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仮面ライダーゼロワン 11話『カメラを止めるな、アイツを止めろ!』
ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。
今週は俳優編の後編でした。
いつものライダー前後編パターンとは明確に違う後半の流れで、衝撃から賛否両論のコメントが多かった印象です。
フラストレーションの溜まる展開を辛いと感じている人は結構いました。
同時に大和田伸也役の大和田伸也氏という扱い方は、あのオチのためにあったのだろうと考えると、中々考えられた構成だったなとも思います。
そして二人の社長が初対面。
それぞれの人物性がハッキリと見える展開で、初遭遇としては面白い展開でしたね。
社会人なら一発でわかる行動の差異が見えますが、仮面ライダーの視聴層はかなり広いため、今回は社会人視点での解説を入れてみたいと思います。
戦闘方面では本格的な強化ラッシュが始まる前のライダー達VS序盤の敵幹部の構成で、クリスマス商戦の流れが見えてきたなという感じですね。
そろそろ強キャラ補正が切れる頃合いなので、仮面ライダー滅は今のうちに大暴れしていただきたい。
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仮面ライダー滅の強キャラ感はどこまで持つのか
ドードーキーが今週もパワーアップだ!
ついにライダーの必殺技すら通用しなくなった。
最初に比べると随分スーツもゴテゴテしており、暗殺ちゃんの成長と併せて、ここが最終形態だろうか。
話数を使って育成した上、暗殺ちゃん回まで用意した甲斐があり、かなり強敵感が出せている。
仮面ライダー滅は登場時のボスキャラ感がそのまま残っているので滅茶苦茶強い。
仮面ライダー迅がギャグポジションも引き受けながらメインでライダー達と戦っているおかげで、滅はリーダーやボスキャラの風格を損なわずに済んでいる。
今週わざわざ出陣してきた理由も迅が拗ねちゃったからなので、やるべきことを果たしたらさっさと退いても問題ない。
ただし『ゼロワン』で消化すべきこととして、フォームの消化がある。
一度しか出ていないマンモスキーの出番が必要だが、基本大型戦向けフォームなのがネックだ。
周囲の影響被害や、下手すると虐めみたいな絵面になってしまう(CG予算的な問題もある)ことも考慮すると、あまり通常の敵相手では出しにくい。
となると圧倒的な強敵である仮面ライダー滅が適任になるのだが、滅がここで負けるのは困る。
というわけでマンモスのパワー溢れる必殺技を見せつつ、それにも耐えてしまう滅つえー! という見せ方に落ち着いたのだろう。
後、必殺技をポイズンのサソリで防ぐ演出がアドベント味あった(変身解除もせず召喚されているのはちょっと強引でもあった)。
ドードーと滅の強さを強調したのはハッキリ言ってしまうと、ゼロワンパワーアップの前振りだ。
現在の敵役の位置付けは類似を示すとナイトローグとブラッドスタークである。
特に暗殺ちゃんはナイトローグ的に、最初の強敵としてライダー達に立ちふさがり、パワーアップの犠牲になる運命が待っている。
そうして主人公のパワーアップアイテムを年末まで引っ張るわけだ。
滅もそう遠からず力負けするかいい感じにボスポジションを保ったまま強化を迎えるかの二択だろう。まさにブラッドスターク。
更に言うと仮面ライダー滅の強さとは単純な役割だけでなく、アクターである高岩氏の演技も当然ある。
あえて動きを減らした無駄のない動きによる強キャラ感は仮面ライダーカブトを彷彿とさせ、過去の主役ライダーが大きな壁として立ち塞がる感を私達にぶつけてくるのだ。
オタクはこういうの大好きだからね。仕方ないね。
ドードーが倒された後、仮面ライダーグリスのように新たな敵ライダーが登場。
もう一つのクリスマス商戦用決戦兵器として皆の財布に襲い掛かるのである!
