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【仮面ライダージオウ】30話感想 平成ラストでブレイドが真の意味で救われるまさかの展開

2019年4月3日

仮面ライダージオウ 30話『2019:トリニティはじめました!』

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

今回はブレイド&ディエンド&白ウォズ編の後編です。
ブレイドは15年を跨いだある意味での完結編というべきまとめ方でした。
これはあくまでジオウだからできた終わらせ方ではあるので、正統な完結編としては小説版ブレイドになるでしょう。
それでもスッキリした気持ちのいい終わり方という視点であれば、ジオウに軍配が上がるというのが素直な感想です。

前半が話てんこ盛りだったなあと思ったら、後半はジオウ本人がてんこ盛りフォームになってしまう展開へ。
純粋に戦闘面だけで言うと、アナザーブレイドはジオウⅡでも打開可能でした。

あえてここでトリニティを登場させたのは、物語としての節目であり、ソウゴ達の明確な回答を示したかったため言えます。
その後にオーマジオウが久方ぶりに顔を出してくる流れは秀逸でした。

なぜこの構成が上手いなあと思ったのか。
また今回で退場した白ウォズについて思うことなども諸々考察していきましょう。

ディエンドは結局何をしにきたのか

前回は積極的に盗み、そして戦いながら話を引っ掻き回した海東大樹だったが、今回は最初と最後のみの登場で大人しかった。
しかし、大人しい時にこそ裏でこっそりやらかすのが怪盗というものだ。
事件が片付いた後にひょっこり登場して、白ウォズのノートをしっかり手にしていた。

この展開そのものは予定調和といえる。
海東大樹はトレジャーハンターとして、狙ったお宝に対する執着はかなり強い。
反面、そうでないものはお宝と認めつつも案外簡単に手放すことも多いのも特徴だ。

彼が始めて本格的に暴れた仮面ライダーディケイドのファイズ編でも、ファイズのベルト以上のお宝があると言われると、折角手にしたベルトを返却した。
その後、帝王のベルトを手に入れてご機嫌に去っていく。

海東はその世界において特別なモノを手にすることで、自分自身も特別な存在であると証明している。
つまりお宝そのものよりも、そのお宝にどのような価値があるかに比重を置いている節があるのだ。

なので、大変なお宝であるはずのジオウⅡやゲイツリバイブのウォッチも案外あっさり手放して白ウォズへと渡した。
また、『価値』に対する執着心は、価値に置き換えられない人の心に対する裏返しでもある。
(この辺はディエンドの世界で発覚する、兄との確執などの要因がある)

【仮面ライダージオウ】30話感想 トリニティフォームのてんこ盛り感がハンパない
第22話「ディエンド指名手配」

仮面ライダーディケイドの響鬼編ではアスムに人の心について解いている。
海東にとって、最も深い絆を抱く相手が門矢士だ。

今回も何者かと問われると「通りすがりの仮面ライダーを追いかける者」と発言している。
海東は10年以上一方的に士を追いかけているのだ。
想いが強すぎて完全にストーカー化しているあたり本当にヤバい!
想いが強すぎて時に病む話は前回している。

そんなヤンデレストーカーが白ウォズのノートを狙って入手した。
使い道が一つしか思い浮かばない。
後で士とセットで登場する流れが確定した瞬間であった。

ジオウの要素を活かしたブレイド完結編

前回に引き続きブレイドとカリスの戦いが続く。
ブレイドがメインのパートは、どこを切り取ってもブレイドの続編と化している。
バトルについては二人同時変身や『ライトニングソニック』も観れたのですごく満足。


仮面ライダー剣 Blu-ray BOX 1

白ウォズの計画はアナザーブレイドを使い、ブレイドとカリスをぶつけてバトルファイトの決着を付けさせることだった。
残りはジョーカーしかいないため『決着=世界』の破滅。

仮面ライダー剣は運命も物語のテーマとしており、決着を付けない決着は運命に抗う最後の切札だった。
ここで無理矢理に決着を付けさせると、それは仮面ライダー剣の物語を悪い意味で改変してしまうことに繋がる。

