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仮面ライダージオウ 32話『2001:アンノウンなキオク』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
今回はアギト編の後半戦でした。
ブレイド編もかなり深くブレイドとカリスがストーリーに関わっていましたが、今回は完全にそれすら上回っていました。
これまでにないほど津上翔一のキャラ性が深くストーリーに反映されていたり、アギトとしてもジオウ達と遜色ないレベルで戦闘もこなしたりしていました。
『仮面ライダージオウ アギト編』ではなく『仮面ライダーアギト ジオウ編』と言っても違和感ないですね。
中にはどうしてこれまでこれができなかったんだと思う人もいるでしょう。
ですが、むしろ物語も後半に入った今だからできることなのだと、私は思います。
いやまあ、前半に出たレジェンド達の扱いに差が出てしまうのは確かなのですが、中盤に未来のライダー達を据えたおかげで残るレジェンド達がより深くジオウに関われるようになったとも言えるので……。
悩ましい部分ではあると思います。
(それでも未だにWの扱いだけは納得いってないのですが)
ストーリーについてもタイムジャッカー側の設定が垣間見えてきましたね。
今回は諸々の感想に加えて、現状におけるレジェンドの扱いについても細かく考察していこうと思います。
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ワンマン秘密結社タイムジャッカー
今回、初めてと言っていいほどまともにタイムジャッカーがどういう組織なのかの情報が出てきた。
タイムジャッカーの時間停止能力は本来スウォルツのみが有しており、残るメンバーは力を分け与えられている。
つまり組織としてはスウォルツありき。
実際、ウールやオーラといった他のメンバーは計画において詳細をきちんと知らされていないことが多い。
『使われる側』の者達でしかないと言える。
一時期は真実を知るため反旗を翻す姿勢を見せたウールが、結局元の鞘に収まるだけだったのは力を与えられている存在でしかないためだろう。
スウォルツが他者の意見を求めない性格なので、余計にワンマンぷりが際立つ。
ところでスーパータイムジャッカーの肩書を持っていたティードはどうなるの?
ティードについては通常のタイムジャッカーとしての力以外にも洗脳などを様々な能力を有してい(たが戦兎にはことごとく通じなかっ)た。
肝心の根っこはスウォルツから得たということはスーパーだけど平隊員だったのか。
またティードを除くメンバーが少年少女だったのは、単純に扱いやすいからだと推察できる。
これまでの態度からも、スウォルツが考える崇高な目的を達成するため利用しやすい駒だ。
ティードのようになまじ強力な力を持っていると、単独で暴れてかえって利用しにくくなるというのはわかる。
実際、王を擁立するどころか平成仮面ライダーの歴史を根っこから完全に消してしまおうとしていた。
あれ、つまりティードは好き勝手動いた結果支援もされず切り捨てられちゃった? スーパー悲しいぼっちだな!
閑話休題。
本来スウォルツだけの力と同質のものをツクヨミが有していた。
タイムジャッカーに関わりがあるのではなく、スウォルツ個人に関わる存在ということだろう。
しかもウォズはツクヨミの正体に心当たりがあるようだ。
ゲイツにはないのでレジスタンス時代ではなくオーマジオウ絡みである可能性が高まる。
これはツクヨミウォッチの再来が本当にワンチャンあるのでは?
とはいえウォズが情報を伏せることを選んだので、正体は暫く伏せられるか小出しになっていきそうだ。
ツクヨミの正体が判明することで、スウォルツの正体やオーマジオウの核心に迫るのならかなり引っ張るかもしれない。
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掘り下げられた津上翔一という人間
前回に引き続きアギトの戦闘シーンがジャンジャン入る。
序盤からストームフォームとフレイムフォームを惜しみなく使っていく。
タイムジャッカーにアギトの力を奪われたところでへこたれない。
今度はG3でアナザーアギトのゾンビゲーマーと化した戦場へと突っ込んでいく。
正体をわかりやすくするためとはいえメット簡単に外れすぎだとは思ったけど、メットなしでの勇姿もそれはそれで格好いい。
何気に尾室隆弘が翔一へと連絡入れた際は、完全に昔の尾室そのものな演技だった。
この汎用さというか人の良さは、小沢澄子をして『究極の凡人』と言わしめただけはある。
まず正体は別人だという前提で話しているので、時間を経ても変わらない信頼関係も見て取れて、短いながらもすごく良いシーンだ。
もちろん、翔一のそばにいる真魚もごく自然な安心感があった。
アギト復活時はしっかりとオルタリングのボタンを押してのちゃんとした変身ポーズも披露。
そうだよ、我々はこれが観たかったんだ!