なお、去年はこんな感じで読んでいたら、まさかの年末商戦アイテムのディケイドアーマーが年末近くにオーマジオウと戦って完膚なきまでに叩きのめされてしまう珍事が発生。
そして敵に回ったディケイドが先輩の格を見せつけネオディケイドライバーがプレバンでめっちゃ売れた。
振り返ってみるとジオウは予定調和を嫌う平成一期の血を引く暴れ馬だったなあと思うが、令和ファースト作品のゼロワンはどう年末を走り抜けるのか、今から楽しみだ。
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社会人視点で見る社長同士の初対面
今週の見せ場は暗殺ちゃんなどいくつかあるが、その一つは飛電インテリジェンスとZAIAのダブル社長が初対面だろう。
実際の対話時間は短かったものの、これは確実に後で大きな影響を与える。
そして、短いながらも二人の差異はかなり強調して描かれていた。
その最たるものが名刺交換だ。
名刺の交換とは社会人マナー代表として、新人はかなりの確実で学ばされる重要要素だ。
名刺交換は言葉通り挨拶代わりに行われる。
スムーズにできないのはちょっと恥ずかしい。社長ともなるとちょっとどころじゃなく、会社の顔が挨拶一つできねーのか。って扱いを受ける。誰かこの新入シャイーンに基礎教育をしてあげて。
ZAIAが招いたので天津垓から名刺を出すのはおかしくないものの、名刺出されて固まる時点でアウト。
しかも名刺とは自分の存在を相手に覚えてもらうためのツール。渡した側にとっては自分の分身を預けるに近い。
それを相手の前で口に咥える粗雑な扱いはかなり失礼な行為だ。副社長がいたら絶対説教している。
対して或人は電子名刺のデータを相手に送る。名刺交換で近未来アイテムが登場だ!
垓も特に驚いた様子はなくスムーズにデータをキャッチして収める。
この時点で社長としての格付けは済んでいた。
本筋に関係ないけど、電子名刺の交換シーンは少しテンション上がった。
垓は受け取れる環境にあってあえて紙の名刺を出したのは、まだ完全に浸透していないので、失礼に当たらないよう紙名刺をメインに使用しているためだろう。
或人も今はこれしかありませんがと言っていることから、多分スーツ着用時は紙名刺を持っている。
今回は急な呼び出しで私服だったので電子しかなかった。最新のIT業界では流通し始めているアイテムなのがわかる。
名刺はぶっちゃけ紙であるメリットが昨今ではあまりない。
なんせ名刺交換とは挨拶なので、業界によればしょっちゅうある。
逆にあまりない人間は名刺が手元にないことも珍しくない。
紙なので印刷が必要であり、さほどかからないにしても印刷など作成コストがかかる。
受け取った側も、今後のビジネスに繋げる大事な情報源でもあるため、保管や整理が必要なアイテムだ。
となるとファイリングやスキャニングの面でも、紙名刺は現代の情報媒体としてはやや古くなってきている。
名刺が電子データとしてやり取りされるのは非常に現実的な未来技術だ。
現実でもスマホアプリなどで電子名刺は生まれだしている。相手にぶん投げてキャッチさせる技術はその発展形だ。
これは名刺を扱う人程普及すれば便利だなぁと思うこと請け合いだったろう。
なお、名刺について熱く語った割に、私はあんまり名刺を受け渡す立場ではないのだけどね!