仮面ライダー剣の小説版でも、剣崎一真の決断を壊さないように配慮して、モノリスを破壊しても剣崎と始は同じ道を行くことなく終わる。
(ただ絶望が延々と続く状態だけは開放されているので、この終わり方も決して悪くはなかった)


小説 仮面ライダーブレイド (講談社キャラクター文庫)

そこでアナザーブレイドがジョーカーの力を吸収するという飛び道具的な手段で、バトルファイトに強制的な決着を付けさせた。
これにより剣崎と始はジョーカーの力を失い人間になる。
剣崎は人間に戻ったのだけど、始はジョーカーの力を失ったことでヒューマン側の特質がメインになったと考えるべきだろうか。

そしてアナザーブレイドをジオウが倒す。
これによってブレイドとカリスの力はウォッチ化した。
剣崎と始がウォッチを受け取らずジオウに託すのも、ごく自然な流れで違和感がない。

バトルファイトを終わらせることはできない。
ならば外野の力によって仮面ライダー剣の物語を閉じるという結論を出した。
無茶な手段だが、これはジオウの継承という特殊性があればこそできたことだ。

仮面ライダー剣本編では救われることのなかった剣崎と始を運命から開放する。
恐らくこれを仮面ライダー剣の作品枠でやってしまうと、本編の蛇足や改悪として角が立つ。
ジオウという外側からの手と、剣最終回の剣崎の決断を台無しにしない形式で、なお剣崎を救う流れを作ったことが素晴らしい。

ブレイドとアナザーブレイドが両立しているタイムパラドクスは結局解説されなかった。
特に説明がないということは、恐らくジオウとアナザージオウの関係に近しいと思われる。
ジオウは物語として完結していないため、アナザージオウが現れても消滅しなかった。

仮面ライダー剣もバトルファイトが決着しておらず、最終回後も剣崎は放浪し続けている。
そういう意味でブレイドの物語は終わっていない。
けれど剣崎と始がジョーカーの力を失ったことでバトルファイトは終了した。

物語が終わったことでブレイドのウォッチも生まれたと思われる。
ならば、ここから仮面ライダー剣の歴史は改変されて、剣崎と始は記憶を失う流れになるだろう。

余談だけど、剣崎は仮面ライダー剣序盤において圧倒的な滑舌の悪さがある意味話題で『オンドゥル語』という名称が付けられていた。
ジオウでも剣崎はオンドゥル語っぽい滑舌だったのだけど、これは過去の剣崎を意識してあえて棒読み気味の演技をしているらしい。
(ゴライダー時は今回程寄せてないのか全然普通に喋っている)

そもそも仮面ライダー剣の本編ですらあえて滑舌の悪さを部分的に残している。
最初に滑舌の悪さで「えい!」という掛け声が「ウェイ!」になってしまい、途中で演技が改善されてもあえて「ウェイ!」で通すことで、逆にブレイドの掛け声として定着させた。
こういうキャラ作りやファンサービスの仕方もあるんだよというお話。

トリニティの登場が必要だった重要な理由

ブレイド編のラストでジオウはトリニティにパワーアップした。
ジョーカーの力を手に入れたとはいえ、それまでにアナザーブレイドは特別強いという印象を与えていない。
白ウォズからウォッチさえ取り返してしまえば、ジオウⅡとゲイツリバイブでも十分戦えた相手だったろう。

では何故、トリニティをここで登場させる必要があったのだろうか。
その理由はいくつか考えられる。


仮面ライダージオウ RKF ライダーアーマーシリーズ 仮面ライダージオウトリニティ

まずはブレイド視点から観たトリニティ。
ブレイド編はこれまでと違い、ブレイドの物語が地続きになっている。
そのため全体的に観ても、非常にブレイド要素が濃くなっていた。

ファンサービスという観点からなら嬉しい限りだが、ジオウはお祭り作品であると同時に物語性も重視している。
ブレイド編がブレイドの続編としてだけで終わってしまうのは喜ばしい話ではない。

