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仮面ライダージオウ 28話『オレたちのゴール2019』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
今回でジオウ第二章といえる『未来編』は一区切りでした。
(公式では白ウォズやオーマの日については次のブレイド編が区切りであり、同時に新章でもあるという微妙なラインの扱いですが)
ソウゴが自分の感情を吐露するだけでなく、ゲイツも本音をぶちまけて、二人で共闘の流れが王道だけど熱い!
これまでの不協和音と敵対があってこそのカタルシスでした。
白ウォズはやはりまだ何か隠していた……というか、予想以上に悪辣な立ち位置の変化を迎えましたね。
また、『変化』という意味合いでは、黒ウォズにも変化の兆しがあったと思います。
オーマの日を迎えたソウゴ達の選択。
そもそも本当に迎えたと言えるのか。
その辺りも踏まえて、今週も考察と感想を語っていきましょう。
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ソウゴとゲイツ繋がりは約束と友達
二人が決着を付けるために固めた決意は、どちらもキーワードは約束だった。
ゲイツは黒ウォズの戦略にハマり、戦えるか怪しい程ボロボロにっても、ソウゴと約束したからと決戦の地に向かう。
ソウゴはゲイツとの決着が近付いても、どこか達観していた。
これもゲイツとツクヨミに交わした約束が理由だった。
ソウゴがオーマジオウになると確信したなら倒してかまわないという約束だ。
未来の分岐はこの後に発生しており、約束を果たすための力がゲイツリバイブだという考察は以前に書いている。
一度は王になることを諦めたソウゴが再び王を目指せたのはゲイツ達との約束があったから。
そしてゲイツとツクヨミはソウゴにとって初めてできた友達でもあった。
友達が確信したのなら信じて倒されてもいい。
それだけソウゴにとって友達との約束は大切で重いものだった。
王という役割を夢で植え込まれて、そのために自分の道を進んできたソウゴ。
家族という最も分かりやすい繋がりを失い、非常識な夢を語り続けていたため、叔父以外との繋がりを得られずにいた。
時には相手の考えを利用するような黒さもちらほら見えていた。
こいつなら魔王になりかねないという雰囲気は、人との繋がりが薄かった故の不器用さだったとも言える。
常磐ソウゴの本質。
それは人との繋がりを得られなかった故に、友達との約束を何より大切にする純真な少年だった。
たが、対するゲイツはオーマジオウ化の確信に至っていない。
ゲイツリバイブになる決意を固められたのは、負担をかけたツクヨミに対する罪悪感からだった。
逆にソウゴの本音を聞いたゲイツは、ソウゴは絶対魔王にならないと確信した。
ソウゴの想いに、ゲイツは熱い言葉で返したのだ。
ずっと敵対していた二人が、過去のアナザーライダー達とコンビネーションで立ち向かう展開は熱い!
アナザージオウ戦もジオウ2が未来予測をして、ゲイツリバイブが疾風で先に潰す。
未来予測同士の戦いでは読み合いになってしまったのを考慮した連携攻撃も面白い演出だった。
ガンバライジング/ライダータイム プロモーション/PRT-070 仮面ライダーゲイツ 仮面ライダーゲイツリバイブ 剛烈 / 疾風
一番厄介だったツクヨミの案件は、まさかのディケイドが解決してしまう。
苦々しいものを残さず当面の問題を解決して笑顔で締めくくられたのは、まさに一種の最終回だった。
なかなか粋な計らいだろ?
