視聴後感想
http://kamen-rider.info/zio-47/
仮面ライダージオウ 47話『2019:きえるウォッチ』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
死神が退場したらどうなる? 死神が現れた。
まさかのチェイスだー! しかも仲間になる前の魔進チェイサーで電撃参戦!
いやまあ、前の死神も電撃参戦でしたけどね。
これはもう次に死神博士がくるしかない。おじいちゃんと死神博士メモリの準備は万端か。
怪人として参戦する=倒されるが通常イメージなのに、アクアとエターナルのおかげで逆に魔進チェイサーの方が安牌に思えてしまう不思議。
ダチは劇場版の方に出張しているので、今回は守って自爆の心配もなく思い切り暴れられるぞう!
そして前回は大人しくしていた門矢士達も最後の戦いに向けて動き出しました。
ここまでの流れ的に次回予告で倒れている士の姿に嫌な予感がひしひしとしますが、演出的にはものすごく楽しそうだから困ったものです。
では、次回の予想と考察を始めましょう。
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ジオウが三人、なかなか粋な計らいだろ
次回予告で出てきたジオウのベルトが何気にネオディケイドライバーだった。
つまり、本家ジオウ、ディケイドジオウ、アナザージオウのトリプルジオウが揃い踏みだ。
ゴースト以来だが、今回はちゃんと本物も混ざっている。
チェイスのインパクトに全部持っていかれて気付かなかった人は、記事の冒頭に次回予告の動画を貼っているので再確認してみよう。
(ちなみにYoutubeにて公開されている東映公式の動画を規約通りに貼っているので、視聴しても著作権とか諸々の問題はございません)
DXネオディケイドライバーではちゃんとジオウのカードも含まれていた。
ジオウへのカメンライドは公式設定通りだが、出てこない可能性もあると思っていたので終盤での登場は嬉しい。
なお、アナザージオウの中身は、次回予告にも声だけ出ており現ウォッチ所持者でもある海東大樹が最有力だろう。
以前にも書いたが、海東はあまり盗んだお宝を使用しない。
これは本人のトレジャーハンターとなった理由にも繋がる、一種の矜持に近いものだと私は思っている。
やたらとドスの利いた声だったので、何かを企みあえて使用したか、スウォルツの企みで洗脳に近しい状況に陥っているのか。
そう言えば門矢士も登場時は何故か以前よりも低い声だったなあ。今となっては懐かしい。
もう一つの疑問。もとい大きな心配は次回予告で倒れている門矢士である。
レギュラーキャラやレジェンドの死亡が続いているため士なら大丈夫という保証も最早ない。
そもそもディケイドは、世界の破壊者となるべく力を得た士の運命によって、大ショッカーが生み出した対仮面ライダー特効兵器みたいな側面がある。
仮面ライダーの定義が『敵と同じ力を使って戦う者』ならばディケイドは『敵である仮面ライダーの力を使って戦う仮面ライダー』というメタフィクション存在とも言えるだろう。
その反面、怪人相手の勝率はそれ程高くない。
アナザーディケイドやアナザージオウⅡ、そして怪人軍勢が迫りくる場面では、他のライダーとの連携こそがディケイドの真骨頂となる。
しかしながらジオウの世界におけるディケイドは、とりわけ単独行動が目立ち協力姿勢が取れていない。かなり危うい立ち位置にいるのは事実なのだ。
正直、アクアと違って士の死は意味することやインパクトが大きく違う。
ただでさえ次回は、ジオウの世界が遂に崩壊へ向けて進み出す。
ウォッチが壊れだしてその世界の怪人達が出現し始めるという状況的は、ディケイド第一話に近しい。
世界の破壊者が世界の歪みを正せず途中退場は、もはやアイデンティティ崩壊に関わる問題だ。
重要な焦点は倒れている士が、ネオディケイドライバーを取り戻す前後どちらかである。
今の士はスウォルツに力を奪われているため、オーロラの操作は可能でもディケイドへの変身は不可能だと思われる。
(ただし歴史改変を受けず普通にディケイドウォッチ所持していたことから、絶対変身できないとも言い切れない)
例えば、まだ残っている邪魔者としてスウォルツに一度やられてから、抱きかかえているツクヨミがスウォルツから奪った力の一部として士に変身能力を返却する。
そこからディケイドの復活という流れなら、まだ生存の可能性は残っているのだ。
