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グリッドマン ユニバース【ネタバレ感想・考察】ユニオンする物語の到達点

2023年3月26日

作品情報

『グリッドマン ユニバース』 ユニオンする物語の到達点【感想・考察】
タイトル グリッドマン ユニバース
作品要素

ネタバレ無しレビュー

映画本編のネタバレは伏せていますが、前作にあたるグリッドマンとダイナゼノンのネタバレは多分に含みます。

『グリッドマン ユニバース』が発表されて、「これ絶対面白いやつじゃん」となったのが今は懐かしい。

また、ダイナゼノンはグリッドマンで積み残しになったメカを用いた作品であるのは周知の事実。
そこから更に劇場版へと繋がる展開は「まだやってくれるのか……!」という喜びがあった。

時を経て、ついにメインビジュアルが公開された時に、私は一抹の不安を覚えた。
メインを堂々と陣取るグリッドマン同盟の三名。その周りに配置されたガウマ隊の差だ。

いやまあ、メインじゃないからこその自由度もあって、夢芽のポージングとかめっちゃ可愛いよ? でもここまで露骨にちっさいのは気になる。

私はグリッドマンのキャラは大体好きだし、特に六花推しだし、そもそもタイトルからしてグリッドマンユニバースなのだからグリッドマンサイドがメインになることはわかる。そこに不満もない。

だが、だがしかし……!
蓬と夢芽の微妙な距離感とか、あの甘酸っぱい関係とかめちゃくちゃ好きなのだ!

二時間映画の尺問題から、ダイナゼノンサイドの絡みが削られ過ぎてしまったら……。
強火のよもゆめ派としてこれは心配にならざるを得ぬ。

そういう小さな不安を抱いて鑑賞してきた。

いやぁ、ワクワクと「こうきたか!」が常に雪崩のように押し寄せてくる作品でしたね!

その中には大変新鮮なよもゆめもいくつか含まれていたので、ぼかぁ満足ですよ、うん!

作品性としては完全にお祭モノ。
凄まじいのは、ココイチのトッピング全部盛りみたいなことやってるのに、味はきちんと調和が取れていてめちゃくちゃ美味しい。こんな矛盾を現実に存在させるとは……。

強引な部分もあるにはあるのだけど、「そもそもこんなに色々詰め込んでも破綻せず、各キャラの出番も用意して、なんで二時間の枠に納められてるの?」って状態。

ただまぁ、流石にギリギリ収まったようで、入れたかったけど無理だった部分もあったようだ。ワンカットだけ出てきたアレとかコレとかは、まさにそれなんだろうなぁと思う。

見たかったと言えば見たかったけど、完全に終わってからようやく反芻して、その感情が湧き上がってくる。
そもそもぶっ込んでくること自体が予想外なので、不意打ちくらってそのまま逃げられたようなものだ。

実際、出番量が少ないキャラもいるにはいる。しかし、その分インパクトはしっかりと残しているので、感覚的にはもっといたような気分になっていた。

そんな感じで、いつもは『ここは残念だった』というポイントも意図的に入れているのだけど、本作は振り返ってもそういう部分が見当たらない。

あえて言うならパンフレットにもっとキャラデザ載せてほしかった。
設定資料集出してもらえるまで、じっくり見たいなと思ってもその機会がない! 衣装変化ももっと細かな部分を確認したいのに!

けどこれ根本的に、作品そのものの不満じゃないからね。

シナリオ面も、ダイナゼノンで残っていた不明部分がかなり解消された。
概念的で衝撃的な新事実が語られたので、『どうとでも解釈できるようになった』というべきかもしれないけど。それなりにスッキリしたなって気分ではある。

そして、お祭り騒ぎの勢いが、最後にはバトルシーンにそのまま雪崩れ込んでくる。
元々高カロリーだった作画が、劇場版によって更にグレードアップしているのは言うまでもない。

それが、ストーリーの勢いに圧倒的な熱量で畳みかけてくる。やっぱそれやんないとね! それもやるの!? そこまでやるのか!!!?

上がっていくテンションを維持したまま、熱と感動でゴールまで運ばれていく。
頭のてっぺんから足のつま先までグリッドマンが詰まっている!
それぐらいホント満足度がすごい。

この世の中には、人として観るべき物が三つある。
『SSSS.GRIDMAN』と、『SSSS.DYNAZENON』と、『GRIDMAN UNIVERSE』だ!!

