仮面ライダージオウ 15話『バック・トゥ・2068

どうも、今年の仮面ライダー冬映画は公開初日に観る気満々のゲタライドです。

今回はオウマジオウ編の前編でした。
客演の連続出演回数こそ士によって更新され続けていますが、ストーリー構成には他のライダーが絡んでいません。
しかし、同時に今回はディケイド編でもあるのでは? と考えられる、かなり面白い構成でした。
前編ですが見どころも多くかなり盛り上がるお話でしたね。

物語としての重要度も高く、ソウゴとゲイツ双方に大きな岐路が出現して、どちらも葛藤や迷いを見せています。
(ゲイツはいつものこととも言えますが……)
しかし二人の思考にはかなり大きな違いがあります。
また、その差が次回のキーになるのではと予測しています。

今回の話がディケイド編でもあると思った理由。
そしてソウゴとゲイツが抱く迷いと葛藤をメインに考察しましょう。

世界を壊し繋ぐディケイドの本質

ゲイツに『訳のわからんやつ』扱いされた門矢士は三話続けてフリーダムに動き回る。
今回はついにディケイドへの変身シーンと直接の戦闘が見れた。
ディケイドもある意味ここからが本番だ。

ビルドへのフォームチェンジでは『鋼のムーンサルト! ラビットタンク!』も聞けた。
これは新ドライバーになったことによる公式的な仕様変更である。

士はディケイドからビルドへカメンライドしたが、ソウゴはジオウからディケイドへアーマータイムして、ビルドスパークリングへとファイナルフォームタイムした。
ややっこしい! そしてゴーストの時同様、そこに本物はいない。


ガンバライジング/RT3-077 仮面ライダージオウ ディケイドアーマービルドフォーム GLR

流石にビルドVSスパークリングでは士が力負けしてしまうため、ディケイドへと戻った。
何気にカメンライドでディケイドへ戻るのはこれが初めてで、ディケイド本編ですら見れそうで見られなかった貴重なシーンだ。
ディケイドへの直接変身ともども、ものすっごくテンション上がる。

全体的にディケイドファンに対するツボの突き方が非常に上手い。
夏みかんの笑いのツボ並に突き刺さる。

そしてディケイドの状態でなら、ディケイドアーマーで強化中のジオウですら互角以上に戦えてしまう。
一番戦い慣れた姿というのもあるだろうが、流石世界の破壊者というほかない。
しかし、今回一番大事なのはこの戦闘シーンだけではないのだ。

世界が崩壊する世界を見て、答えは簡単だと言ってジオウと戦うことを選んだ士。
一見するとジオウを倒すために動いたように見えるが、実はそうじゃない。

突如戦いを挑まれた側になるソウゴの問いかけに対しては『今俺はその理由を探している』と答えた。
言われたソウゴからしてみればまさに『人の食事勝手に食べた訳のわからんやつ』だろうけれど、これはとてもディケイドの本質を突いている。

士の選んだ答えは『仮面ライダージオウ=常盤ソウゴと向き合うこと』だ。
なぜそうなるかと言うと、それが門矢士という男であり、ディケイドとしての在り方だから。
ソウゴ目線だと現在は『過去の仮面ライダー達の力を継承して王になる戦い』だ。
しかし士にとっては『ジオウの世界』に通りすがって旅している最中なのだ。

クウガの世界で『ン・ガミオ・ゼダ』が生まれたように、ディケイドが訪れた世界では、必ず仮面ライダーに関わる事件が発生する。
そして士は、その世界の仮面ライダーと積極的に関わり、絆を結んで危機を解決してきた。


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今回だと『オーマの日』を前倒しさせて、世界を破壊している。
これは本来、今の時代では起きない出来事だとタイムジャッカー達が説明しているので間違いない。
ウォズがディケイドをこの世界に呼び寄せたのも、世界破壊のイベント発生そのものが狙いだとしたら非常に納得がいく。

物語が全体的にソウゴかゲイツ視点なのでわかりにくいが、士視点で観れば話の流れがいつものディケイドなのだ。
『ネットでも士が主人公みたい』とか『ディケイドの続編っぽい』と言われているのもこれが理由だろう。

破壊が起きたのならば、次は世界を救うために絆を結ぶ。
士はいつも与えられた役割をこなしながら、その世界の仮面ライダーと様々な手段で交流を図る。
今回の役割は『タイムジャッカーの仲間』だ。
なので士が自分の役割を果たそうとすると、自動的にソウゴと敵対する流れになる。

士にとって敵対は手段であって目的ではない。
ゆえに『自分の戦う理由を戦いながら探している』のだ。
ディケイドウォッチを渡したのも、そうすることで何かが動くかもしれない。
そして実際に動いたのならば、それがこの世界へ来た理由なるからだったのではと思う。

そして全ての元凶が2068年にあると知ったディケイドは、とりあえずソウゴ自身を直接その時代へ送り込むであった。
ウォズは若き魔王と未来の魔王の出会いを素晴らしいと喜んでいるが、果たしてそれはどうだろうか?

