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悪魔と相乗りする相棒ライダー
リバイスは実のところ、後述するテーマを除けばそこまで目新しい要素はない。
本作はバディ系のライダーだが、シリーズを追っている人だと、主人公+相棒キャラのコンビはいくつも挙げられるだろう。
来年放映予定の風都探偵、つまりは仮面ライダーWも二人で一人の仮面ライダーとして有名だ。
悪魔と契約してリバイとバイスで実質二人一組の仮面ライダーになるのは、第一話でフィリップが持ちかけた台詞「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」がほとんどそっくりそのまま合致する。
望月Pは仮面ライダーWのアシスタントプロデューサーでもあったため当然意識しており、フィリップ役の菅将暉氏は望月Pから連絡がきて胸アツだと語っていた。
ちなみに最初からWを踏襲するつもりだったわけではない。
ダブルライダーの要素として天使と悪魔の対になる要素から発展していき、やっぱ悪魔は(要素的な意味で)強いよねと、今の形に落ち着いようだ。
細かいところまで含めると、他にもかなり色々とある。
フォームチェンジの多さは平成二期以降のお約束であり、他ライダーのデザインを取り込むのはディケイドやジオウの記念作品系ライダーの流れだ。
ホームドラマを描くための食事シーンが出てきたが、平成初期でも割とよくあった。
一話目からでも、ファイズで真理がガツガツいってる(こっちはディスコミュニケーションとして描かれているが)。
特に井上敏樹氏だと食事シーンはもう当たり前のようにある。
昨今でも、二話分しか担当していないジオウでレギュラーキャラは大抵何か食べていた。
その後のディケイドVSジオウでも、やっぱりどちらも食事シーンがある。
望月P曰く、白倉Pと井上はグルメらしい。
相棒ポジションが人外なのは電王のモモタロスや、オーズのアンクでかつてあった要素だ。
必殺技で追加パーツを付けるのはフォーゼやウィザードで多い。今回は生物モチーフなのでウィザードの方が要素として連想しやすいと思う。
大二やバイスが使っている銃はどう見てもファイズフォンを意識している。
これらは別に悪い話ではない。
目新しい要素がないのとオリジナリティがないのは全く別の話だ。
例えば未だ高い人気を得ているオーズも同様で、過去作からシフトしてきた似たような要素から作られている。
相棒:
フィリップ → アンク
モモタロス
変身アイテム:
メモリ二本 → メダル三枚
フィリップとアンクが二年連続して登場した相棒ポジションだからと言って、同列のキャラとして語る人はあまりいない。
それは双方にキャラがしっかり立っているからだ。
ならばやはり、リバイスにも同じことが言える。
一輝の中にいる悪魔バイスは、宿主とは違いテンションが高いお調子者だ。
しかし悪魔らしい狡猾さも持ち合わせていた。
アンクは悪党でぶっきらぼうな態度を取る。
モモタロスは一見強面で乱暴者だが根は良い奴だった。
バイスはまさしく、彼らとは真逆の性質でキャラクターが組み立てられている。
キャラクター性も個人的にかなり好みだ。
スーパーヒーロー戦記の時にも感想でデッドプールっぽいと言ったが、第四の壁も堂々と越えてくるからね。それで全くイメージしてませんと言うのは流石に無理があるだろう。
ちなみに、一輝から出てくる要素はジーニーが元ネタだと明言している。
真面目で正義感の強い青年に、やたら騒がしくて油断もならない相棒。
このやり取りしながらの戦闘が一年楽しめるなら、もうそれだけで今後が楽しみでしょうがない。
ただスーパーヒーロー戦記の時に比べるとちょっとテンション落ち着いた感じがした。
あんまりテンション上げすぎると見ていてつらいというタイプの人もいるのも事実だ。またある程度テンションに幅を持たせておいた方が後々やりやすくもあるだろう。
以前のは劇場版であり、リバイスパート以前はお祭り物テンションだったので、勢いで負けないようバイスの演技もマックスまで振り切っていたのかなと今なら思う。
変身アイテムだってそうだろう。
ディケイドやジオウ系統の過去作を踏襲したフォームだが、今回は全く別の生物を同時にモチーフとしており、明らかに姿は同じでも元ネタを作中でアピールしていない。
アイテム自体も判子を使い、『スタンプ → SNS』と連想ゲームしていき、変身しながら一輝とバイスが後ろで対話するというトンデモ要素を持ってきた。
去年は制作スタッフの負担を減らすために変身バンク使ったって言ってたじゃない! 総合的にかかる予算と、CG班の負担が心配でならないよ! でも観てる分には超楽しい!!
戦闘ではコンビネーション技にプラスして、組体操しながらアーマーを追加する仕様だ。
組体操は親子でも出来ることを意識しており、小さなお友達が真似して遊びやすい工夫がなされている。
リバイとバイスが交差するライダーキックは、二人が交差しながらそれぞれを描く構図を含めて非常にカッコ良かった。
相棒ライダーでも、これまでとは異なる形での作品作りを意識している。
そもそも斬新と自由が仮面ライダーのウリと言っても、新生されたクウガから数えてもシリーズ二十年以上続けていれば、そりゃ大抵の要素は出尽くしてしまう。
ただただ目新しさを求めるだけでなく、既存の要素を新しい側面で写し新たなスタイルにしていく。
最初の二話段階でも、そういった組み合わせによる新しさがしっかりと出ていた。
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