お祭の中で光るキャラクター達の成長と変化

本作で一番楽しいのは、お祭り騒ぎでワチャワチャしているシーンと、その中に見える登場人物達の成長だ。

仮面ライダー好きの私にとって、今回の世界観とお祭感は端的にあらわすと『キレイな仮面ライダージオウ』であった。

グリッドマンがユニバースを形作る存在で、それを利用して独占しようと企む者がいる。
ついでに企むヤツは概念的でキャラとしての個性には欠ける。

電光超人グリッドマンをしっかり憶えているか、パンフレットを読むと、ボスキャラに込められていた意図がわかる仕組みだった。
(ジオウは役者のインパクトでそれをカバーしてたけど)

裕太がグリッドマンと心を通わせることで新たな力を得る流れや、エンディングのパーティー感までジオウを思い出す。
しかしジオウ程にメタメタしい狂気ではなく、程よくカオスでキレイにまとまった心地よさがある。

二代目の巨大化&武装で怪獣化するのは大概だけどな! わざわざ事あるごとに顔出すの、そういう性癖持ち特攻だろ!

アカネの登場から怪獣使いモードになって、アレクシス・ケレブを掌握の流れは『その手があったかー!』で中々の衝撃だった。
それなのに二代目の画が強過ぎて、普通に王道展開に思えてしまったよ!

ちなみに一番燃えたのは、レックスが一時的とはいえガウマへと戻り、ガウマ隊と共にバトルゴーした瞬間だ。
予測可能回避不能の熱量がそこにある。

そうしたお祭り騒ぎの中で、グリッドマン特有の人間の描き方も変わらない。特に登場人物達の変化や成長が光った。

例えば暦は再び無職化しているのだけど、家に引き籠もっているわけではなく就活中と言っている。
辞めた理由は不明だが、そこに自虐や悲観的な空気はない。

一番わかりやすい変化があったのは夢芽だった。
面白そうという理由で、自分からグイグイとグリッドマン同盟のメンバーに関わっていく。

彼女が本来持っていた、周囲に合わせる性質が戻って、活発な社交性となって現れているのだろう。
メインビジュアルでやたらとテンションの高い夢芽のポージングには、ちゃんと意味があったのだ。

蓬は夢芽に対しての会話がごく自然なものになっている。
彼女に対して気を遣い過ぎるせいで生じる微妙な間とか照れがなくなっており、ちゃんとカップルらしくなっている。

一丁前に裕太へ対して「なんで付き合ってないの?」とか聞き出すとは思わなかったぞ。
よく考えたらこの少年、タイミングを逸したのは不慮のトラブルからで、告白に対して躊躇いはなかったな……。むしろ夢芽のさり気ないアプローチに気付いてない側だったし。

似たもの同士なのだけど、女子への対応力だけ違うの何気に面白い。
どうかしちゃってる時代の夢芽に付き添って、夢芽係に任命されて、大分鍛えられたのもあるだろう。

そして蓬は、遂に自分からごく自然に「もう家族みたいなもんでしょ」と伝えて、夢芽を一方的に赤面させたのである。

そうそう、こういうのが観たかったんだよ! こういうのがっ!!

逆に、変わったように見えてあまり変わっていないのがガウマだ。
新世紀中学生になって立場や役割上の変化はありつつも、恐そうだけど実は気の良い男な部分は全然変わっていない。

そして唐突に再会したひめに対しては、一気に湿度が高くなる。
ガウマに変化がなかったのは、ダイナゼノン終了後は暫く寝ていて最近復帰したからと、変化する切っ掛けが欠けていたからだろう。

ガウマはずっと会えなくて、もう吹っ切ったつもりでいたひめと突然の再会。
そりゃお前、身分違いだと思っていた姫様が北海道物産展でタラバガニ売ってるところに出くわしたら、普通に感情の整理追いつかねーよ。
しかもしっかりカニを買わせてるよこのひめ。めっちゃ商売上手だ……!

