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アニメ好きが最初に観るべきオススメ平成ライダーは?

2018年12月11日

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ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

もうかなり長い間平成ライダーに触れ続けてきましたが、特にここ数年はこれから平成ライダーを見ようと思っている人に、何から入ればいいのかをよく聴かれます。
特にこのブログを初めてからは聞かれる頻度も増えてきました。ちなみに私は人生初の平成ライダーは龍騎でした。

好きなもの、興味のあるものから観ればいい。
そう考える人は少なからずいますし、それも決して間違っているとは思いません。
歴史ある策品は第一作目から観るべきと考える人もいますね。

色んな考えの人がいますが、けれど何から観ればいいと問う人は、経験者から見た客観的で説得力ある意見を欲しがっていると思うのです。
なので、『どれでもOK』や『とりあえず最初から観るべき』ではなく、私が思う論理的な理由に基づいた作品を勧めることにしています。
今回はその意見をまとめてみました。

なお、今回の前提条件としてはアニメ好きが平成ライダーを知るため最初に観るべき作品を基準にしています。
これには二つの理由があります。

私自身がアニオタも併発している人種です。
そのため、同じような方々から質問されることが多くなります。

また、今から平成ライダーを観るべきか考える人とはどういう人が多いでしょうか。
純粋な特撮好きなら早々に手を付けやすい作品であり、特撮作品を新しく切り拓くことには慣れているでしょう。
それ以外の人だと、自分の子供と一緒に観てハマるというパターンも多くなります。

じゃあ『何から観るか』を考える層というのは、そのどちらからでもなく特撮に親和性の高い人種。
つまりアニメやマンガ好きが多いのではという連想です。
そういうわけで今回は『アニメ好きに勧める最初に観るべきオススメの平成ライダー作品』を解説します。

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最初の作品である仮面ライダークウガはオススメしない

最初にオススメする一本目の基準は、『大衆受け』と『わかりやすさ』である。
平成ライダーは作品ごとに独特な世界観を持っており、中には視聴者を選ぶレベルで癖の強い作品も多い。

ストーリーが複雑でドロドロとした人間ドラマ感の強い『ファイズ』や『キバ』といった作品は、ある意味とても平成ライダーらしくはある。
しかし現代のアニメはエヴァが流行っていた頃とは違い、わかりやすくハッピーエンドな作品が好まれる傾向が強い
視聴者によってはナチュラルに観るのが辛くなる展開もあるため、平成ライダー初期組は初心者向けの導入とは言い難い作品が多いのだ。

初期組の例外として平成ライダー一作目の『クウガ』がある。
他の初期組に比べるとドロドロとしたシリアス感の強さはない。

しかしクウガは最初期であるがゆえに、平成ライダー全体の空気感と大きな隔たりができてしまっている。
色んな意味で特権階級的な存在だ。
また初期作品の宿命として、CG演出も現在と比べると目に見える古さがあるのは如何ともし難い。

平成ライダーや特撮作品に慣れたファンなら、歴史や懐かしさを感じる要素でもあり、当然のものとして受け入れやすい。
しかし新規に手を出す人は新しい作品の開拓が前提にある。
『古き良き作品』を知ってほしいという気持ちを新参者に強く求めるべきではないという判断だ。

仮面ライダーW

『アニメ好きに大衆受けする要素とは何か』に対する答えとして『そのままアニメ化できる作品』が最もストレートな回答であると思う。

そして、その要素で最も理想的なのが『仮面ライダーW』だ。
メインの登場人物は現実的な人間像とアニメ的な特徴を上手く掛け合わされている。
なんせほぼそのまんまのノリでコミカライズ化して成功できているのだから、これは証明されているも同然だ。

ハードボイルド探偵を目指しながら、人間味が強く情に厚い優しさが目立つため、どこまでもハーフボイルドの『左翔太郎』。
逆に人間味が薄く行動や思考もどこか非人間的だが、人智を越えた能力と冷静な判断ができる『フィリップ』。
そしてメインヒロインの『鳴海亜樹子』も、独特なハイテンションやツッコミキャラの性格付けはアニメ的な感覚がある。

特に翔太郎とフィリップはバディものとしても非常に高品質な作品だ。
凸凹コンビが数々の事件を通して最高の相棒として互いに成長していく流れは、非常によくできている。
大きなお友達(女性)にもオススメしやすい。