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グランドジオウのジレンマ
グランドジオウについてコメントで質問をいただいた。これはそのうち書こうと思いタイミングを逸していた事柄なので、このタイミングで一度書いておこう。
グランドジオウについては、脚本的に持て余しているなあというのが素直な感想だ。
歴代平成仮面ライダーを召喚して戦わせる他、武装など力を小出しして自由に操ることもできる。
デザインも平成仮面ライダーを祀る仏壇そのもので、まさしく総決算の存在と言えよう。
能力やスペック的(それと視聴者の気持ち的)にも、グランドジオウに対抗できそうなのはネオディケイドライバーでのディケイド激情態くらいではなかろうか。
登場時のハイスペックっぷりからしても、それぐらいの期待感を煽ってきた。
しかしながら、ここまでの戦歴は微妙と言わざるを得ない。
グランドジオウの完全版と言えるオーマジオウは致し方なしではあるのだが、敗北理由がドライブのライダーキックだった。
少し前にアナザー電王へ必殺技叩き込みまくっていたことから、グランドジオウの脆さが否応なしに強調される。
そこからは性能的に上回っているはずのアナザージオウⅡやダークライダーにも敗北した。
アナザージオウについては歴史書き換え能力を有しており、ライダーとして性能外の部分で負けたと言える。
それらと比べても、ダークライダー戦の敗北はかなり厳しい。
アナザーディケイドはほとんど手出しをしないまま、ダークライダー三名相手に負けてしまった。
そりゃあアナザーライダー達よりは強いだろうが、ライダー召喚能力で数の差は問題にならない。むしろ有利だ。
そして同時に、あらゆる状況に対応できてこその召喚能力でもある。
ほぼ万能の能力を手にしており仲間にゲイツまでいるのに、ダークライダー三体相手になすすべもない状態でボッコボコにされるのは、流石に大きな違和感がある。
ギガントのミサイルで変身解除になるなら、ギガントを仮面ライダーJにぶっ放したディケイド激情態にも負けてしまう可能性は十分にあるってことだ。
しかも同じ面子が混ざっていたダークライダー達をウォズとゲイツのコンビが倒している。
やだ、全ライダーを継承した力、軽すぎ……?
これはハッキリ言ってシナリオとグランドジオウのスペックが噛み合っていない。
ストーリーは終盤にいくほどライダーの強化と共に、敵も強大になっていく必要がある。話を盛り上げるためにも苦戦はしなければならないのだ。
ところがスペック的に勝てないとおかしい相手にすら後れを取った。
この現象はジオウに限った話ではない。ビルドにも近いことが言えて、最強フォームのジーニアス登場前からそれよりも強いエボルトのブラックホールが猛威を奮っており、登場から割とすぐに敗北となった。
中間フォーム数の増加により以前よりも最強フォームの登場は遅れる傾向にある。
そうするとラスボス格やそれに近い強敵が既に登場しており、最初から超強敵にぶつけられやすい。
ジオウは終盤の強敵枠に以前の敵ライダーを置いたことにより、スペックの逆転現象が発生して物語のパワーバランスが崩壊してしまったと言える。
せめてダークライダーだけでなく、アナザーディケイドも積極的に混ざって戦闘していれば……。
加えてグランドジオウは設定の特別感があまりに強すぎて、苦戦すること自体に違和感が生じやすい。
平成ライダー集大成の最強フォームで全身ゴールドとなれば、そりゃあ視聴者の多くは当然のごとくハイパームテキエグゼイドくらいの最強感を期待してしまうだろう。
(ハイパームテキが強すぎて、逆に敵が攻略法を考え出したり進化したりの逆転現象)
実際、平成十番目のディケイドは、最強フォームのコンプリートでこの期待感にわかりやすく応えている。
ある意味グランドジオウとは対極で、登場回はダークライダーの立ち位置であるネガ世界のライダー達をバッタバッタと倒していった。
しかも物語の構成上、グランドジオウ登場以前のアナザーライダーは全体的にあまり強くなくて、多くが通常のアーマーライドで攻略可能。
そこから強化されたジオウⅡやトリニティは強敵相手の苦戦はあっても、かなり安定した活躍を見せていた。
ジオウの苦戦が目に見えて増えたのは、ちょうどウォッチの収集が終わって終盤に入った頃、つまりグランドジオウが出てきた辺りなのだ。
その割に初登場で倒した相手は、特に際立った強さもないごく普通のアナザーライダーだった(もはやジオウⅡどころか、通常の電王ウォッチで十分)ので、相対的な強さが感じにくい。
