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四時間程の仮眠。シャドウ・ボーダーに戻ってから藤丸立香が自室で過ごした自由な時間である。
疲れが完全に取れたとはとても言えない環境と時間だが、それでも外の世界よりはずっと快適ではあった。
そんな彼に目覚めを促したのはダ・ヴィンチだった。
立香は朝食として渡されたゆで卵風味のレーションを食べながら、彼女と二人で顔を突き合わせている。
マシュは以前の戦い『レムナントオーダー』時と同じく、ダ・ヴィンチの助手としてナビゲーターに戻る。そう伝えられた。
わざわざダ・ヴィンチが起こしに来た時から違和感を感じていたので、彼女が伝える言葉も実は予想が付いていた。
元々マシュはかなり無茶をしてサーヴァント化している。
門矢士は完全に信用しきることはまだできない。
けれど仮面ライダーと呼ばれる変身能力と戦闘力は、これまでで十分に証明されている。
頼りになる仲間を得た時点で、彼女を前線に出すべきではないだろう。それがダ・ヴィンチの見解だった。
傍らにマシュがいない旅は寂しくはあるが、納得はしている。
それに士は信用できる人物だと、少なくとも立香は思っている。故に立香は『大丈夫です』とはっきり伝えた。
と、丁度そこへマシュが扉を開けて、足早に入ってくる。後ろには門矢士の姿もあった。
「マスター!」
「うん、マシュ。おはよう」
「はい、おはようございます」
いつもの笑顔でおはようを告げる。マシュも焦れた様子だが律儀に挨拶を返した。
「士さんも、おはようございます」
「たまたまそこで一緒になっただけだ。俺のことは後でいい。先にマシュの相手をしてやれ」
「はい、ここはお言葉に甘えさせてもらいまして……」
そう言ってマシュは立香の前に立ったが、そこから先の言葉が続かず黙してしまう。
立香はあえて何も言わず、かと言って焦らせることもなく、ただ彼女と向き合う。
「申し訳ありません、マスター」
ダ・ヴィンチがいる。ならばもう立香は今しがた伝えに来た内容をもう知っているだろう。
だから、マシュはまず謝った。
「わたしは前線から外れることになってしまって……」
「大丈夫、俺は平気だよ。士さんもいるからね」
きっと、マシュの方が心配だと伝えても、彼女の後悔を大きくさせるだけだ。
ならば伝えるべきは心配を伝える言葉でも、心配させないための言葉でもない。
「ナビゲート、よろしくね!」
「マスター……!」
一緒に旅はできなくとも、一緒に戦う。
自分の旅は一人でできているものではない。
傍らにいない後輩は、けれどいつだって戦えるように背中を押してくれるから――
「はい!」
マシュは入ってきた時との思いつめた表情が消えて、しっかりと力強く頷いた。
「マシュ・キリエライト。全身全霊でマスターのナビゲートを務めさせていただきます」
最後に二人で頷き合って、彼女は自然に後ろへ下がる。
「お待たせしました、士さん」
「俺のは大層な話じゃない。これを渡しておく。ほら」
「これは……?」
手渡されたのは酷いピンぼけ写真だった。
ボヤけて歪んでおり、そこに移っているのが立香だと辛うじてわかる。
「昨日撮ったお前の写真だ」
そう言えば、昨日士を召喚した洞窟で一枚撮られていたのを思い出す。
しかし、大事なのはそこではなくて、
「なんというか、その……」
「酷いものだろう? 普通に撮るよりずっと難しいよ、これー」
立香は言葉を濁したが、ダ・ヴィンチが容赦ない感想をぶつけた。
「写真の現像はできないのかと聞かれたから私の工房を利用したんだけど、いやはや、ある意味ビックリしたよ」
「世界が俺に撮られたがってない」
「世界が?」
「ここは俺の世界じゃないってことだ」
意味が掴めず立香が問い返すと、更に意味深な言葉を返された。
「世界、というかボーダー内と思わしき写真も全部こうだけどねー。念のためカメラも軽くチェックさせてもらったけど、そっちは異常なし」
「案内されてやるついでに何枚か試しに撮っていたからな」
そう言いながら写真を見返すダ・ヴィンチは、逆に興味をそそられているようだった。
「写真、ありがとう。大切にするよ」
多分好意でくれたものだと思う。
ダ・ヴィンチの顔が少々引きつっている気はするが、お礼を言って机の引き出しへと仕舞った。
「おい、ボーダーの中は殺風景で撮り甲斐がない。それを食べ終えたらさっさと行くぞ」
外は今日も吹雪で殺風景さは変わらないと思うが、立香達は先を急がなければならない。
士なりに発破をかけたのだろう。
「うん。まあ、次に出るのは正式に再開の命令が出てから、になるはずだけど」
立香がうなずくと、今度はマシュが士に声をかける。
「士さん……」
「なんだ?」
「先輩をよろしくお願いします」
彼女はとても丁寧に頭を下げた。
士はこれからも協力する気はあるようだが、サーヴァント契約をしていない以上、全ては彼の意思で決まる。
「それと、これはいつか機会があればのお話なのですが、わたしも写真を撮っていただけませんか?」
正気かい? と言った表情でダ・ヴィンチは彼女を見つめている。
写真を受け取ったばかりでなければ立香も同じ顔をしていただろう。
「確かに個性的な写真だとは思うのですが、士さんが撮ったものだから良いと思うのです」
「そう言えば、前の旅じゃ写真を撮ることはほとんどなかったね」
「士さんはずっと首にカメラをかけられていますから、きっとこれまでも旅の先々で写真を撮ってこられたのだと思います」
「まあな……」
「わたし達の旅はたくさんの出会いと別れ、そして思い出を縁として紡いできました。けれどそれを何かの形として残すことはあまりしてきませんでした」
これまで写真は役一名、とある聖人が個人的な趣味で撮っていただけ。
立香の手元には、サマーレースや時々の記念として残しているものこそあれど、せいぜいそのくらいだ。
そしてこれらは、機密的な事情からいつかは封印されてしまうものだけど。
「特異点での|記録≪ログ≫なら必要な情報は残っているけど……。まあ、実情は現地じゃそんな余裕もなかったというのが一番大きいかな。けど、マシュが言いたいのはそういうことじゃないみたいだね」
「ええ、はい。情報収集としてではなく、旅の想い出として写真を撮る。わたし達がここにいたこと……想い出を切り取って形として残すという行為に、憧れを感じてしまったというか……。すみません、先輩を少し羨ましく思ってしまいました」
つまり、マシュの言葉をごくごく単純化すれば『先輩だけ写真を撮ってもらって羨ましい』ということになるだろう。
「俺は俺が撮りたいもの撮る」
士はきっぱりとそう断じた。そして少しの間を開けて言葉を続ける。
「だから、このままお前達と旅していれば、いつかマシュのことも撮るかもな」
「はい、その時がくることを楽しみに待っていますね!」
「ああ、そのためには……」
一瞬、何か考え事をするように士は視線を落とした。
どうしたのだろうかと立香が声をかける。
「士さん?」
「なんでもない。俺の用は済んだ。じゃあな」
すぐいつもの様子に戻った士は、何事もなかったように部屋を後にしたのだった。
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