世界観の設定自体も他作品に負けずかなり独自性が強くて、アニメ好きには触れやすい要素だ。
架空の町『風都』や、そこに住まう住人達もそれぞれに強い個性がある。
それでいて、きちんと現実の人物に落とし込めている良さがWという作品の魅力だ。

平成ライダーは4クールの長さがあるがゆえ、中だるみが生じやすい欠点がある。
しかしストーリー面において、平成ライダーは二期に突入してから安定感を得た。

仮面ライダーはその性質上、縦軸のメインストーリーを追いながら、横軸としていくつもの事件が発生する。
Wは二話完結のテンプレートものを、探偵事務所に舞い込む事件として扱っているため、横軸で発生する多くの事件にも不自然さがない。

また縦軸の大きな流れとして、謎多き人物フィリップと敵組織を追っていく側面もあり、こちらも話が進むにつれ大きな要素が徐々に明かされていく。
その間にある話のテコ入れも上手くできているため、ほとんど中だるみを感じさせない構成になっている。

欠点としては『W』の世界観が風都という狭い範囲に収まっていることだろう。
要するにWってローカルヒーローなんじゃないの? と問われると否定はできない。
風都という街が舞台なのでストーリーの構成がスッキリしてわかりやすく、変化球しか投げてこない平成ライダーにおいて『王道』のヒーロー物語になっている。
だからこそ大衆受けしやすくかなり勧めやすい要素だ。

とはいえ、とにかく壮大な舞台とそこで展開されるストーリーが大好き!
という人には根本的に向いていないのは事実だ。

またTV版以外にもメディア展開が多いのが魅力の一つ。
劇場版の完成度は平成ライダーの中でもかなり上位だと言われており、本編のストーリー的にもかなり重要な位置付けだ。

ただし、劇場版方面には問題もあり、劇場版の一作目が平成ライダー10周年記念のディケイドと絡んでいること。
これはW側のストーリーが、超重要な第0話と呼べる内容になっているため、すっ飛ばすにはあまりに惜しい。
逆にディケイド側は完結編で最終話の後という初心者向きでない間の悪さなので、ディケイドは割り切って観るしかない。
ただし観ないとストーリー展開がわからなくなる類ではないと付け加えておく。

メリットとして大きいのはコミカライズ版の『風都探偵』で、マンガは他の媒体より手に取りやすく敷居が低い。
現在も連載中なので最新に追いついてもまだ先がある。
最新展開をリアルタイムで得られるのは、それだけファンとして作品を追い続けられるというこだ。
この継続性は他のライダー作品に手を出す大きな切欠にもなる。

『風都探偵』は本編終了後の物語だ。
しかし開始がWの放映からかなり後で、漫画版として新規顧客を得るため、本編未視聴でも楽しめるように描かれている
あえてコミカライズの一巻を読んで、自分に合うかどうか確かめてみるのも金銭リスクが低く済むためオススメの手段だ。

それにこの第0話は、後の漫画版でも改めて再構成されて描かれた。
こちらも素晴らしい完成度なので、漫画版を読むまで我慢という選択肢も一応ある。

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仮面ライダー電王

次点でオススメするなら、平成一期から根強い人気を誇る『仮面ライダー電王』だ。
そもそも、現在の平成ライダーにアニメっぽさを最初に持ち込んだのは電王である。

モモタロスを始め作品を盛り上げるイマジン達は、実際に多くの声優ファンを呼び込んだ。
彼らの良いところは数がいてそれぞれに個性豊かでありながら、マスコット的な要素も色濃く持っており群像劇化していないことだ。
キャラクターが増えて一人ひとりのドラマが生まれると、物語としての深みは増すが同時に複雑化してしまう。

モモタロス達イマジンは主人公である野上良太郎サイドに立ちながら、彼らが味方になっている理由は大部分がシンプルだ。
キャラの背景ではなく、アニメ的な個性付けによるキャラ付けで魅力を生み出している成功例と言えるだろう。
反面、相対的に敵キャラの影がやや薄い作品ではある。
敵はあくまで主人公サイドを引き立たせるために使われている印象が強い。

