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スーパーヒーロー戦記 歴代集合作品から繙く進化の流れ【考察・感想】

2021年7月24日

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ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

二年ぶりの夏映画!
二年ぶりなのに仮面ライダーとスーパー戦隊がまさかの合流!

去年は例年通りに制作そのものは決まっていましたが、コロナ禍によって制作中止となりました。
今年こそは再び夏にいつものニチアサ映画が観れたらいいなとファンは期待に胸を膨らませて待っていたわけです。

そうして発表されてみると、スーパー戦隊と仮面ライダーの二本立て形式ではなく『仮面ライダーセイバー+機界戦隊ゼンカイジャー』のいわゆるお祭りモノ作品だと判明。ネットでは賛否両論を呼びました。

まあネットで声を上げる視聴者はほとんど大きなお友達なのもあって、『否』の方が上回っている空気感です。
実際、Twitterでも私のフォロワーさんに、今回は観ませんと宣言している方もいました。

否定派が多い理由も理解はできます。私としては期待と不安両方あったというのが本音でした。
ただ、比較的最近ニチアサ入りした方々だと、「なんでここまでボロカス言われてるの?」と不思議だった方もいるでしょう。

この手の集合系映画は、今や結構個々人によって期待値や温度差に差が出るようになってきました。
そしてこういう平成ライダーの歴史を語るのは、私にとってライフワークみたいなもの。
今回は歴史的な解説も含めて、集合系のお祭り作品としてみた今年の夏映画、『スーパーヒーロー戦記』の感想と考察を語っていこうと思います。

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ヒーロー集合系作品の成り立ち(ネタバレ無し)

ニチアサの集合系映画の歴史は十年以上前まで遡る。
人によっては十年以上前まで遡るのフレーズでメンタルに軽く傷を負う。昭和って最近だし!

それまでは単独の世界観として確立し続けていた平成ライダー作品群を、仮面ライダーディケイドが一つに繋いだ。
これは当時のファンに凄まじい衝撃を与えたのだが、細かく語りだすとそれだけで一本記事が出来上がるというか、出来上がったものがあるので、そちらを参照してね!

http://kamen-rider.info/decade-1/

しかも平成だけでは飽き足らず、昭和までもを含めた過去作のライダーが並び立つ『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』が生み出される。
作品形式としては、まだスーパー戦隊との二本立てで、仮面ライダー側が単独でトチ狂いだしたという状態だ。

私はこの映画フツーに好きなのだが、これまでの平成ライダー観に粗逆するようなノリで集合系は初っ端から賛否両論となっていた。
正味一時間位の枠で昭和まで含めた主役ライダー+αを勢揃いさせて戦うシーンを入れたら、そりゃあ戦闘の時間だけで結構な尺を取られる。

元々ディケイド自体が色々と無茶な設定とシナリオ構成しているので今更とは言えるが、映画のストーリーもかなり大雑把になってしまい『子供騙し』感が強くなっていた。
いやまぁ、歴代ライダーが並んで集結した悪の大組織と戦うシチュエーションって、小さいお友達は普通に好きだと思うけどね。

とはいえ、それまでのライダー映画に比べると頭空っぽにして楽しむタイプの作品であるのは間違いない。
なお、過去作からオリジナルキャストの再出演を実現したのはディケイド本編であり、次回作のライダーが顔見せして活躍するパターンを作ったのは当作である。

そして、いつも年一本だった劇場版は、新旧ライダー作品の二本立て(+合流)で構成される冬映画枠が作られるようになった。
その一作目はディケイド&Wで『MOVIE大戦』シリーズが制作されたが、ディケイド側は夏映画の形式を継いで歴代ライダー集合形式で制作される。

物語としてはディケイド完結編なので、夏映画に比べると各ライダーの活躍は少々減っており、昭和組の登場は無し。ディケイド成分多めになってはいるものの、基本的な流れは夏映画と同様だった。
しかもこれは、リアルタイムだと夏映画以上に批判の声は多かった。

理由の大部分は単純に集合系だからではなく、ディケイドとして独立していてお祭り感のなかった嘘予告から全然違うものをお出しされたためなのだけど……。
とはいえ、上映後も多くのファンが『こっちの方がいい』ではなく嘘予告側を観たかったと憤怒していたのは事実だ。
それぐらい集合系とそれ以外では、ストーリ性に大きな差が出てしまうというのが当時の見解だった。

ならば作るべきではなかったかと言われると、これは一概に言えない。
ディケイドが作った新しい商品展開は仮面ライダーの売上を飛躍的に向上させた。
過去作を再利用できる状態を作ることで、一度離れたファンをも呼び戻せる。となれば利用しない手はない。

特撮ヒーロー内でもずば抜けている現在の仮面ライダー人気は、ディケイドで生まれた商業戦略がターニングポイントとなっており、その一つが集合系映画なのだ。

http://kamen-rider.info/rider-marketing1/

新しい商業戦略が確立した時点で、仮面ライダーには40周年も近くに迫っていた。
ディケイドはあくまで平成を主軸に昭和ライダーも含めていたが、今回は歴代ライダー全員登場を全面に打ち出した『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』を制作。
しかも今回はニチアサ二作の夏映画でも、ライダー二本の冬映画枠とも異なる、ライダー集合用としての春映画枠が新規に生み出されたのだ。
冬映画にあった集合要素はどんどんオマケ化していき、最新二作のバトンタッチが主体になっていく。

この辺りで、最新ライダー+過去作の代表として一号と、柔軟な便利設定としてディケイドか電王がメインを張るケースが比較的多く、一種の定型ができてきた。
特に電王は、モモタロス達イマジンズに安定した人気があり、スーツ+声優の組み合わせであるため出演依頼が出しやすい。
まさしく集合系の常連で、かなりの確立で電王組の誰かは出演している。

『レッツゴー仮面ライダー』のメインは当時の最新作オーズでこそあるが、設定は一部を引っ張ってきているのみだ。
作品枠としてストーリーは独立した一本完結型となって、集合系としての基本構成はディケイドの夏映画が基盤になっている。
枠として独立した作品となったことで、集合系作品としての紋切型がここでしっかりと確立されたとも言えるだろう。

しかし本作はディケイドという特質を生かした集合系ではなく、集合させるための集合系作品だった。
(そもそもディケイドはほとんど空気扱い)
集合して戦うシーンは見応えがあるものの、ストーリー性はむしろ下がっている。

劇場版作品は制作スケジュールがキッツキツなことでも有名だ。
ただでさえ尺が厳しくストーリーをまとめるのが難しい集合系に、そんな縛りを加えたらそりゃクオリティの維持は難しくもなるだろう。

そもそも平成ライダーは昭和ライダー時代にあった紋切型のストーリーを捨てたことでリアリティや人気を得てきた。
紋切型に頼るライダー集合系の形式は、仮面ライダーという作品を悪い意味で昔に戻してしまう行為でもあった。

さらに不幸なことは、『レッツゴー仮面ライダー』は意図的に子供向けっぽく演出している部分がある。
既に悪印象が強くなっていた状態でその意図や理由を察して楽しめるファンは残念ながら一握りだった。
結果、ライダー集合系作品は子供騙しの印象が決定的に強まってしまったのだ。

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【次ページ:集合系作品の発展と進化(ネタバレ無し)】

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