トリニティを出すには当然ながらジオウの見せ場が必要だ。
見せ場を作るには前振りも用意しなくてはならない。
ブレイドの物語にトリニティ誕生の流れを入れていくことで、締める部分はきっちりジオウで締める構成になっている。

二つ目がオーマの日からの観点だ。
ソウゴはゲイツとの決着の際、寂しいという本音をぶつけた。
ゲイツもソウゴがオーマジオウにならないと確信している。
結果、まずジオウⅡとゲイツリバイブの戦いは訪れず、白ウォズへの未来分岐は生じないことになった。

けれど、本来オーマの日とはジオウがオーマジオウになる日だったはずだ。
実際にオーマの日へと辿り着いてみると、ゲイツリバイブの影響でオーマの日が早まったためかウォッチ集めが終了していない。
ソウゴのオーマジオウ化も訪れなかった。

もう一つの変化として、これまでオーマジオウの家臣として今のソウゴやゲイツ達と溝があった黒ウォズが、新たな同居人として加わっている。
過去の確執から敵対し合うゲイツとウォズは、過去に縛られた二人なのだが、ソウゴの視点では未来の出来事だ。

未来ならばこれから変えられる事象であり、ソウゴが望んだ未来への結論は、ゲイツやウォズと手を取り合い共に創る第三の未来だった。
そのソウゴが望んだ未来の明確な形こそがジオウトリニティなのだ。
故にトリニティの存在は黒ウォズすら認識していなかったため、祝いの言葉も超あやふやである。

そして、未来の争奪戦に負けた白ウォズに対する手向けでもあった。
一時期はヤケになり世界そのものを破滅させようとした白ウォズだったが、ソウゴが見せた王の器にほだされトリニティウォッチを渡す。

これは前回スウォルツにアナザーウォッチを渡された流れと対になっている。
アナザーウォッチを受け取ったことで、白ウォズは意思なき『使われる者』の側に立った。

しかし自分の意思でトリニティウォッチをソウゴへ渡したことで、『使われる者』の立場から脱却した。
この構図はゲイツリバイブによる救世主化を捨てたゲイツと同じ行動だ。
最後に自分の選択を自分の気持ちに従い選んだから、白ウォズは無念であっても納得して消滅ができた。

トリニティウォッチが生まれたのは、ソウゴが自分のなりたい未来を決定付けたことによる影響だろう。
未来創造の能力に、『ウォズ』の存在も含まれていた。
使用者は黒ウォズだが、生み出した元になったのは白ウォズだ。

未来の分岐によって白ウォズは消滅した。
けれどゲイツリバイブウォッチとトリニティウォッチは遺されている。
存在しなかった未来が形として現代に残っているため、これも一種のタイムパラドクスだ。
どういう理屈かはわからないが、少なくともソウゴ達は白ウォズの未来も背負って自分達が選択した未来へと進む

だが、ソウゴが第三の未来を選択しても、まだ最低最悪の魔王になる分岐はそのまま残っていると最後に見せた。
オーマジオウの未来は消えておらず、残っているウォッチの数も明確になる。
(視聴者はともかくソウゴとゲイツはウォッチの合計数を知らなかった)

ジオウⅡとゲイツリバイブの決戦は、未来の分岐を発生させた白ウォズが狙ったオーマの日である。
ライダー達が雌雄を決する、スウォルツが考えていると思われる本来のオーマの日は、ウォッチを全て集め終えた先にあるではないだろうか。

ところで、白ウォズとスウォルツが組んで狙っていたものは結局よくわからず終わった。
白ウォズはジオウⅡ、ゲイツリバイブ、アナザージオウの誰が勝利してもいいと発言している。
そのくせ自分の未来分岐が消えるとヤケクソになっているので、結局何が目的だったのか全然わからず終いだ。
この部分については今もモヤモヤしている。

後、望む未来が決まったのはいいけれど、高校を卒業して新年度になっても働く気がまるでないソウゴ。
王様志望は現在ニートである。
バイトの王様云々については、多分遠回しに金を入れろニートと言われているのではなかろうか。
叔父さんはもう一回怒っていいと思う。


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