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RIDER TIME 仮面ライダー龍騎 EPISODE 1『Advent Again』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
平成ライダーの大きな岐路の一つにして、ある意味最大の異端児とも言える仮面ライダー龍騎。
まさかのジオウにて完全新作が開幕しました。
ジオウでもリュウガ編はあり、今回も体裁はジオウのスピンオフ作品です。
しかしながら中身は完全に仮面ライダー龍騎がメイン。
十七年の時を経て、再びミラーワールドでの戦いが始まりました。
城戸真司を始めとしたいわゆるレジェンドメンバーも、あえて無理に当時を再現するのではなく、歳を重ねた今の人物像を描いています。
そのため真司は歳を重ねて声や外見は大人になり、酒も積極的に嗜むようになっていますが、根本的な人間性は当時とさほど変わりません。
落ち着きのない三十代男となっていましたね!
今作は全三話となっていて、そこで収めることも考えての構成になっています。
(それでも収まるのかと思うほど第一話からストーリーはかなり濃かったですが)
色々な新ルールや環境を作り、日常感を削ぎ落としてより残酷な物語へと変化を遂げました。
その中に謎や伏線も盛り込んでいく。
今回は新たな世界観と、その中に練り込まれている要素を整理しながら考察や感想を書いていきましょう。
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新ルールの戦いと膠着状態
新たなライダーの戦いは、ミラーワールド側だけが舞台だ。
以前のようなタイムリミットがないどころか、そもそも勝ち残らないと現実世界に帰れない。
参加者に旨味がないルールだ(ただし浅倉を除く)。
今回はスタート時点から7日間のタイムリミットも付いている。
龍騎本編では日常生活を送りながらライダーバトルがあったため進行は遅かった。
今回は日常を潰した上で期間限定の戦いだ。
否応なしに決着がつく。
けれど物語スタート時点で既に残り三日。
前半戦はほぼ膠着していて、あまり脱落者はいないようだった。
かつてのライダーバトルは参加者の大多数は自分の意思でモンスターと契約してライダーになっている。
普通に考えれば、参加者は勝ち抜きたいという意思より『死にたくない』が上回るだろう。
根本的なモチベーションが違うのだ。
また期間が七日間とはいえ、リミットの日数に余裕があるなら自分はできるだけ戦わず、勝手に人数が減ってくれるのが理想となる。
普通の一般人が記憶奪われて地獄の戦場に送られたに等しいため、命の奪い合いに抵抗があるのは当然だ。
前ルールでは契約モンスターに餌付けと強化の必要があり、他のモンスターと戦っていると同じ理由、もしくは純粋に戦いを求めて現れるライダーと出くわす。
バトルが長期間な分、戦闘チャンスが多くなるだろう。
まあ、前回のルールでも長期化してタイムリミット寸前でも半数生きていたり、コアミラー破壊されたりしていた。
一長一短というべきだろうか。
それにミラーワールドの変身時間制限はなさそうだが、モンスターはきっちりいる。
というかTV本編最終回並の大量生産だ。
契約者分あれば事足りるのに過剰供給にも程がある。
日常パートを大胆に全カットしたようなものだけど、その分バトルロワイヤル感はかなり出ていた。
どんどん脱落していくし、変身を封じてモンスターの餌にするとか容赦のないシーンも増えている。
かつて龍騎を視聴していた二~三十代向けだけあって、序盤から容赦のない展開が多い。
一緒にシノビも始まったわけだけど、第一話はこっちを先に観たのもあって、シノビのすごく軽いノリにちょっと付いていけなかった。
二本平行で配信したのは、かなりキッチリ視聴者層を分けた作品でメリハリつけたという理由もあったのだなあと。
仮面ライダー ブットバソウル/DISC-L049 仮面ライダーシノビ 【LOST】
元々私は龍騎から平成仮面ライダーに入った人間なので、比較すると龍騎のハードな世界観の方が肌に合うようだ。
ハードといってもアマゾンズのようなグロテスクさはないので、純粋に大人の方が楽しみやすい作品に仕上がっている。
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失われた記憶と断片的な過去についての考察
TV本編において、最終的にバトル・ロワイアルは無かったことになり、全員の記憶は失われた。
蓮だけは城戸真司と新たに出会うシーンで何か覚えていると匂わせる演技をしているが、それ以前にライダーの戦い後の記憶すら失われている。
ただし、一部は断片的な記憶を有している。
秋山蓮は浅倉の名前を覚えていて、真司は蓮の存在をうすらぼんやりと認識していた。
とはいえ全員ではなく、手塚のように全く記憶が無さそうな者もいる。
新キャストでライダーに変身する者達は手塚と同じく記憶はないが、何度もループしていた中でライダーの戦いに参加したことがあるのかもしれない。
逆にただ一人浅倉だけは過去の戦いを記憶している。
とはいえ浅倉はライダーバトルのループは最後まで知らなかったはずのため、本当に『全て』なのかは怪しいが、ライダーの戦いについて正しく認識している希少な存在だ。
記憶に差違が生じている理由はわからない。
ただ意図的ならば、戦いを効率的に回すためだろう。
実際、手塚は記憶があれば絶対しない裏切りを起こした。
蓮も力加減がわからないため、勢い余って参加者を倒してしまう。
(余談だけど、アビスが強かったのは鎌田だったからと今回で証明されてしまった。流石カッター飛ばすオッサンは一味違う)
それなら浅倉はバトルを回す役として全ての記憶を与えられたという見方もできる。
元々は神埼士郎も高いを加速させるため浅倉を起用したことも考慮すると、ある意味当然の人選だ。
ゲームを回すという意味なら芝浦もいる。
しかし下手に記憶を与えたら、自分が一方的にゲームの駒にされていること現状に怒るかもしれない。
年を経た分部下を付ける貫禄が出た。
(13RIDERSでは逆にベルデに付き従うポジション)
ゲーム感覚で配下を従え戦う姿がすごい似合っていて、悪役なりの成長を感じた。
真司が微妙に蓮を覚えているのも戻りたい意思を与えて、戦う動機に転化させようとしたとも考えられなくはない。
フルに記憶を与えたら、むしろ真司以上の妨害者もいないけど。
それと由良五郎ことゴロちゃんが、浅倉を先生と呼び付き従う。
ただ記憶が混濁しているよりも、皆の記憶障害を利用して、打倒浅倉に動いているのは十分あり得る。
記憶有りで優位な朝倉が一人勝ちするのを防ぐため、カウンター役として記配置したなど考えようはあるだろう。
ゴロちゃんが過去に起きた北岡と浅倉の因縁に決着を付けるため、あえて屈辱を受けながら虎視眈々とタイミングを図っていると考えたら、恐ろしいことこの上ない状況だ。
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アナザー龍騎がライダーの戦いを生み出したのではない?
