[作品トップ&目次]
銃声が響く。
私に映る視界を、ずっと僕は見ていた。
軍服を着込んだ男達が、僕を見下ろしている。
痛みが加速していく。
恐怖の坩堝に引き込まれる。
嘲笑う。嘲笑う。兵士達が嘲笑う。
憎悪で嘲笑う。
蔑みで嘲笑う。
耳に響く不快感から込み上げてくるもので僕は満たされる。
そして兵士達とは違う声が響いてくる。獣のような、人のような、言葉にもならない唸り声。
僕の殺意にそれは呼応した。
母も、父も、姉も、姉も、誰も、誰も気付かなかった。
ずっと僕のそばにいたのに。
彼はただ見ていた。
彼はただ見ている。
じっと、ただ見つめている。
殺意が幻想を喚び出した。
ロマノフの血を引き、尚も才覚ある者だけに、その存在を知らしめる。
魔眼の怪物。
彼は見ていた。
僕がバラバラに刻まれる姿を。
僕が激しい炎に灼かれていく姿を。
僕が冷たい土の中へ埋められる姿を。
僕は感じていた。
壊され、焼かれ、捨てられる自分を。
死にながら理解していた。
故に僕は彼らを呪う。
命は奪わない。
ただ見ている。
一つ目の怪物が見ている。
呪いの瞳が見ている。
ただただ怯え続けるがいい。
死ぬまで許さない。
死ぬまで視ている。
死ぬまで見ている。
呪いが見ている。
見ているぞ。
見ているぞ。
見ている。
見ている。
見ている。
見ている。見ている。見ている。見ている。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。見てる。ずっと見ているずっと見ているずっと見ているずっと見ているずっと見ているずっと見ているずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと――
お前を見ているぞ。
●
視界はいつしか黒く染まり、けれど恨みと怒りはそこに残らない。
暗闇に光が差す。
開かれた瞼の先には、見慣れた室内に皇女がいた。
「眠っていたの?」
白髪の青年カドック・ゼムルプスは、ソファーから上半身を起こして首を横に振る。
効率的に作業を可動させるため仮眠を取るはずだったのだが、そうはならなかった。
「眠ったわけじゃない。ただ、夢を見ていただけだ」
あれは夢。
僕じゃない。僕の夢。
「同じではないの?」
「意識の遮断と、意識の交代は大きな違いだよ」
それは少なくとも、彼にとっては別物だった。
「僕が眠っている時は夢を見ない。そしてもう、眠らなくてすむ」
サーヴァントみたいね。と皇女は言った。
話をしているうちに幾分かクリアになった意識で、改めてカドックは聞く。
「ところで、僕を探してたのかな?」
「辺境に派遣した殺戮猟兵から報告が入ったの」
大したことではないけれど、と彼女は前置きして続ける。
「叛逆軍の貯蔵庫を焼き払ったそうよ」
盤面の手が一つ進んだ。カドックにとっては十分な吉報だった。
「ふむ、追い詰めることができたな」
それはチェスの詰ませ方に近しい。
食糧庫を焼いたなら、次に彼らが打つ手は限られる。ならば先の先を見て次の手を決められる。
「それに、叛逆軍以外のサーヴァント達も、そろそろ対処を考えないと。皇帝の威光に悪影響を与えます」
本来の聖杯戦争であれば決して現れない者達が出現している。
そういう情報は掴んでいた。
それでも彼らがサーヴァントであることに代わりはない。
「それは僕達で対処できるだろう。その間は枢機卿に任せる」
「なら、お出かけね。準備をしてきます」
ふっと微かに、皇女の頬が緩んだ。その様子にカドックは怪訝な顔をする。
「準備の必要性が見いだせないんだが……」
「あなた、サーヴァントの扱いが下手ね。こういう時は、喜んで見送りなさい」
それはサーヴァントではなく女性の扱い云々の話なのだが、カドックにそういう機微を理解しろというのはまだまだ難しいようだ。
「放っておいてくれ。効率を優先したいだけだ……じゃないと、凡才は一生かかっても天才に追いつけない」
天才とは感覚で理想を理解して組み上げる者を言う。
努力では追いつけない世界に凡才が付いていくには、論理で効率を上げていくしかない。
合理性を武器とするカドックは、そうやって人生の密度を高めていく以外、天才に対抗する術を知らなかった。
「効率的にしたいなら、私の準備を手伝いなさい」
「……へいへい」
ボリボリと頭をかきながらカドックは立ち上がる。
「だらしのない兵士みたいな返事は止めなさい。呪いたくなるわ」
彼女が言うとシャレにならない。特にあの夢を見た後だ。
「わかったよ。それで、手伝って欲しいってのは?」
「外出用のコートを見繕ってほしいの」
そんな光景を、たまたま通りかかった二人の男女が遠巻きに眺めている。
微笑みをみせて答える少女に、気の利かない少年が溜息を付いた。
「微笑ましい光景ですわね」
桃色の長髪に暖かそうなコート姿で軽薄な笑みを浮かべるコヤンスカヤと、日本人の風体で仏頂面の神父だ。彼らの間にはむしろ冷え切った空気が流れている。
「今にも奈落に落ちそうなところが、薄氷の上のワルツのようで、初々しい」
「補完の関係……いや、彼らにとっては補填かな」
全てを諦められないが故に、おっかなびっくり手を伸ばす少年。
全てを諦めたが故に、少女は自ら少年の手を取りにいく。
けれど少女は少年がいなければ歩むことができない。
足りないものを埋め合うことで、彼らはようやく完成に向けて歩み出せる。
「理想的なサーヴァントとマスターの形だろう。そういうわけでね、面白半分で彼らをかき回すのは感心しない。皇帝の補佐として私も看過できなくなる」
「あら。思いの外愛国心があったのですね。ご自分の故郷がメチャクチャにされるのはお嫌?」
コヤンスカヤは挑発的な笑みでもって神父を見つめるが、彼の無表情は微かも揺るがない。その頑なさにコヤンスカヤが折れた。
「でしたら、私も、そろそろ退散するとしましょうか。やるべきことは終えましたから。個人的な趣味も含めましてね」
「ああ、そうしたまえ。そもそもこのロシアに、君好みのエンターテイメントは存在しない」
この地に未来はない。ヤガ達は滅びに抗うのではなく、目の前の生活にしがみつくだけ。
皇帝は国を見ても、民を見ていない。そういう形になっている。
「そうですわね。痩せこけた土地はお金を生みませんもの。私はこれにて失礼します」
彼女はまた浮かべる。希望を踏みにじる酷薄な微笑みを。
「それではまたご愛好のほどを。見知らぬ他人を蹴落としてでも儲けたい。見知った隣人を不幸にしても満ち足りたい」
それは糧を得るため弱者を踏みにじり、隣人から財を奪い、食糧にありつこうとしたヤガ達を嘲笑うかのようで、
「そんなアナタの願望にお応えする、NFFサービスでしたー♪」
わざとらしく悪辣におちゃらけて去っていく彼女のを背中を、神父は眺め見送った。
残された彼はポツリと呟く。
「ふっ、愛国心か……。俺の故郷はとうに滅びたさ」
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