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破壊者がツクヨミに与えた希望の意味
正直ソウゴとゲイツの和解より、ツクヨミを思い留まらせる方が難易度高いと思っていた。
ツクヨミが抱える問題は、ゲイツと同じでありながらゲイツよりも根が深い。
ソウゴの、自分の望む未来を創る能力がまずとんでもなくヤベーイ。
そして、それに対抗しえる力を持つ唯一の存在がゲイツリバイブだった。
にも拘らずゲイツはとことん煮え切らない態度を取る。
しかもオーマの日はもう目前のため、ツクヨミは状況的にも精神的にも追い詰められていた。
仮にソウゴとゲイツが和解しても、根本の問題は何も解決せずオーマジオウが生まれてしまう。
たとえ、はじまりがスウォルツに仕組まれたものだったとしても、ソウゴが危険極まりない力を覚醒させてオーマジオウになるという問題の根幹はやはり変わらない。
そこに介入したのが門矢士である。
士は独自のルートで『ジオウの世界』を調査していた。
世界の破壊者ではなく査察者になっとる……。
現在は査察段階なのであえて介入もしないつもりらしい。ちょっとドライな対応ではある。
『仮面ライダーは所詮殺し合い』と語った清濁合わせ飲むシビアさを思い出した。
果たしてオーマの日は絶対に避けられない運命なのか。
ソウゴは必ずオーマジオウになってしまうのか。
希望がないと判断したら士はジオウの世界を破壊するとツクヨミに宣言した。
しかし現段階では動く様子がない。
つまりまだ可能性は残っているかもしれないことを示している。
そして何より、門矢士はソウゴと強い結びつきがない。
世界の破壊者と名乗れるだけの力があり、ゲイツと違い一度決めたら迷う理由もないのだ。
ついでにキカイ編の割と絶望的な未来も、ゲイツリバイブが勝利した場合の分岐であるため、二人が決着を付けなければ一旦リセットされる。
オーマジオウ側のルートになり、かつオーマジオウが誕生しない未来を創る。
最善最高のルートがあるかもしれない。
そして、もし駄目だったらゲイツより(少なくとも倒す意思は)確実な世界の破壊者ディケイドが動く。
またゲイツもソウゴは魔王にならない。ならせない。
そのために力を尽くすという強い意志を示した。
倒さない方向性の決意は固そうに見えるのがツンデレゲイツである。
ソウゴを導く。いざとなったら倒す。
両方の手札がツクヨミには見えている。
こうしてツクヨミにも、オーマジオウを生み出さないため再び調査するだけの心の余裕ができた。
それだけでなく、ソウゴとゲイツがぶつかる現場に送り届けてくれたのも士だ。
バスツアーの乗客だったツクヨミに対してはかなり至れり尽くせりである。
気の強い少女の姿に夏みかんを思い出したのだろうか?
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オーマの日は二つあった!?
前回の考察記事で書いた、白ウォズとスウォルツの共謀がハッキリと判明した。
二人が共謀している場合、目的が噛み合わない問題があったけれど、そもそもゲイツリバイブにジオウⅡを倒させて未来を分岐させる目的自体が嘘だった。
あくまでゲイツリバイブを生み出したのは、真の目的を達成するための布石らしい。
ウールは王様の決まる日がオーマの日だったはずだと、歴史が狂い出している現状を指摘する。
元々オーマの日はライダー達が戦い合って王を決める日のはずだった。
けれどもゲイツリバイブが出てきたことで、いつの間にかジオウとゲイツが決着を付ける日になっている。
ある意味最大の問題だったダイマジーンによる世界破壊も触れられなくなっていた。
つまりオーマの日の内容が摩り替わっていたのだ。
そして士の向かった未来では、ダイマジーンが暴れるオーマの日がまだ存在している。
獅子座のレグルスが輝くという条件は満たしており、白ウォズとスウォルツの会話からも、今日がオーマの日だったことも事実なのだろう。
ならば未来の分岐が発生したため、オーマの日に至るルートも二つになった可能性がある。
しかし、今回二人の決着は訪れず、白ウォズの目論見は失敗に終わった。
そのため未来は本来の道筋である、『オーマジオウ』になる方へと流れていくことになる。
仮面ライダー ブットバソウル/DISC-SP176 オーマジオウ R6
付け加えるとオーマの日が二つあるとするなら、アナザージオウに対してスウォルツが『決着はオーマの日』だと告げた発言の矛盾が解消される。
ジオウⅡとゲイツリバイブの戦いはあくまで白ウォズが画策したに過ぎない。
スウォルツにはまた別の計画があり、その先にあるのがもう一つのオーマの日なのだろう。
