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仮面ライダージオウ 23話『キカイだー!2121』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
今回は仮面ライダーキカイ編の前編でした。
シノビとクイズはオリジナリティを出すためにそれぞれの独自要素を全面に押し出すような構成でしたが、仮面ライダーキカイはこれまでとは大きく異なります。
むしろ、全力投球でパロネタを押して押して押し込んできましたね。
もうタイトルからしてキカイダーそのもの!
仮面ライダー ブットバソウル/DISC-L047 仮面ライダーキカイ 【LOST】
全体的にパロ要素の強い仮面ライダーキカイですが、2,121年の未来はこれまで以上に独自の世界観を持っていました。
個人的にこういうディストピア世界で見える人間性というものは大好物です!
またソウゴとゲイツの間にある魔王と救世主の壁も表層化してきました。
相変わらず簡単に踏ん切りが付けられないゲイツと、最近人間味が増してきたソウゴ。
二人の関係と激変していく周囲の環境差がまた面白い。
今回はこれらの情報を整理しつつ感想と考察をしていこうと思います。
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仮面ライダーキカイのパロ要素の塊感がすごい
ここまでパロパロしいといっそ清々しいとさえ思ってしまう仮面ライダーキカイと、そこにまつわるパロディネタ。
東映が本気で特撮パロディに走るとこうなるのかと。
まず仮面ライダーキカイのデザインは、仮面ライダービルドのガーディアンが元になっている。
未来のライダー三人は予算を抑えるため三人とも流用元があるのだが、ガーディアンはライダーではなく純粋なマシンだ。
創動 仮面ライダービルド アクションガーディアンズ [3.アーマータイプガーディアン クロスアーマーセットA](単品)
壁により別たれた世界で、人間を護るために戦う機械の守護者。
しかも結果的に人間を襲う存在になっている。
そういう境遇が実に仮面ライダーキカイと近しく、ある意味うってつけの素材だ。
前回も書いたが、変身者はキカイダーリブートのジロー役でもあった入江甚儀氏である。
そして今回の衣装は完全に初代キカイダーのジローとソックリだ。
完全に隠す気がないというか、むしろわかるようにやっている。
鋼のボディに熱いハート!
仮面ライダーキカイ爆誕!!!
ルパパト最終回前にお騒がせしてしまい申し訳ございません。この度仮面ライダーキカイこと真紀那レントを演じさせて頂きました。寒い時代は終わり熱く世界の平和を守ります!#仮面ライダーキカイ #ギャングラーから転生したらキカイだった件 pic.twitter.com/3SrBtuQWcO— 入江甚儀 (@jingi_irie) 2019年2月10日
石ノ森コレクション フィギュア 人造人間キカイダー ジロー BANDAI
どれだけジローかというと、仮面ライダーキカイの設定までしっかりキカイダーなのだ。
キカイの腕はリッパーグローブという名称で、公式の説明に強力なパワーと機械のような精密製の両立が主眼に置かれている。
そこにはしっかりとギターを演奏することすら可能と記載されていた。
流石にあざと過ぎてギターは持たせなかったかぁと思っていたら、しっかり設定で拾ってきている!
ジローの衣装に違和感を出させないため、世界観まであえて時代を逆行させており昭和要素が強い。
お婆さんとお爺さんがキレッキレの動きで襲い掛かってくる画が凄まじくシュールだ。
なお、スーパー戦隊側でも以前ザミーゴ・デルマという敵役で出演しており、そちらは氷属性を持っていた。
仮面ライダーキカイは機械キャラでありながら技は氷属性で攻めていた。完全に狙ってやってるよね!
他の必殺技もキカイデハカイダーやフルメタル・ジ・エンドなど、これでもか! とトコトンまでパロディを意識している。
既に敵側の支配を受けている世界観はファイズのパラダイス・ロストで過去にあった。
アイテムを上に放り投げてキャッチする変身シーンは否応なしにオルタナティブ・ゼロを思い出す。
劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト [Blu-ray]
アナザーキカイをゲイツのファイズアーマーで倒しているのも、科学の発達したファイズ世界観との繋がりを意識していように感じた。
二度目はゴーストアーマーだったので、キカイと幽霊という対極の要素を狙ったのかもしれない。
リュウガ編の後で、しかもジオウⅡといった新要素が盛り込まれているのに、まるでインパクト負けしていない。
仮面ライダーキカイの濃さは相当なものだ。
まさに満を持して出してきた三人目だ。
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パロ要素に負けない独自の世界観
敵のヒューマノイズは、機械かそれとも人間かと問いながら襲いかかってくる。
キカイが洗脳されても同じ言葉を発した。
ヒューマノイズが人間と完全に同じ姿なので、言語化して『こいつは悪者のヒューマノイズです』と明確化しているのはあるだろう。
しかしあえて強調するというのは、それがストーリーに根差したテーマ性であることも示している。
ヒューマノイズの目的は人間を根絶やしにすることだろう。
そのためにわざわざ、もはや人類に勝利しているのに人類保護区にまで侵入してきている。
この手のアンドロイドが人間に反旗を翻す系の物語は、機械を人間の奴隷として見立て、体制に反逆する構図であることが多い。
仮面ライダードライブのロイミュードにもこれは当てはまる。
人間である蛮野に、ハートは奴隷のような扱いを受け理不尽に虐げられていた。
そしてロイミュードが人間より優れた存在であることを証明するため反逆した。
この場合、目的は主に人類を支配することで絶滅ではない。