士の行動は世界を救うために行われている。
そしてウォズは士がディケイドのライドウォッチをソウゴに渡すように立ち回った本当の理由と、そこでゲイツに発破をかけたことを知らない。

ウォズがディケイドを呼んだのは、世界破壊の流れを所持する本から読み取っただけ。
仮面ライダーディケイドの本質を理解しているわけではない。
根本的にウォズは仮面ライダージオウがオウマジオウになる未来しか見えておらず、ディケイドもそのための駒としてしか考えてないのだろう。
その結果、士個人が全体に与える影響を加味していない。

前回はソウゴの、続いて今回はゲイツの写真を士は撮っていた。
もしあれが次回現像されて、いつもの芸術的に歪んだ写真が現れたら、それが世界を壊して繋いだという証。
士は自分の役割を終えて次の世界へと旅立つだろう。
(大凡、いつものこうなったら良いなという妄想話)

ブレブレだけどブレないゲイツ

ゴースト編では飛び蹴りや椅子、そして家の中で変身までしようとしたゲイツだが、今日はフランスパンでソウゴを襲う。
少なくともコント力はアップしているようだ。
もはやかえって仲良く見えるせいか、ツクヨミも怒らないぞ。

ゲイツはソウゴにベルトを捨てろと告げた。
しかしソウゴはそれを拒否すると、ダイマジーンが街を破壊し始める。
そしてオウマジオウから命を受けたカッシーンが未来からゲイツとツクヨミの抹殺に現れた。
(ここのツクヨミが予想外に強くて、いよいよもってハナっぽい……)

心の何処かでソウゴを信じていたゲイツは、結局オウマジオウが生まれる未来に変わりはない。
むしろ早まっていると突きつけられた。
そして今度こそはとジオウを倒す決意を固める。

ゲイツの行動は、本人の根が優しすぎて決断力が弱いように見えるケースが多い。
特に何度もジオウを倒すと決意したような場面が続いていたので、人によってはその場に流されやすい優柔不断な男と思う人も少なくないだろう。
けれどゲイツは最初からオウマジオウを誕生させないという目的は変わってない
方法が変動しているだけで、初志は全くブレていないのがゲイツだなのだ。

また過去の行動を振り返ると、ゲイツは勝敗とは別に起こしている功績は大きい。
鎧武編ではゲイツが覚悟を固めたからこそ未来が変わり、それをウォズが修正しようとしたために門矢士が現れた。

ゴースト編ではソウゴを倒す最大のチャンスを得たのに、むしろ先走る勢いで救おうとしていた。
結果はディケイドとアナザーゴーストのコンビに惨敗。
だが、この行動があったからこそ、士はゲイツにディケイドウォッチを渡せたのも事実だ。

現在起きている歴史大改変の中心にいるのはソウゴだけではない。
ゲイツの決断と未来を変えようとする意思も重要なのである。

ソウゴの誤算と絶望

ソウゴが王を志すようになった理由が判明した。
幼い頃、ソウゴはヨハネの黙示録よろしく七体の巨大ロボットが町を破壊する夢を見た。
その時に感じた無力さと、何者かに王となって未来を救うと告げられる。

それが一度だけなら『そういう夢』で片付けられるだろう。
しかし何度も見続けていると人は『これって何かの啓示なのでは?』と考え出す。
それが感受性の強い幼年期なら尚更である。
恐らくは意図的に施されていたと思うので、ほとんど洗脳と言っていい行為だ。

その後のソウゴは『自分は王様になる』という、夢見がちな発言をずっと続けている。
しかも明確な道が見えないまま進学を拒否するという奇行にも出ているため、客観的に見るとかなり笑えない状況だった。
そんなある日、夢が現実になるようなジオウのベルトが自分の元へ転がり込んだら、これはもう運命だろうと思うのも理解できる。
魔王になるとしても最高最善を目指すと即決したのは、夢の光景があったためだろう。

そして今回、夢で見た光景が、ダイマジーンによって現実のものとなってしまった。
カッシーンなるタイムジャッカーではなくオウマジオウの部下まで現れだす。

今と未来の自分における乖離を強く感じながら、ディケイドのオーロラで未来に送られたソウゴはオウマジオウと対面した。
視聴者には逆光で顔が見えないものの、ソウゴの反応からして未来のソウゴだったことは間違いないはずだ。
ちらりと見える髪の形がソウゴと似ているように見えた。
逆光の演出は単に面影の残る68歳ソウゴの顔を特殊メイクで作るのが難しいため、予算削減も絡めた演出だろう。

ジオウとオウマジオウの初バトルも勃発したが、まるで歯が立たない。
ディケイドアーマーのヘイセイバーは、まだ所持していないライドウォッチのライダーまで扱える。
しかしオウマジオウはウォッチの力を開放するだけで、いとも容易く弾き返してしまう。

クウガのグロンギを倒す紋章は、より大きな紋章を返す。
キバの変身時に出るコウモリ達は、ダークキバのカラーにして返す。
龍騎の炎をまとった剣は、ドラグレッダー(火を吐く本体)を召喚して一方的に叩きのめす。


