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【仮面ライダージオウ】14話感想 ディケイドの破壊っぷりが楽しくて仕方ない

2018年12月10日

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仮面ライダージオウ 14話『GO!GO!ゴースト2015』

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

ゴースト編の後編でしたが、前回よりもさらにディケイドが大暴れでした。
なんだかもうディケイド編すら通り越して続編じゃないかと疑うレベル。

しかしながらタケルの出番もかなりあって、こっちはこっちでしっかりと存在感がありましたね。
マコトと共に変身もあってレジェンドとしての戦闘があったのは嬉しい限り。
ゴースト編としても良くも悪くもゴーストらしさがしっかり出ていたのではないかと。

今週はジオウが追求したゴーストらしさとは何だったのか?
そしてディケイドが破壊していった設定達についてをメインに、感想と考察をまとめていこうと思います。

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命の扱い方とゴーストらしさ

ゴーストといえば……というよりタケルといえば死ぬ死ぬ詐欺がお家芸である。
私の中ではもうブレイドの「ウェーイ!」に扱いが近い。
(正直元は褒められたものではないけどネタとして安定してしまったという意味で)

しかしタケルの死亡展開はディケイドによって破壊されてしまった。
よって今回のタケルは体から魂が抜け落ちたソウゴの補助である。

魂だけになったソウゴが見える理由は、修行したから……ではなくてゴーストウォッチだった。
元々眼魔が見えるようになったのも眼魂に触れたことが理由だったので、同質の力による作用なのだろう。
本来眼魔は魂云々ではなく、眼魂システムできたアバターが不可視なのだけど、そこはそれアナザーゴーストによる力の影響が強そうだ。

そしてソウゴ自身のお家芸は人を使うことである。
ウィザード編の立ち回りや鎧武編のゲイツを筆頭に、他者のコントロールが上手いソウゴ。
今回はなんと先輩ライダーを使い倒すぞ!

http://kamen-rider.info/zio-12/

そして死者であるお兄さんの救助方法は、そもそも死ぬ未来を変えてしまうことだった。
前回しこたま怒られたばかりだが、特に反省もなく歴史を改変してしまうソウゴ。

言うまでもなく人の生死が一つ変われば、生まれるはずだった人間が生まれなくなる可能性がある。その逆も然り。
特に今回の被害者は事故死であり怪人が関わっているわけでもない。
本来死すべき人間を生かして歴史を変えたという意味で、これはソウゴやタケルのエゴと言える。
デンライナーなら確実にご法度の行為だ。

アナザービルドの時は色々事情や自分にできることが定まっていなかったので、案外スッパリ倒してしまったが、今は逆に歴史改変の味をしめてしまったような感じだ。
電王編が個別にあれば、時間改変のリスクと歴史を守ることの意義を学べたかもしれないが、残念ながら劇場版でWやクウガとまとめてっぽいのでそこまで深い話は期待薄ではある。

ゴースト本来のテーマは『命を繋ぐこと』だ。
警察官の兄は自分の正義を貫いて精一杯生き、妹を助けるために死んでしまった。
命の尊さを説くなら、アラン様が父やフミ婆から生き方を学び繋いだように、妹が兄の命と意思を引き継いで欲しかったなあと思ってしまう。

とはいえ、この展開のおかげでタケルとマコトのW変身とレジェンドライダーの活躍が見れたのも事実なので、気持ち的には結構複雑だ。
マコト兄ちゃんがえらく唐突に出てきたけど、あれは歴史改変で消えていたのが復活したとかそういうのだろうか?
別の形で存在していたかもしれないが、ガンマ世界がないと産まれない存在なので、改変の影響で消えていたとしても不自然さはない。

直接時間旅行をした影響なのか、タケルの記憶は暫く残ったままだった。
ソウゴのお腹へったについて、やたらと力強く言及しているので、少なくともこのタイミングまでは仮面ライダーゴーストの記憶が残っていた可能性が高い。
歴史改変についてはどうも一定ではなくタイムラグが存在するので、どうにも設定がふわふわしている感じはある。
今回は特にタケル自身がタイムトラベルしているため、改変に時間がかかったのだろうか?

