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ヘブンバーンズレッド Keyが歩む新たな伝説【評価・解説】

2022年7月30日

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時間と情熱を惜しみなく注がれたキャラクターイラスト

ゲーム内容の解説を一文字も書くことなくページを跨いだ。
紹介記事として既に破綻している気がするのだけど、過去を知る者にとってはKeyの新作とはそれだけの強い期待が込められている。

そしてそれは本作にとって必ず越えねばならないハードルなのだった。
その結果はセルラン一位獲得という実績が示しているだろう。

まず目を奪うのは美麗なイラストだ。
これらはアトリエシリーズやマギア・レコード等の有名作品でもイラストでも活躍しているゆーげん氏が、新規IPで50名以上のキャラを書き起こした。
しかもヘブバンのキャラは神話や武器といったモチーフの下地がなく、麻枝准氏のかなり細かい要求を取り込みながらで完全に一からとなる。

ザックリしたイメージと世界観の縛りを受けながらのデザイン起こし。
そして麻枝准氏にピンとくるデザインが出来たら、そこから更に細かなこだわりを反映して形にするという流れを全キャラやったと思われる記述があった。
それを何年もかけて行ったのだ。

また、既に高い人気のある神絵師様なのだが、これまでに積み上げてきた技術体系やこだわりが本作の方向性とぶつかり最初は揉めることもあったとのこと。
結果これまでの技法を一度捨てて、スマホゲームに映える描き方を学び直したという。
かなりキツい作業だったらしいが、最終的には技術の幅が広がったこともあり、やって良かったとのこと。

プロとしての葛藤と矜持、そして高いレベルの要求に何度も心が折れそうになりつつ、それでもやり遂げたのだ。

色彩センスが作中の楽曲と凄く合う。
メインビジュアルと共に流れるOPはそれだけでセンスの塊だ。

癖の強いキャラ性にも絶妙な愛らしさを加えている。
その結果は『推し』という形で如実に現れている。

ゲームシステム上、プレイアブルな新キャラが追加投入されることは当面ないだろう。
それをむしろ不要とさえ思う。

新規ガチャにあるのは、推しの新規イラストが増える楽しみそのもの。
特に人気キャラなら新規衣装が増えるだけでTwitterのトレンド入りを果たす。
後にシナリオでも語るが、ヘブバンは単純な性能だけでなく、純粋な推しへの愛情でガチャを回させる。

そしてとにかくファンサービスがすごい。
公式サイトではプレイアブル全キャラ(一部NPCも有り)のICとPC・スマホのホーム壁紙が配布されている。

それだけでなくTwitterでのゆーげん氏の個人アカウントでは、各キャラの誕生日に新規に描いたオリジナルイラストが公開される。
個人アカウントなので、公式が依頼したイラストではないため本人に一円も入らない。
しかもTwitterでのアイコンやヘッダー等の個人利用ならば自由に使っていいと明言までされている。

流石にゆーげん氏が忙しい時は更新されてないけど、そもそもゲームリリース後も、各種イベントやコラボで描き下ろしイラストをガンガンだしている。過労死だけは勘弁な!
それだけ作品に対する深い思入れと、必ずゲームを軌道に乗せてやるという強い想いが感じられる。

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