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一々同じ力、それも完全に上位互換で跳ね返すという圧倒的な力の差を見せてくる。
前回手に入れたばかりのディケイドアーマーは、ディケイド本人にも押されている上、オウマジオウには全く通じない。
先週登場したばかりとはとても思えない扱いだ。
クリスマス商戦的にこれでいいのだろうかと心配になる。

能力差もヤベーイがメンタル面のダメージはそれ以上だ。
ソウゴはこれまで最高最善の魔王になることを目指してきた。
しかしオウマジオウは世界を征服して人口を半分にまで減らした行為こそが、最高最善の魔王であると返答してみせた。
オウマジオウを自分だと認めてしまったからこそ、この言葉は非常に重い。

問題はなぜ半分に減らしたかだ。
具体的な数を出したということは、大量虐殺は何かしらの意味がある可能性が高い。
マーベルの実写映画にある程度精通する人なら、否応なしにサノスを思い出す展開だ。

サノスは人口が増えすぎたことで発生する様々な問題を解決するために、ランダムに人口を半分にするという危険な思想犯だ。
ディケイドも似ており、全ライダーを倒すという一見すると悪行に思える行為は、結果的に世界を救済するただ一つの手段だった。
同じように、ソウゴは魔王に至る過程で人類を支配して人口を減らすことが、最高裁善の行動だと悟ったのかもしれない。
情報が少なすぎて具体的な理由は全然見えないため、ここから先は話の展開で見えてくるのを待とう。

今回、ソウゴはオウマジオウを前にして非常に攻撃的な態度を見せた。
激情の裏にあるのは自分の未来に対する焦りと恐怖。
変身して即必殺技の流れもそれを表している。

そしてオウマジオウは魔王になりたくないならベルトを捨てろと、皮肉にもゲイツと同じことを言った。
ソウゴの『最終的には絶対自分の意思を通す』という意思を、誰よりも理解しているがゆえの挑発に思える。

過去の考察で何度も書いているが、ソウゴはやると決めたことに対しては、周りを巻き込みまくって絶対にやり通す
魔王になると決めたソウゴは、紆余曲折を経ても必ずまた自分の王道を歩むとオウマジオウは確信しているのだろう。
その果に待っているものは、彼自身が望み、そして否定している『最高最善の魔王』。
本当に未来の自分が世界を支配する魔王だったと突きつけられて、王になるという根幹の意思が大きく揺らぎブレようとしている。

次回で『仮面ライダージオウ』第一部完!

ゴースト編で士が現れたことから、第二部の開始みたいに感じたが、公式アナウンスによると次回が前半最大に山場でクライマックスとなるそうだ。
士の登場はある意味『始まりの終わり』だったというのが正しいのかも。

来年最初の放送である十七話から、新たなるライダー『仮面ライダーウォズ』の存在も発表された。

そうなると、やはりディケイドは次回退場の線が濃厚そうだ。
ディケイドがこれまで他ライダー比べて優遇されてきたので、寂しくはあるが納得はできている。
そうなると、問題は山積みでも次回はある程度明るいというか、安心して新年を迎えられる着地にせねばならないだろう。

オウマジオウがあまりに強すぎるため、一見すると隙がなさそうだが、実は案外そうでもない。
ウォズの反応からして、過去のソウゴと未来のソウゴが出会うという流れは、本来の歴史にはなかったのだろう。
また力ではオウマジオウが圧倒したものの、ソウゴがディケイドアーマーを使った時に、意外そうな反応を見せていた。
オウマジオウの知る歴史では、この段階でディケイドアーマーを手に入れていることは想定外だった可能性が高い。

  • ディケイドアーマーを予定より早く入手
  • 『オーマの日』の前倒し
  • ゲイツとツクヨミに直接刺客が送られる
  • 過去と未来のソウゴが出会う

これだけ歴史に大きな変化が生じている。
特に最初の二つは発生することよりも時期が早まっている。
三つ目は早まったのか、本来起きなかった事象かは微妙だが、ゲイツがジオウの歴史に絡みだしたのが発生要因なのは間違いないはずだ。
ウォズは歴史を修正するために、意図せず歴史を早めてしまっていた。

つまりこのまま前倒しや変化が続けば、オウマジオウが望む歴史からズレが大きくなり、ソウゴは本来得るはずのなかった力を得る可能性も出てくる。
クウガで言うところのライジングのようなものだ。

今回の大きな歴史改変はソウゴがゲイツを仲間と信じて起こしてきたアクションの結果だ。
ゲイツもまたソウゴの信頼に応えるよう戦い、迷いながらも心を成長させている。
そうしてゲイツは、ソウゴに導かれたとはいえ、自分の意思で未来を少しずつ変革させていく。

また士もソウゴだけに関わっているわけではなく、所々でゲイツに対して煽るような言葉を投げかけている
ウォズもウォズで、当初は歯牙にもかけない存在だったゲイツを、今では危険因子だと認めているから今回の歴史改変を起こした。

ならば根幹がブレて絶望に陥っているソウゴを救える者が、ゲイツであっても不思議ではない。
仮面ライダージオウとはソウゴとゲイツの二人が作る歴史の物語だ。