そしてもう一件大事なのは、アカリと不知火の登場だ。
眼魂の事件や欠片もなしに作り出していて、一発でタケルが視認可能になる。
懐かしさはあるが説明不足が目立つご都合主義の雑さは悪い意味でゴーストらしいと思ってしまう。

ソウゴが霊体化している問題も、食事の必要性だけで片付けてしまうのも勿体無くて、この話の切り出し方の微妙さもゴーストを引き継いでいるなと思う。
同時にタケルの人懐っこさも端々から感じられて、タケルの成長とタケルらしさを両立できているのは本当に見ていて嬉しくなる。
そういう意味で良くも悪くもゴーストらしいと感じるストーリー構成だった。

今回はゴースト編もやりつつディケイドの出番も多く、非常に情報量の多い話だった。
単純にジオウ最初の1~2話のように情報過多による粗が目立ったという見方もできるので、あまりゴーストのせいばかりにするのもよろしくないかなとは思う。

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通りすがりの仮面ライダーが破壊したもの

ディケイドの最も恐ろしいところは大体のことがディケイドだからで許されることである。
過去の時間を『過去の世界か』と口走った時点で「まさか……」と思ったが、ウールがタイムマジーンで時間移動させようとしたら、いつものオーロラっぽい壁で軽々と移動してしまった。
今回の出番早々にジオウの時間移動概念を破壊してくるスタンス。

なお、補足しておくとディケイドが次元の壁を使って時間移動するのは後付設定ではない。
電王とディケイドのクロスオーバー作『NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』でも、いつもの空間移動で過去の時間に登場している場面がある。

そしてゲイツのゴーストアーマーを、ゴーストへのカメンライドとアナザーゴーストのタッグで圧倒する。
視聴者的には確かに『粋な計らい』だがゲイツにとっては悪夢でしかない。

しかも戦い方が『サプライズ・フューチャー』でのゴースト最初期を思い出させる戦闘法だ。
なおTV放送でめちゃくちゃ普通になったのは子供が怖がるとクレームがきたためだった。
主人公じゃないから許される的な扱いだろうか。
個人的には本当の意味でゴーストらしい戦い方はすごく好きだったので嬉しい演出だった。

そういえばしれっとゴーストのガンガンセイバー使っているが、できればアタックライドしてほしかった。
ただ予算や尺の問題もあるのでこれは致し方ないと思う。

前回はアギトのグランドフォームでフレイムセイバーを振り回していたことも踏まえると、ネオディケイドライバーへの進化で武器の呼び出しにアタックライドが必要なくなくなったのかもしれない。
つまりこれで激情態になろうものなら一切のカードなしでアタックライド使い放題ということに。
なんだかもうジオウがたとえ最終フォームになろうと負ける気がしない。

元々ゲイツを圧倒できる戦闘力だったのに、まさかのアナザーゴーストとのダブルライダーキックまで使ってみせた。
ディエンドの『クロスアタック』のカードでも使ったのかと……。

そしてゲイツのゴーストウォッチをブランクに戻すというガチの破壊者っぷり。
思わずゲイツも幼稚園児のフリしてウォッチ返してと抗議した程だ。
ただでさえジオウに負けていてライドウォッチの数も少ないのにエグいことをする。

けれど優しい士は、ゲイツに頑張ったで賞的に代わりのディケイドウォッチをあげた。
平成二期でこんな雑に強化アイテムを渡し方したのはディケイドくらいなものだよ!
(平成一期では雑な渡し方はちょくちょくあったのでリスペクトと言えなくもない)

たった一回戦闘するだけでこんなにも見どころがあるなんて、伊達にベルト新調していない優遇っぷりだ。
ディケイド好きには士のフリーダムさを見れただけで今回は満足できてしまえる。
ウォズにまでメタツッコミして継承すら破壊してしまった。鍛える関係ない方の鬼か。

締めはジオウの世界を破壊宣言だ。
鳴滝さんがいたらおのれディケイド案件なので、今回はいないのが悔やまれる。

士は次回以降も登場確定しており、存在感がありすぎて準レギュラーかと思ってしまう。
けれどあくまで客演の立ち位置なので、そこまで長く居座らないだろうと予想している。

ディケイドがいるだけで、これまでジオウに薄かった『お祭りモノ』感が理想的な形で補強されている
それ自体は良いことだが、そればかりに頼ってしまうと『ディケイド』の続編という扱いが強くなり、これまで築いて行きた『ジオウ』という作品の独自性が薄れてしまう心配もある。