世界観については時の運行を守るために怪人達と戦う物語。所謂『時間移動系』の作品だ。
時間をテーマにした作品は設定面においてSF要素が強くなり、話の時間軸も複雑になるため難しい作品が多い。
(実際、同じく時間をコンセプトとして扱う仮面ライダージオウも序盤の複雑さで視聴者が少々混乱気味だった)

電王は時間移動に関する設定とストーリー展開がごくシンプルでわかりやすい。
平成ライダーでは基本となっている二話完結形式だが、ここにゲストを出してお悩み相談と解消の流れを、一つのテンプレート方式として完成させたのが電王だ。
常に何人も登場することが当たり前になっていたライダーの数を減らして、ストーリー性を簡潔にしたのも大きい。

先に説明した、敵キャラの薄さも実はここに帰結する。
敵に割くドラマを濃くすると、やはりこの分だけストーリーは複雑化するのだ。

例えばRPGの魔王は打倒する最終目標としてそこにいるだけで大きな意味がある。
魔王側のドラマ性を重視し過ぎて感情移入してしまうと、話がややこしくなって倒した時の達成感や爽快感も薄れる恐れがある。
そのため敵キャラの薄さは必ずしも欠点とは言いきれない。

また単純で稚拙な設定かというと全くそんなことはなく、わかりやすいストーリーの中に伏線はしっかり撒いていて、後々にしっかりとそれらを回収している。
最終的に『時間』をテーマに使った壮大なドラマが完成するという、むしろ高い物語性を持った作品だ。
イマジン達のキャラ性や、デンライナーと電王自身のデザイン性から、一見すると子供向け要素の強い作品として見られやすい要素はある。
しかし登場人物の描写は丁寧で、電王のシナリオは平成ライダーの中でも恐ろしくロジカルに作られていることを強調しておく。

一年間を通した壮大なドラマとしての完成度は、平成ライダーでもトップクラスだと思う。
けれど一話単位で見ると話のテンプレート感が強すぎて、中盤以降に一時期飽きや中だるみが生じている感があった。
この辺はテンプレート方式の生親であるゆえに、まだ洗練されきっていない部分がある。
(安定性よりチャレンジ精神が旺盛な平成一期ではよくあること)

毎週放送されていくものを受動的に観るのと、レンタルや動画サイトで四クール分のストーリーを駆け抜ける者では、この辺りは受け取り方が変わる。
後者は4クール作品は観終えるまでに、相応の時間とお金がかかるため、中だるみは視聴を止める大きな要因になりやすい。
特に初視聴の平成ライダーとなると、4クールをいかにストレスフリーで走り切るかは、次の作品に手を出すための大きな要因となる。

もう一つの欠点としては、劇場版や派生作品がやたら多いことだ。
ファン心理としては『派生がある=楽しめる要素が多い』とも言えるのでプラスの側面も大きく、Wではそこも評価している。

ただ電王は派生が本当にかなりの数に登るので、そこにかかるお金も増える。
TV本編は月額一定料金のサービスでも観れる場所は結構あるのだが、映画やVシネマは別料金になる場所は多い。
(映画やVシネマも一緒に観れる場所もあるのでタイミング次第ではあるが、全部とは行かないため、やはり本数が多すぎるのはネックになりやすい)

また派生作品は、電王をメインにしつつ他作品との絡みも結構大きい
中にはキバやディケイドなど、様々な要因で初心者にはオススメしにくい勢が結構混ざっていることも厄介だ。

しかしながら、ストーリー本編に絡む程重要な話は最初の劇場版一本だけと言えばそれだけとも言える。
劇場版で新たな広がりを見せまくった作品に言っていいかどうかはすごく微妙だが、最低限ここだけ押さえてしまうのもありかもしれない。

最後に、一本目に観る作品としてダブルと分ける場合、一番大きな要因は声優好きが否かに分かれるだろう。
モモタロスを始めとした人気声優の演技を楽しめる、という要素に大きな魅力を感じるのならば、最初の選択肢としてこれ以上の作品はない。
またストーリーの方向性から、Wの絞った世界観に食指が伸びにくく、壮大なストーリーが好きな人なら電王の方が向いている。

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仮面ライダーオーズ

選択肢を増やす意味も含めてもう一本オススメしておくと、『仮面ライダーオーズ』がこれまで挙げたオススメ要素の全てに合致している。
オーズは設定やストーリー両面においてアニメ要素的な面白さと作品としての安定感が高い。

