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仮面ライダーファイズ/555 4話感想 バイクはライダーより強しオートバジン覚醒

2019年5月11日

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仮面ライダーファイズ/555 3話『王の眠り』

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

555の感想も四回目です。
ジオウとの並行更新でもなんとかやれるものだなあと思う今日この頃。
とは言いつつも小説や他の更新がしわ寄せ受けている状態ですが……。

前回3話が助走的な回だというお話をしましたが、今回は話が大きく動き、かつ重要な要素や伏線がいくつか仕込まれていました
今回は後に繋がる伏線についても絡めて感想と考察を書いていきましょう。

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巧とオルフェノクの共通点

汚いものを見るとアレルギーでくしゃみが出るお人好しの善人、菊池啓太郎。
巧を見て堂々とくしゃみをかました上、なんとバイクとファイズのベルトを持って逃走した。

あくまでファイズの力を人助けに使いたいと思う啓太郎は、ひねくれものの巧と性格がキツく感じの悪い真理には任せておけないと考えたらしい。
その結論が窃盗ならば、啓太郎は自分のためにくしゃみをひたすら続けるべきでなかろうか。

そもそもオルフェノクが何者なのか、ファイズのベルトがなぜ作られたのか。いずれも不明だ。
ファイズが人を救うための力というのは、今のところ啓太郎が勝手に言っているだけである。
啓太郎がなそうとしたことは、啓太郎が思う正しさ。所詮は独善でしかない。

正しいことに対する思い込みの結果として、啓太郎はファイズに変身することしかできなかった。
そしてファイズには『誰でも変身できるわけではない』と敵のオルフェノクは言い切る。

しかも、言った当人がファイズに変身して戦いだす。
迷わず変身したことからこのオルフェノクは変身者の条件と、自分が合致することを知っていた。
もし、ファイズの力がオルフェノクを倒すためのものだとするなら、一般人の啓太郎や真理に変身できずオルフェノクは使えるということ自体に矛盾が生じる。

オルフェノクが変身して、同じオルフェノクを倒せるだけの力を得るベルト。
これだけだと製造理由はかなり不透明である。

ファイズのベルトがなぜ真理に渡ったのかも含めて謎だらけだ。
少なくともこんな事件に巻き込まれた真理が真実を知りたいと考えるのは当然のことだろう。

なお、仮面ライダーの変身ベルトでごく普通の悪役怪人が変身する、ましてやそれが主人公ライダーという展開は、平成仮面ライダーでも極めてレアなケースである。
仮面ライダーにおいて変身ベルトとは2019年現在でも『ヒーローの象徴』だ。



それが『仮面ライダー555』においては、必ずしもヒーローが使うものではないと第4話では示した。
前作の『仮面ライダー龍騎』と同じく、既存の仮面ライダー像を正面から破壊しにきている

そして偶々出会った一般人の巧がファイズへと変身して戦う。
巧とオルフェノクにある共通点は何なのか。
啓太郎はオルフェノクと向き合った際もくしゃみをした。

何気に巧とオルフェノクを同列に『汚いもの』扱いしている。そりゃあ巧も怒るよ……。
巧はぶっきらぼうで人を突き放す性格だが、本当に窮地となれば迷わず戦う。
『逃げるなよ卑怯者』と特徴的な寝言すら真に受けてしまうくらい、根は決して悪い奴ではない。

とりあえず怪我が治るまで手伝うと決めた巧だったが、四話が終わる頃には自らベルトの管理を申し出た。
この時点で最後まで付き合う気満々である。ツンデレめ。
逃げないと決めた巧は、どれだけひねくれものでも、少なくとも人を惨殺するオルフェノク達と違って『まだ人間の心が残ってる』のだ。

クリーニング店のバイトを辞めた啓太郎は結局フェリーに乗って東京へと帰るらしい。
退職時の状況だけみると、配達用の車を破壊して、客の洗濯物をめちゃくちゃにして、事前通知もなく今日で退職宣言。
大体は啓太郎だけが悪いわけではないものの、問題だけ大量に残された店長があまりに可哀そうだ。
啓太郎もなんやかんや巧や真理と同じような問題児ではないかな。