そしてアギト本編を含めてもすっごい久方ぶりのトリニティフォームが登場。
ウォズも盛大に祝ってくれた。
アナザーアギト達を蹴散らしてダブルライダーキックを決める勇姿は、完全に本編のトリニティフォームより優遇されている。
まさかアギト本編の不遇フォームが、こんな大復活劇を遂げるとは18年前に誰が予想しただろうか。
そして、アギトの変身時点であまりに物語が仮面ライダーアギトなのでBGMに『BELIEVE YOURSELF』流れてくないかなー。
いや流石に無理だよなー。それは高望み過ぎかと思ったら本当に流れた。ウッソだろ!
これはテンション上がる。メッチャクチャ上がる。
よくぞ面倒くさい版権問題まで乗り越えてこの完璧な演出を!
最後はダブルトリニティによるライダーキックだ。
蹴りぬくまでの溜め方が劇場版のラストバトルノリだ。
アギト編がもうちょっと尺足してアギトで特別編の劇場版作りましたと言われても最早違和感がない。
『仮面ライダーアギト』としての演出は文句なく完璧過ぎた。
アナザーアギトの大群も最終回や劇場版のノリで、ここぞとばかりに予算使いまくりだ。
流石にここまでの豪華さは今回だけだろうけど、夢のような回だったとしか言いようがない。
アギトのバトル演出だけでなく、津上翔一の人間性にも深く踏み込んでいた。
自分がタイムジャッカーと同質の力を持つ危険な存在だと知り、ツクヨミはかなり落ち込む。
暫く危険なソウゴを倒さなきゃ思考に傾注していただけにショックも大きい。
とはいえ妥当ソウゴ時代は常にゲイツ越しだった上、本来の役割としては正論だ。
ゲイツの胃に穴が空きそうで、結果的に鼻と目と耳から出血したことを除けば、比較的穏やかにあるべきところへと収まった。
なのでソウゴは特にツクヨミとの間に溝ができているわけでもない。
そしてツクヨミの心を解したのは、かつて自分も記憶喪失だった翔一だ。
翔一は記憶を失っても、アギトと化して戦いの日々へと落ちいても、持ち前のポジティブさで今の生活をずっと大切にしていた。
そのため記憶が戻っても、津上翔一は津上翔一のまま自分であり続けられたのだ。
そういう生き方を実践できた翔一の言葉は(視聴者視点でも)説得力があって響く。
記憶喪失問題を実質二話で片付けたのに、物語が全然安っぽくなっていなかった。
それに、説得と共にしれっと料理作って振る舞うあたりも実に津上翔一らしい。
このポジティブシンキングを漫画版クウガの自分にも分け与えてあげてくれないかなと密やかに思った……。
そしてツクヨミは時間停止能力を持ったまま、今ここにいる自分を大切にすると決めた。
窮地のG3を助けるために迷わず力を使う。
まさにアギトOPにして津上翔一という人物像の重要な一部でもあった『君のままで変わればいい』を形として演出している。
それにしてもこの決断の早さ!
ゲイツなら覚悟を決めたと見せかけてすぐまた迷い、ワンクールぐらいは引っ張るところだよ。
必要以上にくよくよしねーぜ、思ったとおりに生きるんだ姿勢のツクヨミさんは本当に男前だ。
最後のあえて言葉でなく口パク演出の『ただいま』も良かった。
アギトのアギトらしさとジオウを抜群に上手く融合させている。
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何故後半の方がレジェンドの扱いが良いのか
アギト編はジオウ全体から見ても文句なく特に高品質な物語だった。
お祭りモノ作品としてお手本のような出来だ。
ここを否定する人はほとんどいないだろう。
ただ、そうなると『これまでのレジェンドに対する扱いはどうなの?』という意見も間違いなく噴出する。
巧と草加、二人のレジェンドが主演しながら変身シーンの無かったファイズ編が誰からも何も言われない……などいうわけがない。
(私個人としては好きな話の一つなのだけどね!)
