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仮面ライダーファイズ/555 2話『ベルトの力』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
ファイズの感想第二回目となります。
今回も前回に引き続き、木場サイドと真理&巧サイドの物語が交互に展開されました。
第一話は木場と巧はどちらも初めての『変身』を体験します。
しかし次の流れは巧と真理との出会い。
木場は元恋人との残酷な決別へ。
二人が歩むのは対照的な物語です。
また一話目は木場がメインでしたが、今回は巧と真理の関係構築に話のメインが割かれていました。
(それでもやはり、主人公として見ると出番が少ないとは思います)
ある意味前回で木場の境遇は説明して終えたので、こちらはファイズにおける怪人オルフェノクの存在にも踏み込みだしています。
二層構造の物語とそこに描かれていくものを整理・考察していきながら感想を書いていきましょう。
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夢見る少女と夢なき男
園田真理は社交的だが、勝ち気で言いたいことをズバズバ言うタイプだ。
女の子でありながら胡座をかいて座る姿からも、その性格が現れている。
というかファイズに変身できるから東京まで付き添って守れというのは中々に暴論だ。ヘマしたら灰になってしまうんだけど。
対する乾巧は寡黙というかぶっきらぼうで他人と距離を置くタイプである。
旅をしている動機には夢がないからと答える。
要するに具体的なことは話す気がない。
逆に真理は美容師という具体的な夢がある。
旅の理由も、送られてきたベルトとバイクについて確かめるためであると同時に、上京して夢を掴むためでもあった。
前回も書いたが、真理のバイクはスマートブレインのCMに出ていたものと同じ。
つまり真理の父親がスマートブレイン絡みの重要人物であるとわかる構成だ。
正体不明の怪物オルフェノクに襲われながら、ベルトと夢のどちらも諦めず東京を目指す真理のメンタルは強い。
その強さが性格にも表れており、強引に図々しく巧の間合いに踏み込んでくる。
そして、関りを持たれることを嫌う巧とは相性が悪い状態だ。
ただし、巧は一見すると捻くれ者の嫌な奴だが、カバンを投げ捨てて逃げようとするも罪悪感に負けて一緒に探す(ただし間違えている)。
そしてやっと別れたのに(カバン間違えて)再合流するとまた真理を守るため戦う。
口ではどうこう言っても偽悪的な立ち振る舞いなのが見えてくる。
そして猫舌。
真理が話している間、ひたすらフーフーし続ける。
しかも結局飲み物こぼしていた。
猫舌はかなり強調しており、巧という暗くて自分を表に出さない人物のキャラ付けになっている。
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木場勇治の再生と破滅
生き返った木場は殺人を犯したショック、そして怪人化したことにより、自分が本当に生き返るべきではない人間だったと追い詰められてビルの屋上から飛び降りた。
そんな人の往来あるところで飛んじゃダメだよ!
もし人とぶつかっていたら、新たな罪を背負っていたところだ。
そして人外と化した木場はビルの屋上から身投げしても生きていた。
スマートブレインのCMにも出演している謎の女性、スマートレディが登場。
独特の雰囲気で、木場のオルフェノク化と新たな住居についてを伝える。
とりあえず遺産奪われてのホームレス状態から、少なくとも住居問題は解決した。
そして自分の怪物化した姿が、オルフェノクという名前であることも初めて判明する。
ただし木場のメンタルは全然回復していない。
元恋人に呼び出されてよりを戻す話をされても心ここにあらずだ。
そもそも元恋人の彼氏を殺害した張本人であるため、まともでいられる方がどうかしているだろう。
元恋人は彼氏が灰化したことに酷く動揺している。
わざわざオルフェノクと戦ったのに反応の薄い巧と対比して描いているくらいだ。
そ一話ではサラッと流した巧の反応についてを二話でも言葉としてではなく、構図を使って触れている。
あまりに不可思議な死亡の仕方と警察の捜査によって、自分が疑われているのではとパニックを起こす。
何故ここまで疑心暗鬼に陥っているのかという具体的な描写はないが、『言っても信じてもらえるわけない』状況のため自分が容疑者として扱われていると考えているのかも。
そして犯人として木場が突き出された。これは酷い。
場所も、よりによってかつて二人が自転車デートをした場所だ。
木場は一人で逃げながら、自転車デートをしていた自分と元恋人の幻影を泣きながら追いかける。
一度死んだ木場勇治には、もはや生前の居場所はどこにもない。
けれど、元恋人は知る由もないが犯人は木場であるという事実だけは当たっていた。
木場は再びオルフェノク化して、元恋人を手にかける。
裏切られたことで彼女が変わってしまったことを心から悟りそして絶望したことで、最後の繋がりを自分の手で絶った。
これによって、本当の意味でオルフェノクとしての木場勇治が誕生したといえる。
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オルフェノクとファイズの繋がり
オルフェノクとは何なのか、ファイズの力とはどういうものか、そしてこの二つにスマートブレインが直接的に繋がっている。
そういう構図と設定を最初の二話で、あえて謎が残るように小出ししている。
まずオルフェノクについては死んだ人間が蘇ることで誕生することを、木場が自身で示した。
そして覚醒した者は皆自分の力を楽しんでいるとスマートレディは伝える。
オルフェノクに覚醒したからといって元人間が他の人間を襲うのは倫理観的におかしな話だ。
木場だって生前は素晴らしい好青年であったことが冒頭で語られている。
真理を襲ったオルフェノクも人を襲う行為を心底楽しんでいた。
つまり人を襲うのはオルフェノクにとっては本能的な行為。
そういう欲求が沸き上がるようにできている。
そしてオルフェノクはベルトを奪い返すため真理を襲う。
スマートブレインという企業はオルフェノク達を統括する組織でもあるのだ。
一方ファイズの力はオルフェノクに対して有効である。
前回の戦闘では格闘戦だけで倒せたが、今回は見るからに頑丈そうなエレファントオルフェノクだ。
そこで真理はファイズの足にファイズポインターを装着させて、クリムゾンスマッシュを発動させた。
赤いポインティングマーカーで敵をロックオンして蹴り抜く。
そして倒した後に浮かぶファイズのマーク。
平成仮面ライダーでも今なお人気のライダーキックとして有名だ。
なお、戦闘も前回同様に腰を大きく落としたポーズからのキックや、脱力した姿勢でのラフな格闘など、様々な特徴的演技が入っている。
二度目の変身ということで、より巧らしさを意識した戦闘になっていた。
そしてファイズのベルトにはただ変身能力だけではなく、アタッチメントが付属していることが判明したとも言える。
オルフェノクとファイズのベルトは一見して直接的な関りがなく、どちらも謎が多い。
そこに木場と巧、そしてスマートブレインが深く絡むことで、二つの関連性を示して同列に扱われていく。
怪人=オルフェノク側視点だと、怪人とヒーローが等しい重要性で扱われるという異例の構成を維持したまま物語は続くのだった。
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