終盤に最終強化が入る展開を悪いとは言わないが、それが理由でかえって最強フォームの強さが感じにくくなってきている。
シナリオもそこに合わせるよう適応した見直しが必要なのかもしれない。
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劇場版はパラレルワールドの可能性
ここからは劇場版『Over Quartzer』のネタバレが含まれるため未視聴の方は注意。
劇場版単体の感想・考察はこちら。
今回、私の中で衝撃度合いの大きかった要素として、TV版と劇場版『Over Quartzer』の繋がりについてだ。
公開以前より劇場版は真の最終回と銘打たれていた。
TV本編で正式に継承がなされていなかったドライブウォッチの獲得。
そして劇中にタイムジャッカーが登場しないことからも、近いニュアンスとしてエグゼイドの劇場版『トゥルー・エンディング』を連想した人も多いのではないだろうか。私もその一人である。
つまりはTV本編の終了後に劇場版の物語が展開したという流れだ。
けれど、そう考えるといくつか辻褄の合わない部分が出てきた。
劇場版において常盤SOUGOはスウォルツと協力してソウゴを王に仕立て上げたような口ぶりだった。
実際にその説明時に本編でもあったスウォルツがソウゴに力を与えるようなシーンが映し出されている。
他にソウゴにジオウとなる力を与えるようなシーンは存在していないことから考えて、スウォルツは全て承知の上でクォーツァ―に協力していたはずだ。
けれどスウォルツは改めてソウゴを『生まれながらの王』と呼び、王の力を育つのを待っていたような説明をした。
ここに来てスウォルツがソウゴをあえて王と強調しながら、自分の計画を話す必要性は薄い。
スウォルツにとってはクォーツァーを出し抜き自分が王となるタイミングがあるとしたら、まさにここだろう。
あえて嘘をつき続ける理由がスウォルツにはないはずだ。
となると、スウォルツがあえて力を与えたという描写にも矛盾が生じる。
他に力を与えるシーンに理由があるとするなら、あれは今現在の記憶を消去して何度も同じ夢を見るための仕込みだったとも考えられる。
もう一つの問題はツクヨミの消滅だ。
『Over Quartzer』ではオーマジオウのウォッチを継承したことで2068年の歴史が改変されて消滅。
タイムパラドックスによりゲイツとツクヨミも消え去った。
今回スウォルツを倒せばツクヨミも消えるという話を聞いて、歴史の分岐消滅によるタイムパラドックスを学んだ。
この時点でオーマジオウの歴史が消えればゲイツとツクヨミが消滅することは理解できているはずではないだろうか?
二人が消えていく時の驚きやリアクションと矛盾する。
このように、TV本編と劇場版での設定食い違いがちょいちょい見えてくるようになってきた。
だとすればTV本編と劇場版は地続きではなくパラレルワールドの可能性がある。
トゥルー・エンディングではなく仮面ライダーブレイドの『MISSING ACE』形式だったのだ。
ぶっちゃけそう考える方が、全体の物語構成は整理しやすくなる。
『Over Quartzer』だと全てのウォッチ継承後にクォーツァーが現れ王の座を奪い、平成をやり直すために暴虐を働いた。
オーマジオウ時空のソウゴは仲間がいないため、一人で地球を守るためオーマジオウになり対抗。
結果としてクォーツァーは退けて自分が王になったものの、人類の半数は消滅してしまう。
ダイマジーンやカッシーンも元々はクォーツァーの所有物であるため、オーマジオウがやったと思われきた行為の多くはクォーツァーの手によるものだった。
信じる者がいない大事件であることから、オーマジオウは全ての罪を被り孤独な魔王として君臨した、という流れが考えられる。
この間にスウォルツが入ってオーマジオウのルートを別に作り出そうとするなら、話がどうにもややこしくなってしまう。
TV本編はあくまでパラレルワールドであり、オーマジオウへ至った経緯もそれぞれで異なると考えた方が話はしごくスッキリする。
次回予告では手に入れたウォッチが次々と壊れていくようになった。
もし本編と劇場版に繋がっていくのなら、ウォッチは再生してドライブウォッチのみが空白になる。
ライドウォッチの行く末がTV本編と劇場版を繋ぐ基準値となるだろう。
いよいよもって、ジオウがどのように物語を締めるのか。
後三話しか無いのに、気になる要素はむしろ増えている気がする!
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