは、原作のファンはもちろん、新規の観客も観やすいよう意識された構成です。

特に、アーニャの愛らしさと家族の絆が、心温まるストーリーの中心となっています。

アーニャの魅力と成長

アーニャのキャラクターは、彼女の無邪気さと家族を守ろうとする行動が、シナリオ(特に重要な後半部分の)主軸となっています。

彼女の純粋な視点から見る世界は、観客に家族の絆とその大切さを訴えかけているようです。
アーニャの成長過程は、子供たちにとって共感を呼び、大人の観客には愛らしさと感動を与える要素となっています。

……なんてことだけではなく、いつもの冒険と悪巧み好きな性格や、ギャグ要素も満載。
詳細は後述しますが、「そこにどれだけ高い作画カロリーと無駄に長い尺取るの!?」とツッコミたくなる要素もありました。

フォージャー家の絆の深さ

フォージャー家の絆は、もちろん作品全体のテーマ性ではあります。
今回の映画では、それが一際強調するように描かれていました。

いつもの『コメディの中に仕込まれた、テーマ性としての家族の絆』というよりは、観客に家族の大切さを再認識させる、強力なメッセージを伝える役割になっていると言えるでしょう。

彼らの関係性の成長は、映画の核心をなす要素です。それは家族連れを中心にした観客に、家族の大切さを伝えようとしているように思えます。

観客の反応と評価

ネット上の評価としては、本作はとりわけ子供向けに作られているとの声が多く聞かれます。

アニメ版に比べても、よりファミリーフレンドリーな構成になっており、子供たちには概ね好評です。

しかし一部の大人の観客からは、ストーリーの単純さや、予測可能な展開に対する指摘もありました。

子供向けの魅力と大人の評価

子供たちには、映画のカラフルなビジュアル、楽しいキャラクター、そして分かりやすいストーリーが大きな魅力となっています。

一方で、大人の観客はアニメ版よりも壮大で過激な物語を求める傾向があります。
それに対して、本作はファミリー向けで年齢制限がありません。

そのため、流血の描写や過激な表現は、適宜誤魔化しと言えるような部分も散見されました。
銃弾は当たらず、命のやり取りになるような場面は気絶や爆発でお茶を濁しています。

そもそも殺し屋であるヨルが、命のやり取りをせずに本気の戦闘をするシチュエーションを作っています。

アニメ2期でヨルが大暴れする話などは、結構容赦なく血しぶき上がりまくっていたのですけどね。

物語として複雑だったり、意表を突いたりする展開はほとんどありません。
途中に出てくる飛行機ぐらいですが、あれだけ堂々と出てきたら、後半で乗るのはお約束に近いですね。

わたしの隣に座っていた高校生と思われる少年グループは、エンディング間近で完全に飽きてスマホを弄りだしてました。
(純粋に映画好きのわたしは、上映中にスマホを弄る人は本気で軽蔑しますけど)

本作の狙いとテーマ性に対する考察と欠点

映画らしい演出と作画の出来は良い

わたし自身はどうだったかと言えば、シナリオは単調だと思いましたが、映像の派手さは十分だったので特に退屈はしていませんでした。

元々スパイファミリーのアニメは良質な作画ですが、今回も劇場版として満足のいく出来映えになっています。
(ジブリクラスと比べれば見劣りはしますが、そこはそれ。一般的なアニメ水準の話です)

流血戦はほとんどない分、空中戦や爆破シーンなど派手で見栄えの良いシーンの割合が多くなっています。
それもあって、ヨルさんの超人的な動きが話と作画に大変合っていました。

人間では到底破壊不可能な敵の攻略に、ロイドからプレゼントされた口紅を使ったシーンは、中二病的なニュアンスで格好良かったです。

劇場版SPY×FAMILYのファミリー映画化とその欠点

観ていてとても強く感じたのは、やはり家族で観ることを強く意識した構成です。

原作は、メインテーマとして家族の絆は重視しています。
しかしながら長期連載に対応して、サブキャラも活かしたバラエティ豊かな物語を、適宜展開しています。

今回はそういうオールマイティに良いところ全部乗せ、みたいな特別豪華版的な構成にはせず、家族の絆にシナリオを絞っていました。

フォージャー家を中心に家族の在り方を問うシナリオと、劇場版らしいいつもより派手で舞台を広げたシナリオを融合しています。
要するに本作は、劇場版のクレヨンしんちゃんをしたかったのではないかと思うのです。

それで、子供が笑えるシーンとして、うんこの神様が入ってきました。
子供たちのためと言える理由は、どう考えてもシナリオ的には不要なのですよ。しかも堂々と下品。
けれど色彩センスや映像演出はやたらめったに良いので、頭ごなしに否定もしづらい。

では、クレヨンしんちゃんの有名映画のような感動があるかと言えば、そこまでには至っていません。

何故ならスパイファミリーにはクレヨンしんちゃんのように、破綻が許される自由な世界観がないためです。

ONE PIECE映画のような整合性

本作はクレヨンしんちゃんと違い、きちんと原作(アニメ)のメインシナリオの中にも無理なく組み込めるよう監修されています。

『世界観を壊さずスパイファミリー史の一つ』として制作するスタイルは、ワンピースのフィルム○○シリーズと同様の構成です。
そのため、世界観に誤魔化しがなく丁寧に作られているとも言えます。

じゃあワンピース映画のように、世界観を維持したまま新キャラを出して更に広げる方向性で作れば、本作はもっと良くなったのでしょうか?

これも難しいでしょう。スパイファミリーという世界観自体にそこまでの奥行きがないためです。

奥行きの無さとは悪口ではなく、ジャンルの違いになります。
ワンピースは壮大な海洋冒険ロマンですが、スパイファミリーは一定の世界観で特定のキャラ達がドタバタ劇を繰り広げるコメディ作品です。
謂わば箱庭の中でお題を出し、各々がそれに応えていく形式と言えます。

もちろんマンネリ回避のために新キャラの投入は必要です。
しかし物語を広げて奥行きを出すために、新キャラや新設定の投入は、箱庭をめちゃくちゃにして壊してしまいかねません。

まとめるとスパイファミリーの劇場版は、丁寧にスパイファミリーで在り続けながら、クレヨンしんちゃんのようなファミリー映画になろうとしました。

その結果、ファン目線で面白いかと言われれば面白いです。
家族で安心して観れる映画としては、十分に及第点に達しています。

けれどスパイファミリーの劇場版という大枠だと、どっちつかずで振り切れていない、無難な良作にとどまったと思います。


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