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バキ道【ネタバレ感想・考察】古代相撲の欠点と●道の本質

2023年6月23日

タイトル バキ道
作品要素

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ネタバレ無しレビュー

刃牙シリーズの第五シーズンは、最古にして最強の力士、野見宿禰が登場だ!
一巻の表紙デザインにもなっている刃牙の頭を掴む腕は、視覚的なインパクトもあってかなり好きだ。
要するに板垣先生が今度は相撲について描きたくなったらしい。

今回はご本人ではなく、過去から襲名した野見宿禰の二代目である。
原始人を描きたいと思ったら原始人を出すし、宮本武蔵を出したいと思えば宮本武蔵を出す。板垣先生の割にはマイルドな設定だと思ってしまうぐらい、こっちも感覚が麻痺している。
いい加減、過去から復活シリーズのパターン化を避けたかったのだろう。

大相撲編の良かったところは、既存キャラの犠牲が最小限で済んだところにある。
新キャラの嚙ませ犬になる構造は、バトル漫画ではお約束の光景だ。

けれど人気キャラを何人も犠牲にされると、見ていていたたまれない気分になる。
刃牙シリーズの人気は、主役よりも他の主要キャラ達に支えられているといっても過言ではない。
かつては烈海王のような悲劇も起きたのだからなおさらだ。

全体を通してみると、既存キャラの格がほとんど落ちることなく終わったのは、おそらく5シリーズやってきて初だろう。

半面、本シリーズの目的であるはずだった大相撲の強さは全然示されていない。
大相撲がその力を遺憾なく発揮できていたのは『地下格闘技者ではない噛ませ犬』が相手だった時のみだ。

言ってしまえば噛ませ犬の噛ませ犬みたいになっている。
それでもオリバに対するゲバルのような存在なら価値はあるのだが、マジでその辺のモブに近い者達なのでどうしようもない。

一部を除き地下メンバーも全体的に決して楽勝ムードではなかったが、その特別な理由は物語内から察せられる。
また、そんな理由でも用意しないと勝負が成り立たない程度の相手でしかなかった。

また宿禰ともう一人それに追随する者が出てきたが、どちらもあまり魅力的なキャラには育たなかった。
ピクルや宮本武蔵は既存の人気キャラを食い散らし過ぎたせいで批判はあったが、その分しっかりとキャラが立っている。
今回の相撲陣はキャラ立ちにもやや失敗した感があるのは否めない。

ぶっちゃけ宿禰よりも、後半に復活したファイター、●●●(クリックで表示)がほとんど全部を持っていった。
彼が推しなら今シリーズを読む価値はあるだろう。

私の中だと、もう相撲編は次シリーズへの繋ぎ扱いになっている。
言い換えれば、次への期待感があるだけ良い方なのかもしれない。

後、途中で挟まったアントニオ猪木氏の追悼漫画『バキ道外伝 やっぱり猪狩完至は永遠だよネ!』は一話完結の短編で、猪狩のプロレス道が描かれていた。
話がキレイにまとまっており、普通に相撲道より意図が明確で面白かった。

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ネタバレ有りレビュー

次ページは、本編ネタバレ有りの考察になります。

後編:相撲道と●道の本質とは


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