個人的には16話で役割を終え一旦退場して、またディケイド編で再登場して成長したソウゴと決着を付けてほしい。
その時はウォズと鳴滝が並び立つ展開を所望する。激しく所望したい!
(ちゃんとディケイド編もやってもらいたい最大の理由)

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ディケイドアーマーによる中間フォーム登場

ディケイドウォッチをソウゴに無条件で渡したのを見て、まーたすぐゲイツはソウゴにウォッチあげちゃうんだから。
と思ったが、ゲイツはディケイドウォッチの形状から、もう一つウォッチを付けられるのかもしれないと判断したのかもしれない。
だとしたら、ゴーストウォッチを手にしているソウゴを強化するのが最善といるため、今回のゲイツはナイス判断だ。

そして、上記の流れになると見越してゲイツのゴーストウォッチを破壊したのなら、士の起こした一連の行動も意図が理解できる
ウールが見ていたら裏切り者扱いまっしぐらなので、一人で時空渡ったのも納得。
未来予知さながらのすごい策士と立ち回りだ。

何度見てもディケイドアーマーは体のバランスがロボ感あるなあと思う。
ただし個人的にはこれまでのアーマータイムで一番好きなデザインだ。
顔の切り替えギミックについて完全にガンバライダーなのは多分意図してなのだろう。

ディケイドを間に置くことでライドウォッチのアーマーが進化するという設定は面白い。
ただデザインにディケイドも残るので、慣れないと少しばかりややこしいデザインのアーマーだ。

ビルドの強化形態は二段階目のスパークリングだが、ゴーストは三段階目のグレイトフル魂だった。
中間の内容は作品ごとに変わるようだ。
個人的にハザード大好きだけど、カラーリングを考えるとスパークリングの方が華々しくて合っているのは納得できる。
ラビットラビットやタンクタンクだと、もうゴッチャリしすぎて別の意味でヤベーイって予感がする。

ギミックとしては面白いが、見ていてあまり中間フォームごとの差異が感じられなかった。
というかヘイセイバーの存在感があまりに強くて持っていかれた感がすごくある。

『ヘイ! セイ!』『ヘヘヘイ! セイ!』のノリは嫌いじゃないが、変身ベルトよりはるかに騒がしい武器は初めてじゃないだろうか。
シンゴウアックス並かそれ以上の圧倒的な存在感だ。
なんかデジャヴュあると思って考えてみたら、鎧武のガチドキアームズ処刑用BGM『エイエイ! オー!』の掛け声を思い出した。

しかもこれ、ライドウォッチの二段変形よりわかりやすく簡単に、ライダー単位の差分演出ができている。
ディケイドのアーマーはネタやギミックは大変面白いので、もうちょっと二段変身に個性をください!

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ウォズの目的とオーマジオウとの接触

前回の考察でも書いたが、ウォズがディケイドを連れてきたのは、あくまで歴史の修正が目的だ。
ゆえに士がディケイドウォッチをジオウに流れるよう画策しても、喜び継承の語りはすれど非難は一切ない。

http://kamen-rider.info/zio-13/

ソウゴは初期に比べると歴史を改変することに罪悪感や危機感が薄くなっている。
最悪の魔王誕生を防ぐ大義名分の範疇を超えていると私は思う。

しかしウォズにとって大事なのはオウマジオウに辿り着く未来へと導くことだ、小さな改変ならばそれは些事に過ぎない。
そしてディケイドを呼び寄せたのはオウマジオウ化へと導く大きな分岐へ歴史を切り替えるためだった。
ディケイドを喚んだ真の理由は、ディケイド本人よりもそれによって発生する大きな流れが必要だったから。

つまり門矢士の存在は、分岐点を作るためのフラグ立て要因ということだ。
やはりディケイドの到来はストーリーを第二章へと移す最初の切欠だった。

これまで未来を知らないソウゴは王になりたいという純粋な夢を叶えるための手段として、最高最善の魔王を目指していた。
ツクヨミとゲイツによって未来は把握していても、それはどこか遠い世界の話でしかなく実感は伴わなかっただろう。

まず間違いなくウォズの望んだ大きな流れは次回の展開だろうが、ソウゴがオウマジオウを見ても反発心しか生まないだろう。
オウマジオウの存在が客観から主観に変わった時、ソウゴの人間性がどう揺り動くのか、そしてウォズはそこからソウゴをどのようにして正しき歴史の魔王へと導くのか。
次回からはそこも強く意識して楽しんでいきたい。

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