ちゃっかりアナザージオウウォッチも再生しているので、時が来ればまた利用する気満々だ。
やたらオーマの日に関する情報があやふやだと思っていたのだけど、わざと錯覚しやすいようにしていた感じだ。
白ウォズとスウォルツの関係性と、はじまりの日に起きた事件が明るみに出たことにより、白ウォズの目的もこれから語られいくのだろう。
それにしても、スウォルツと白ウォズが並ぶと季節感ないよね。
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黒ウォズの心境も変わりつつある理由と経緯
ソウゴやゲイツの和解はある意味予定調和といえるので、物語的には大きく盛り上がったが意外性は薄い。
そういう意味では一番意外性のある流れだったのは黒ウォズのアクションだった。
黒ウォズの目的は今更言うまでもなくソウゴをオーマジオウへと導くこと。
ゲイツリバイブはそのために倒さねばならない大敵といっても過言ではない。
アナザージオウの行動を知らないため、黒ウォズ視点ではゲイツ弱体化作戦は成功を収めた。
ゲイツリバイブは純粋な戦闘能力の高さでジオウⅡの能力を潰している。
ゲイツの肉体が限界を迎えて力を十分に発揮できなくなれば、ジオウⅡにも勝ち目はあるだろう。
ならオーマジオウに至る最善手は、このタイミングでジオウⅡがゲイツリバイブを倒すこと。
オーマの日を迎えてジオウⅡの力も獲得しているため、ゲイツリバイブさえ倒せば目的達成のルートは通っていることになる。
黒ウォズが門矢士を介入させたのも、最初はゲイツの介入で未来が変化しかけていたから。
ここで打倒ゲイツを達成するのは目的に合致する。
しかし黒ウォズはゲイツの体を二度労わった。
一度目は時間稼ぎが目的だとしても、今回は逆だ。
下手に体制を整えられてしまうと、今度こそゲイツリバイブがジオウⅡを倒す展開になってしまう恐れがある。
余裕が出たことによる慢心ならまだわかる。
けれどソウゴとの約束を守るため戦いに向かうゲイツを見て、黒ウォズは驚愕と悔しそうな表情を浮かべていた。
そうなると、黒ウォズは本当に心配からゲイツを休ませようとしていたとも考えられる。
目に見える変化はもう一つあった。
それがクジゴジ堂に住み込んだことだ。
これまで黒ウォズはソウゴをオーマジオウへ導く役割を持っていながらも、基本的にはどこからともなく現れて、外側からアプローチをかけることが多かった。
目的のためとはいえタイムジャッカーを利用して士を投入したり、無神経な言葉からソウゴに反発されたり、と結果を出すためとはいえ独りよがりになる傾向が強い。
そこに変化が起きたのは白ウォズ登場後である。
これまでは戦いの外側からソウゴに助言するばかりだったのが、自分も積極的に介入することが増えた。
これは以前にも考察している。
特に前回は黒ウォズは自分でゲイツリバイブに挑み敗北。
今度は自ら仮面ライダーウォズとなりゲイツリバイブと戦闘している。
まさに自らも戦いに加わった最たる例といえる。
はてさて、問題はクジゴジ堂に住もうとした理由だ。
ちょうど部屋を貸す看板が出たのが契機なのは間違いない。
とはいえ、これはあくまで切欠というだけ。
叔父さんはかなり前から黒ウォズもソウゴの友人だと認識しているので、これまでも住み込みはやろうと思えばできなくはなかっただろう。
ソウゴと同居するからには何かしらの意味がある。
ただオーマジオウへと導くだけなら、ゲイツリバイブという邪魔者さえ消せば、後はこれまでと同じでよかったはずだ。
あえて変化を求めたのは、やはり黒ウォズも戦いに強く介入し始めたことによる心境の変化があるのではなかろうか。
簡単に言えば、自分も戦いや未来のリスクを負うようになったことで、精神的にもソウゴ達に寄り添うようになり始めている。
立ち位置が変われば考えも変わる。
他にも黒ウォズとゲイツが相部屋となった時、互いに心底嫌そうな顔を見せていた。
これまではゲイツが一方的に黒ウォズを敵視して、黒ウォズは余裕を持って涼しい顔をしているという流れだった。
ゲイツが邪魔になり始めてからも、ゲイツに対する感情を表に出すようになったのは、ゲイツリバイブが登場したつい最近のこと。
つまり黒ウォズはソウゴだけでなく、ゲイツも意識するように変化している。
もっと言えば狂言回しから脱却して、人間味のある人物像が見えてきたのだ。
こうなると未来でのゲイツと黒ウォズの関係性が気になってくる。
新章へと向かうにあたり、二人の過去も掘り下げるべき時が来たのではないだろうか。
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