最初の名刺交換や数々の噂だけで或人の人間性は十分把握できたのだろう。
垓は最初から或人を飲んでかかっている。
いきなり買収話を切り出してくることからも、今後の戦略を含めた上で十分丸め込める自信があるのは間違いない。
ただし垓が交渉上手かと言えば全くそんな感じはしなかった。
まず初っ端から態度が煽り気味で、自分から滅亡迅雷.netとの関係を匂わせる情報を流している。
飛電インテリジェンスを追い詰めることが理由なら理解はできるものの、だからと言って今すぐ戻れのくだりは余計な情報だ。
後で大和田殺害未遂の情報を聞いただけでも、十分に或人の精神は追い詰められる。
結果としてあらぬ疑いや反骨精神を芽生えさせる流れに繋がりかねない。
唯阿からも不信感を何度も持たれているので、この社長、ハッキリ言って人心掌握についてはヘタクソだ。
もう一つ言うと前回の1000%発言から実は馬鹿なのでは疑惑も持ち上がっているせいで、若くて切れ者キャラ感を出そうとしていまいち出し切れていない。
逆に若すぎるせいでただそこにいるだけで感じられる社長オーラ的なものは完全に不足している。
演出で若々しさを与えながら、溢れ出る大物オーラを放っていたスマートブレインの村上社長を頭の片隅で思い出していた。
もちろん或人と対比する敵対者社長という役割上、年齢的な若さは重要事項だ。
ただちゃんとした大物オーラを早めに出さないと、視聴者から見た垓の評価はあまり高くないままポジションだけでボスキャラに収まってしまう心配がある。
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大和田が撃たれた演出の重要性と暗殺ちゃんの真意
前編で大和田と暗殺ちゃんに接点を持たせて師匠と弟子の関係を築いてから、まさかの迷わず暗殺実行。
なかやまきんに君出演時は、出番の少ないお笑いヒューマギアに強い説得力と感情移入を与えた。
今回大和田氏が本人役で登場した理由はこの暗殺シーンにこそある。
なかやまきんに君と違い、今回視聴者の視点は大和田本人には向いていない。
むしろヒューマギアに十分感情移入を持っているため、大和田の思想とは乖離がある。
けれど大和田氏自体が俳優としてベテランで人気も本物だ。
その有名人が演技中に撃たれて倒れる。
これは視聴者としても予想外の展開だったろう。
まさか本人役として出演している人物を本気で襲ってくるとは思ってなかった。
それだけで観る側の視点でも大ニュースであると容易に感じ取れる。
それがお茶の間のニュースで大々的に流されるのは、ラストのニュース放映からも想像できるだろう。
今回は視聴者の目線を本当に視聴者として活用して、大物俳優がヒューマギアに襲われた社会的な影響力をリアルに演出したのだ。
この演出は飛電インテリジェンスが受ける社会的ダメージをリアルに演出する効果もある。
ぶっちゃけ株価の低下は想像できても、リアルな影響は番組内では感じるのが難しい。
けれど、大和田が撃たれて警察が飛電インテリジェンスに直接介入する様は実にリアルで、「これは飛電ガチでピンチだよどうすんの?」と思わせてくれた。
窮地の演出としては本当に見事だ。
むしろ見事過ぎたせいで視聴者のモヤモヤが大きくなって、戦闘での敗北も合わせて話としての評価が下がったまである。
大和田はここで退場だが、物語的な影響力はまさに絶大だった。
ただし今回の警察介入についてはてなマークを浮かべている人もいる。
ヒューマギアは滅亡迅雷.netに操られている。
そもそもヒューマギアは機械。
包丁が殺人の凶器になっても、犯罪に使われたからと言って包丁の製造元は捕まらない。
これについて、前者は病院編で暗殺ちゃんの異常性を解説されている。
滅亡迅雷.netにハッキングされたヒューマギアは目が赤くなるが暗殺ちゃんは青のまま。
なのでハッキングではない誤作動、もしくは意図的に殺人マシンとして製造された嫌疑がかかる。
たとえ意図的ではなく誤作動でも責任は製造元へと向く。
正しく管理された食品で食中毒事件になれば、責任は製造元にいくのと似たようなものだ。
ヒューマギアに善悪が無いのと、システムの欠陥は別問題である。
同じように、ここまでハッキングが頻繁して欠陥品まで出たとなれば、管理能力だって問われているだろう。
ZAIAはわざと暗殺ちゃんを世間に好評して、意図的に責任を飛電インテリジェンスに向けた。
身の潔白を証明できない間は、虚偽であっても真実のように扱われるのが情報化社会である。皆ゴシップ大好きだからね!