第一話のジオウ成分はかなり少なかったが、少ない中に気になる要素はギッシリ詰め込まれていた。
ミラーワールドで戦いの始まりを告げ、ライダー達を監視する謎の女性サラは、交通事故に遭い病院のベッドで意識不明の状態。
そしてアナザー龍騎となって暴れる男を止めようとしている。
ソウゴはアナザー龍騎を「またこいつか」扱いしていた。
といってもアナザーリュウガと良く似ているから言っただけの可能性も高い。
カラーリングは赤になっているが、全体的に黒っぽさがあるので仮面ライダー龍騎とリュウガより見分けにくかった。
(余談だがアナザーリュウガの年代は反転で2002年だったが、アナザー龍騎は反転していない)
「仮面ライダー龍騎」須賀貴匡&津田寛治が「ジオウ」出演、敵はアナザーリュウガ(コメントあり)https://t.co/pZJhosrJVu
#仮面ライダージオウ #仮面ライダー龍騎 #nitiasa #須賀貴匡 #津田寛治 #城戸真司 #大久保大介 pic.twitter.com/xT8sHdtFe7
— 映画ナタリー (@eiga_natalie) 2019年1月20日
過去の『仮面ライダー龍騎』におけるミラーワールドの戦いは、神崎士郎が二十歳になると消滅する運命にある妹の神崎優衣に新たな生命を与えることが目的だった。
十三人のライダーを戦わせたのは、まず集めてきた十二人を戦わせて一番強い命を選定。
最後の二人になったら自分の分身ともいえる最強の仮面ライダーオーディンが生き残りを倒して命を回収するという流れだ。
元々龍騎という作品は蠱毒を人間でやっているようなものだ。
かつての龍騎から日常感を破棄して、たとえ嘘だったとしても願いを叶えるという景品すらもなくなった。
強制感がかなり色濃くなっている分、ライダーの戦いがどれだけエグいものだったかがより強調されている。
アナザー龍騎が同じことを企んでいるのなら、サラに命を与えるための戦いになる。
ただそれだとストーレート過ぎるかなと思わなくもない。
それに、アナザー龍騎はあくまで龍騎のアナザーライダーでしかないので、ミラーワールドの戦いを再現できるような特殊能力を持っているのかは怪しいものだ。
現実世界で暴れてジオウやゲイツに目をつけられていることからも矛盾を感じる。
そもそもアナザー龍騎がいるのに、肝心の龍騎が消滅していない。
城戸真司の服装や外見はジオウ登場時と同じなので戦いは現代だろう。
つまり今はジオウの世界観ルールから外れる、明らかなタイムパラドクスが発生している。
だとしたら、ミラーワールドの戦いはサラ本人が別の方法で生み出しているとしたらどうだろうか。
アナザー龍騎は別の何らかの方法でサラに命を与えようと暴れている。
サラはアナザー龍騎を止めるためにミラーワールドを使って新たな生命を得るために戦いを始めさせた。
前戦いも神崎優衣の誕生日というリミットがあったように、七日間という設定はサラの命が尽きる前に決着を付けさせるため。
それならば謎は残るが矛盾は解決する。
ミラーワールドでの戦いが再発生した謎と同時に、激化していくであろう戦いの行方も気になる。
次回予告では仮面ライダーリュウガも登場して、浅倉が意味深な発言もしていた。
S.I.C.匠魂 vol.7 仮面ライダーリュウガ(シークレット) 単品 フィギュア BANDAI
そしてジオウ側からのアプローチも重要な要素だ。
ゲイツとナイトの絡みも気になる。
ものすごい楽しみなのだけど、残り二話なのに中身の内容が濃すぎて尺が大丈夫だろうかと本気で心配になる……。
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