自分のせいで自害したひめに対して引け目を感じている。そして再会をずっと夢見ていたロマンチストなガウマに対して、ひめは実にカラッとしていた。

ひめにとって5000年前の出来事は、もう過去でしかない。前を向いて新たな人生を楽しんでいるのだ。
また離れ離れになったとしても、彼女にとってそれは悲劇ではない。

ガウマもまた、レックスという次の道を進んでいる。今の役割と共に人生を前向きに歩んでいく。そのしたたかさをひめは伝えたのだ。

グリッドマンの弱さこそが物語の本質

本作がお祭り騒ぎでありながら、物語はキレイに調和が取れている理由は、『再会』と『協調』の二つにドラマの軸が絞られているからだろう。

蓬とガウマの再会。
ガウマとひめの再会。
アカネとアンチの再会。

そして、あえて再会しなかったアカネと六花。

どんちゃん騒ぎの中で、いずれの再会劇にもドラマが込められていた。
一歩間違えば蛇足になりかねないガウマとひめの再会は、ダイナゼノンの劇中とは異なるガウマの成長に繋がる。

そして協調。これは新たな交流の形を見出すことでもある。
学園祭準備を通してグリッドマン同盟とガウマ隊の交流が描かれた。
お祭騒ぎの軸もここに含まれる。

そしてもっとも大きな主軸は裕太とグリッドマンである。

裕太は自分の中から欠けた時間のせいで、心のハグルマが上手く噛み合わなくなっていた。

知らぬ間に六花との関係は進展しているのだけど、その理由に実感がないため、それより先の関係に中々踏み出せない。
そして告白するタイミングをズルズルと引き伸ばしてしまった。

それと、グリッドマンなる存在と自分の戦いが上手く重ならない。
まったく記憶がない間に自分が世界を救っていた。そしてその間にあった出来事は、自分も含めてほとんど全員が忘れ去っている。

本来そこまで仲が良くなかったはずの親友と好きな人の二人が、グリッドマンについては口を揃えて説明しており、その間の記憶がスッポリ抜け落ちている。
そんな特殊な状況でなければ裕太も到底信じられないだろう。

そして再び現れた怪獣が、裕太の心を逸らせる。
再びグリッドマンになっても思ったより上手く戦えない。それは失った時間の自分と今の自分は同じじゃないから……。

そういうコンプレックスが募っていく。
しかし真実は違った。

裕太は裕太でしっかりしたヒーロー性を有している。
それを強調するのがアクセプターだ。

かつての裕太はアクセプターを必死に隠そうとしていた。
しかし現在は普通に装着したまま隠そうともしない。

自分がグリッドマンなのだという自覚はむしろ強くなってすらいる証。ある意味剛の者だ。

自分の役割に対して一切躊躇いがない。
あまりに覚悟ガン決まり過ぎて、グリッドマンを目覚めさせるために自分が犠牲になるのも躊躇がなかった。

元々、再び裕太が巻き込まれたことに良い気分がしなかった六花は、ちょっとは迷えと愚痴っている。

裕太のコンプレックスと思われていたものは、そっくりそのまま彼の強さだった。

そうした出来事を経て、裕太と六花の関係も、新たな形を得る。

気を逸したはずの恋愛は、けれどその間に六花もまた本当の裕太を見て、心が惹かれていたのだ。

実は元々強さを持っていた裕太の逆がグリッドマンである。
ハイパーエージェントとして完成していたはずの彼は、裕太と同化し、彼として過ごすことで変化が起きた。

グリッドマンは裕太の時間を奪ってしまったことを気に病んでしまう。
形を持たないエネルギーの塊が、人の姿になって人と過ごしたことで、人間とは何かを知った。

それがどれだけかけがえのないものかも含めて。
だって、自分が裕太だった間の出来事は楽しく、大切な思い出として今も残っているのだから。

グリッドマンになっても上手く戦えず、ダイナレックスに助けられなんとか勝利して、裕太は手放しに喜べなかった。
しかしそれは違う『元々グリッドマンは単体じゃそこまで強くない』が事実なのだ。

新世紀中学生やアンチとの共闘、そして内海の知識や六花の機転に何度も助けられてきた。

グリッドマンは勝利を積み重ねる毎に、逆に自分の弱さを自覚した。

だから躊躇わず、『自分は弱い』と断言した。
弱いから助けてくれる仲間がいる。

人の関わりから逃げたアカネは、友達に支えられて再び自分の意思で現実へと帰った。

一人になったガウマは、蓬達と出会い新たな仲間を得て、彼らに未来を託した。

無限の命で退屈に壊れたアレクシス・ケレブもまた、誰かと共に戦い、その価値を理解した。

心の弱さを敵に利用されたグリッドマンは、裕太によって助けられ、己の迷いをも肯定した。

彼らに怪獣のような自由はない。
かけがえのない不自由を受け入れて、終わりがあるから未来を託す。
そうして支え合って、壁を突破していく。

ひとりじゃ無理でも、君となら。


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