こうして飛電インテリジェンスの社会的価値を下けて、ZAIAがヒューマギアやゼロワンの技術諸々を安く買い取る魂胆なのだ。
もう一つ重要なのは、大和田とヒューマギアの関係性。
そして大和田と暗殺ちゃんの関係はなんだったのかという部分だ。
まず大和田は或人に説得され、ヒューマギアを信じる結論を出した。
そもそも大和田は真っ当な大人なので、理論的に説得されたらちゃんと心を動かす。
そして自分の仕事にプライドがあるので、やると決めたらやりきる気概でもってエンジを我が手で育てようとした。
ここがあっさりしているのは尺と物語構成の都合もあるだろうけど。できればもうちょっとエンジにスポットを当ててほしかった。
エンジと大和田の和解があれば、燃えて焦げ付いた台本を手に取るシーンにもっと深みが出ただろう。もったいない。
大和田は前回、暗殺ちゃんを人間だと勘違いして師弟関係になった。
これはまさしく大和田が暗殺ちゃんに人間の厚みを感じたためである。
けれど、暗殺ちゃんにとってはいつも通り死んで復活の中にあったラーニングの一つでしかなかった。
大和田の見ている人間の厚みという言葉は、表面的であやふやなものでしかない。前後編を利用した皮肉として完成している。容赦ねえな!
今週の大事件について、暗殺ちゃんは成長によってシンギュラリティを迎えたのだろうかも注目されている。
前回の流れからして、自我は目覚めてはいるだろう。その上で問題は別にある。
迅の時は容赦なくリセットした滅が、暗殺ちゃんの命令無視は成長だと手放しで喜んだ。
これは何故かと考えるなら、滅にとって都合が良いからだ。
恐らく自分の考えが正しいかを確認する試金石として、滅は暗殺ちゃんが仲良くなった人間の暗殺を命じた。
マギア化の一件は終わってもなお、暗殺の現場近くには滅もいた。
滅は親として暗殺ちゃんの成長を陰ながら見守っていた!
暗殺できずに情を見せたら迅と同じく即リセットだったろうけど。
そして暗殺ちゃんは大和田を撃った。
前回、大和田ではなくエンジを狙ったのは、ヒューマギアの評価を下げられて、自分もヒューマギアだとバレたらラーニングに支障がでると思考したのだろうか。
ただし不明点も残っている。それが大和田の暗殺未遂だ。
暗殺命令は実行したが、トドメは刺せていないので実質暗殺は失敗だ。
その後、暗殺と呟きマギア化しながら不破の命も見逃している。
随分殺意の薄い暗殺者だ。
しかしながらこれは番組的事情である可能性が高い。
そりゃあ本人役で出ている大和田氏を本当に殺してしまうのは色々問題がある。
不破もキャラ的にトドメが刺せるわけがない。
殺人未遂だけでも事件性には影響がなく、たたでさえ重い物語が更に後味悪くなってしまう。
また、暗殺ちゃんはこの後の展開で倒される運命にあるのはほぼ確定だ。
実は良い奴だった設定は救いになるかと言うとむしろ逆効果になってしまうだろう。
かつてGペン太郎は人間への怒りで自我が芽生えた。
ならば、人間に害意がある者に育てられたら、芽生える自我は善人なのだろうか?
自我はあくまで人間性の発露。人間にも悪人がいる。それだけの話だ。
だが『エグゼイド』の外道、檀正宗も妻への愛情が本物だったように、人間は単純な善悪だけでは測れないものだ。
ならば無意識という名の人間性が、暗殺者の狙いをほんの少しズラしたということだってあるかもしれない。
暗殺ちゃんは人に近付いたが故にわかりにくく、割り切れない存在へとなっていく。
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