ハートも真性のクズ蛮野に対する敵意を除けば、仲間と種族の誇りを大事にする戦士気質だった。
そのため人間に対しても強敵と認めれば敬意を払う。
要するに目的が立場逆転のため反逆ならば、支配し返すためなので全滅させない。
ヒューマノイズ達は人間=壊す。問答無用の排除思考で動いている。
ここに差別的な意思は逆に介在しない。
人間が家の中で発見したゴキブリを殺すのに差別意識がないのと同様だ。
全滅させる時は大抵、人を人とも思わないか、種別として完全に別物と見なしているケースが多くなる。
その例外が真紀那レントだ。
いわばレントだけは実際の種族は別にして、キカイかヒトかの選択ならばヒトになる。
この場合、ヒトとキカイの基準値は肉体や体の構成とは別問題だ。
類似の存在ならば最後にダチを庇って死んだチェイスに近しい。
たった一人で人間の味方をするレントは、人間を身近な存在として感じている。
ヒトを思い遣るからヒトを守る。
思い遣りとはつまり共感性だ。
ヒトが傷ついたり理由もなく殺されると辛さや悲しみを感じる。
ヒトの心を持つキカイ。
と一言で言えばそれまでなのだけど、そのヒトの心を具体的に定義化するとこういう話になる。
キカイダーは石ノ森章太郎版ピノキオとも呼ばれる名作だ。
人間らしさを得るために組み込まれた良心回路により善と悪の心に振り回され葛藤して、最終的にヒトへと辿り着く。
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キカイダーを強く意識している仮面ライダーキカイも、その筋から大きく離れることはないだろう。
実際、ヒトとキカイの関係性に触れつつ、洗脳によって悪の心を植え付けられてしまった。
しかし、それを人類がキカイに支配されて、科学や文明が衰退した世界で展開している。
キカイであるレントが抱える悩みも、視点が大きく変わるためまた違った見方になってくるだろう。
キカイダー要素を多く盛り込みながらも、仮面ライダーキカイの物語を創っていると言える。
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ソウゴが抱えるオウマジオウ化の孤独
前回のラストで、ツクヨミはソウゴとの決別を宣言した。
そして今回は完全に白ウォズサイドと化している。
ずっとソウゴの味方だっただけに、手のひら返した感がスゲー!
前回からゲイツより覚悟決まっている感はあったのだけど、ここまでスパッといくとは。
まあ、ソウゴが辿るかもしれないオウマジオウの未来を考えれば、行動としては非常に正しいという他ない。
ゲイツが悩み続けているので余計にそう感じてしまう。
というか、一人だけ日常の匂いを残しながらソウゴに接しているゲイツの姿は、もはやヒロインにしか見えない流れだ。
しかしツクヨミの態度がかなりあからさまではあるので、気持ちがオウマジオウ打倒に流れたのを利用されて、白ウォズのノート効果で洗脳受けたのかと疑ってしまう。
もしそうなら白ウォズは決定的にゲイツから決別される要因を作ってしまったと言えるだろう。
それでもツクヨミが信用ならない白ウォズ側に流れてしまったのなら、心配するゲイツも付いていかねばならない。
ソウゴとゲイツの間に割って入るなら、ツクヨミはこれ以上ない強力なカードだ。
白ウォズはゲイツリバイブを自分のコントロール下に入れるため、ある意味ミライドウォッチ並に重要なカードを手に入れた。
これによって困るのはソウゴだ。
黒ウォズは元々オウマジオウ誕生こそが目的なので、ゲイツとツクヨミが敵サイドになるのは願ってもない。
大事なのはゲイツリバイブを完成させないこと、もしくは倒せるかどうかだ。
ツクヨミとゲイツを呼び戻すための協力は期待できない。
ここにきて、最高最善の魔王になるための味方をソウゴは失った。
結果としてツクヨミの行動はオウマジオウ誕生を手助けしているとも言えるので困りものだ。
また、叔父さんこと順一郎も少し雲行きが怪しくなってきた。
キカイを連想させる古い玩具を持ち出したが、そこには『will be the king』と書かれている。
王になりたいではなく、王になる。
内容がソウゴそのものだ!
エボルトや地獄大使のせいで叔父さんポジションに対する信頼度が揺らいでいる現在。
怪しむには十分な伏線ではないだろうか。
またタイムジャッカーサイドにも大きな動きが生じている。
仮面ライダークイズ編で、オーラの行動からタイムジャッカー内の連携がまともに取られていない雰囲気があった。
今回はついに明確な仲間割れが発生だ。
正体不明のアナザーライダーに対して、スウォルツはウールを触媒にした。
ウォッチですらなく、これまでとは明らかに別物なので、ウールの命に保証はまったくない。
つまりスウォルツは目的のためならウールは死んでも構わないと思っているに等しい。
タイムジャッカーはただでさえ組織として不明瞭だったが、これによって三人とティードの関係性さえよくわからくなってしまった。
本当に彼らは何なのだろうね。
とりあえず一つだけ言えることは、ソウゴ陣営、ゲイツ陣営、タイムジャッカー。
一つとして足並みが揃っている陣営が存在しない!
こいつらの人物相関図メチャクチャだよっ!
本日も仮面ライダージオウのご視聴ありがとうございました。
お話をもっと知りたい方、録画を忘れてしまった等の方には、話数振り返りコーナー「常磐ソウゴのRoad to the King!」がおススメです。
ジオウ23話 ✳︎ネタバレ注意https://t.co/1jmmGVpyZi#nitiasa #仮面ライダージオウ #キカイ編 pic.twitter.com/jSAMV1XwhX
— 平成仮面ライダー20作品記念公式 (@HKR20_official) 2019年2月17日
ツクヨミからソウゴへの感情が『恐怖』で、そしてゲイツに対しては『決断して!』。
ここだけ見ると、ちゃんとヒロインというか女の子っぽいのになあ。
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