主人公は一見すると無欲な人の良い青年『火野映司』。
そして彼の相棒的な存在なのがひたすら自身の欲望を追い求める怪人『アンク』。
ただしアンクは腕のみが復活していて、自身に戦う力はない。
人間と異形のバディものという意味ではマーベル映画の『ヴェノム』に近い感覚といえる。

火野映司はアニメじゃよくあるお人好し系主人公でありながら、意外と抜け目なく食えない性格でもある。
人間を利用するクレバーなアンクと絶妙なバランスを保ちながらストーリーは進行していく。
また両者の性格が重要な設定にもなっており、特徴的なキャラ付けがそのままストーリー性にも深く絡んで繋がる。
バディものとしても重厚で見応えのあるストーリー構成になっていた。

それもそのはずで、メインの脚本は電王と同じ『小林靖子』氏なのだ。
しかも平成ライダー二期の安定感も加わっているので、中だるみも電王に比べて確実に改善されている。

オーズのストーリーで特徴的なのは、全話通して大部分で変身アイテムの争奪戦を繰り広げていることだ。
こんなことしている作品は他でも数少ない。
っていうか設定的に他では難しいと言った方が正しいけど。

オーズは変身やフォームチェンジにメダルを使用する。
このメダルを組み合わせることで様々な能力を発揮して戦いに幅がでる。
敵である怪人達のグリードもこのメダルが力の源みたいな状態なので、彼らの戦いは同時にメダルの奪い合いだ。

ネタバレになるため詳細は伏せるものの、主人公の強化状態もこのメダルが大きく関わっている。
メダル争奪戦自体に重要度が戦力面にも大きく絡み、所持メダルの推移に視聴者は毎回ワクワクドキドキできる構成だ。

なお、オーズも客演含めると大体は劇場版だけど派生作品は結構多い。
ただしオーズメインの劇場版は四本中の三本がパラレルワールド的なストーリー展開だ。

唯一、本編完結後に出た作品のみ、純粋に最終回後の話になっている。
しかし、最終回がかなり綺麗に締められているため、これもこれで絶対視聴すべきかというと個人的にはそうでもない。
劇場版作品としての質は高いのでかなりオススメの一本ではあるが、オーズという世界観そのものを広げるという意味だと、重要性はそこまで高くないと言える。

例えばWだと、Vシネマや劇場版の重要イベントがコミカライズ版にも関わっているため、世界観の広まりは後続作品に繋がる。
(そこを深く追求しなくても楽しめる構成が風都探偵の良さでもあるのだが)
そもそもWの劇場版は本編の補完的な位置付け要素も強いので、知っている方が楽しめるのは間違いないわけだ。

対するオーズはすごい面白いのでできれば観てほしい後日談くらいの範疇に収まっている。
ストーリー的な強制力の薄さは、初心者にとって敷居の低さに繋がるので、この場合はむしろプラス要因になるだろう。

逆にオーズの欠点は、安定性が高すぎて逆に突き抜けている要素が他に比べて薄いこと。
Wと電王は、それぞれ『ここは微妙かもしれないけど、ここは超スゲーよ!』と推せる面が色々ある。

しかしオーズの持つ要素の大部分は、他の作品にもあるものが多い。
バディものの要素もそうだし、メダル争奪戦も比較的近いことは他作品でもあるにはあるのだ。

オーズはかなり独特なメインテーマの扱い方と強いメッセージ性を持っている作品でもある。
だけど平成ライダーは皆それぞれに独自の世界観と強いテーマ性を有しているため、オーズだけのオンリーワンは叫びにくい。
色々な要素をまとめた末の、最終的な完成度と安定感の高さがオーズの魅力だ。

オーズはある意味最終回が一番突き抜けている。
平成ライダーで最も良い最終回を一本だけ挙げるなら、私は迷わずオーズを選ぶくらいだ。
ただ一番ラストを観るためだけに4クール駆け抜けろは、言われている側からすると結構厳しい。

そのためあえてオーズを選ぶオススメ理由としてはTV本編だけで完結できる手軽さと、その本編が高い安定性を持つ作品であるということ。
他作品では必須要素の強い劇場版すらオーズには絶対性がなく、本編だけ観て気に入れば他の作品に手を出してOKと言えるので、初心者にはとっつきやすい。

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