レジェンドの扱いについては、何故前半はこうできなかったのかではなく、何故後半はこういう流れにできたのか。で考えた方が意図は汲み取りやすい。
序盤も序盤、最初のビルド編は仮面ライダービルドらしい要素はほとんどなく、ジオウという物語の構成解説としてパーツ的な扱いを受けていた。
世界観解説を終えたエグゼイド編以降は、レジェンドライダー達のテーマや物語性を取り込んだ物語が展開されつつ、『仮面ライダージオウ』としての物語を展開していた。
ゴースト編までのレジェンド達は極端に言ってしまえばソウゴがオーマジオウに会って一度挫折して立ち直る流れまでの前振りだ。
そこから未来のライダー編が始まり、ソウゴとゲイツの決着へと流れる。
未来編に入って二人が決着を付けるまでは、ほとんどレジェンドが登場しないという特徴もあり、その分ジオウのストーリー展開に大きく話が割かれていた。
レジェンドが出たのはジオウが能力的に成長する=オーマジオウの歴史を進めることに繋がるリュウガ編だけである。
そして白倉Pの発言にもあるように、ソウゴとゲイツの決着はジオウとして一つの最終回だった。
ここで一つの大きな区切りが付いており、メインになるソウゴ達三人の関係性と絆が強固に結びつき物語として落ち着いている。
ウォズも白黒ウォズ闘争によって、外から話を回すのではなく直接表立って戦うようになった。
そこで満を持してのブレイド編とアギト編だ。
ブレイド編はジオウ式ブレイド真の完結編。
アギト編は全編通してすさまじいアギト感を出しまくっていた。
それでもジオウ側の空気感も同時にそのまま残っていて、ソウゴ達のキャラクターもレジェンドに潰されていない。
もし序盤から今の展開でレジェンドを活躍させていたなら、ソウゴ達は間違いなく空気扱いになっていただろう。
わかりやすい例だと、今回の翔一がツクヨミをアドバイスした流れだ。
これが序盤だと、ただ翔一格好いいだけで終わり、ツクヨミはただの引き立て役にしかならない。
ツクヨミの存在感もちゃんとあったから『自分のままで変わる』というアギトのテーマ性を活かし切れた。
アギトはお祭りモノ回として非常に優秀だった。
けれどジオウの物語としての観点は別だ。
ディケイドはサブレギュラーとして出演して話を引っ掻き回しても、同時にジオウの物語を展開させる役割もきちんと果たしている。
ブレイド編やアギト編がレジェンド感マシマシでもお祭りモノとして正しく機能できているのは、ここに至るまでにジオウの物語をしっかりと描いてきたからこそだ。
そして残りのメンツが大部分平成仮面ライダー一期組なのは、二期組は相対的にTV本編だけでなく劇場版でも再登場や出番が多く与えられている。
序盤で出た555編は『仮面ライダー4号』で乾巧はメインで大きく扱われている(余波で草加の変身がなくなったのはちょっと残念ではあった)。
龍騎については言わずもがなスピンオフとしてむしろ特別枠だ。
もう一つスーツや設定的な事情も少なからず絡む。
ジオウがジオウⅡを手に入れた以上、基本的にアーマータイムの重要性は大きく下がる。
必然性がない上にスーツ代で予算を食うならば、その分を客演やレジェンドの活躍に回す。
視聴者的にもレジェンド活躍は観たいわけで、とても合理的な流れだろう。
つまり、あれだ、残るレジェンドは大体全部期待できるってことだよ!
電王だけはどうなるか全く読めないけど。
桜井侑斗の出番だな! と思っていたらあえて響鬼でレアな方を選択しちゃった!
桐矢京介。14年の時を経て降臨。
#仮面ライダージオウ
#響鬼編
#4月28日5月5日放送
#仮面ライダー響鬼
#中村優一 pic.twitter.com/qL13zU3tom— 中村優一 (@NvKknpbmkIbDg6m) 2019年4月21日
これにはFOREVERで出てきたアタル少年もニッコリ。
いや、まあ、一部と言うには多すぎるファンは複雑な感情を抱えて次回を待つわけだけどね。
響鬼後半に対して思うことは次回の記事にぶつけてみようと考えている。
とはいえ今は昔と比べて大分ニュートラルな視線で『仮面ライダー響鬼』を見られるようになった。
別にネガティブな記事にはならないのでその辺はご心配なく。
(基本的に私のブログは主観的な感想や考察を入れながら、できるだけそれを客観的な視点で文章にしたいなと考えています)
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