巧と真理も同じくフェリーに乗る。
船上ならばオルフェノクが襲ってくる可能性も大きく下がり、安全に東京まで行けるという意味では結構良案ではなかろうか。

そして謝る啓太郎を巧は許して名前を教える。
なし崩し的に真理も認める流れになり、三人の仲違いと険悪なムードは一旦落ち着く。
第一話からの流れが集約される締めとなる。

リアルタイムで視聴していた時には気が付かなったのだけど、フェリーのシーンは三人がようやく少しは心を通わせるあたたかいシーンなのに、めっちゃ風が強くて天候がよろしくない。
後で知ったけどめちゃくちゃ揺れもひどくて、途中までは天候の快復を待っていたこともあり出演者全員船酔いでグロッキー。

演技しようにも声だけじゃなく風の音も入りまくりで、台詞は後でレコーディングしている。
なので現場の雰囲気と声が微妙に合っていない。
このライブ感や流れもある意味当時の平成仮面ライダーっぽいなあと思う。

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ファイズよりも強いオートバジンの戦闘力

ファイズのベルトが敵の手に渡り、圧倒的な力の差を見せられつけられた窮地。
状況を打開したのは、主人公の巧でもヒロインの真理でもましてや啓太郎でもなくバイクから変形したロボだった。
もう一度言おう、ロボだった。

オートバジンさんバトルモードの登場だ!
自立型AIにより自己判断でビークルモードからバトルモードへと変形。
今のファイズが敵であることも自動で判断。すげえ!

しかも正面きってファイズを力押しでぶっ飛ばして変身解除までおいやっている。
で、バジンさんは具体的にどれくらい強いのだろうか?
設定上のスペックデータはきちんと用意されている。

まず、ファイズの通常パンチ力が2.5t
デジカメパンチこと『グランインパクト』が5.2t
そしてバジンさんのパンチ力はというと、なんと7.6t!

フォトンブラッドを消費して打ち出す必殺技より更に強く、通常ファイズの三倍以上のパンチ力だ。
そりゃあ簡単に殴り飛ばせるよ。
むしろ変身解除されるだけで済んだオルフェノクを褒めてやるべきでは?

けれど、この馬力どこから出てるの? って話である。
バイクなので普通に給油しているのだが、オートバジンにはガソリンを特殊燃料『ソルグリセリン』に変換精製する機能が備わっている。
デザインも普通に格好良く、歴代平成仮面ライダーの中でもちゃんとバイクに特徴があるタイプだ。

戦闘の後、オートバジンは改めてオートバジンは巧の手に渡る。
ファイズは条件さえあれば誰でも変身できるが、『仮面ライダー』として相棒のバイクは巧と共にあると示した。
当然のごとく、平成仮面ライダーでも今なお人気の高いバイクである。

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クレインオルフェノクへの覚醒

長田結花は事故死してオルフェノクとして覚醒した。
オルフェノクの面白いところの一つは、成った本人に自覚がないところだ。

結花はオルフェノクになったが、それだけで都合よく地獄のような環境は変わらない。
むしろ強化された聴力で義妹を助けたことがきっかけで、怪我をさせた罪をなすりつけられて家を追い出された。

学校へ行っても陰湿な虐めはむしろエスカレートしていく。
わざわざ履いている上履きと靴下をズタズタに引き裂いて部活の練習場に放置する。
家を追い出されたので当然のごとく替えなんてない。そもそも居場所がない。

メル友の啓太郎に助けを求めたところでもう遅かった。
あくまでメル友の存在は癒しであっても救いにならないのは前回書いた通りである。

助けた恩を仇で返す義妹と、その仲間達。
怒りが限界を超えてクレインオルフェノクとして覚醒。
クラブのメンバーを一人残らず殺害してしまう。

視聴者からすれば、これは仕方ないってレベルの虐めと覚醒の仕方だった。
木場もたいがい不幸だったが、それに輪をかけて惨い生活とその終焉だ。

そしてオルフェノクとして存在を示したためか、結花を迎えにやってきたのは木場だった。
皮肉にも人間の世界を捨て去ったことで新たな世界への扉が開いた。

ずっと望んで、けれど両親を失ってから誰も握ってくれなかった手を取ってくれる者が現れたのだ。
オルフェノクという存在が、結花にとっては逃避先であり、望んでいた楽園を探すための第一歩だった。
巧側と木場川。どちらも新たな出会いの物語だったのに、明暗がはっきりした流れとなっている。

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