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スーパーヒーロー戦記 記念作品だから描けるメタフィクション【考察・感想】

2021年7月27日

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仮面ライダーリバイスは50周年と●●オマージュ

ネタバレなし感想で『情報量の暴力』と語ったが、その原因の多くが次回作リバイスに対して向けられているのは、視聴したファンなら嫌でも察せられるだろう。
構成としては前回の冬映画でセイバーとゼロワンの順番を入れ替えたようなものではあるけど、まさか本編終了後に新作ライダーの短編映画やるとか思うわけないだろ!!

スーパーヒーロー戦記 記念作品だから描けるメタフィクション【考察・感想】
出典:仮面ライダーリバイス

あえて先にエンディング後にオマケがあるよと言っておいて、オマケの規模じゃないものぶっ込んでくるこのやり口。汚い。流石東映汚い。
何気に恐ろしいのは、スーパーヒーロー戦記の内容が濃すぎて、そんなに時間的な尺が余っていると全く気付かなかった。

ただその分、介人とジュラン、飛羽真と倫太郎のメンバーは他の物語世界に飛ばされて以降、最終決戦までサッパリ出番がない。
特にゼンカイジャーは途中まで一緒に世界移動させられているので、ホント何処に行ってたの状態である。
どうしてもリバイス短編を優先して、尺の関係で削られた感が否めない。

リバイスについては、様々な面で仮面ライダー生誕50周年をめちゃくちゃ意識していた。
50周年記念ロゴは、仮面ライダー達の目が繋がり並んでいるが、新たなにリバイスの目が中心に据えられたバージョンが登場。
また、リバイスの目が特徴的なので、変化のインパクトもかなりある。

リバイスそのものに対しても同様だった。
平成ライダー二期以後のライダーは、名前やベルトの中にこっそり数字が仕込まれている。
例えばダブルはそのまま『W』=平成ライダー二期の二番目。オーズはメダル三枚。フォーゼは名前やアストロスイッチが四つ。
鎧武はロックシードという名前や、解錠している状態だと数字の『6』のように見える等などだ。

リバイスは、もうあまりに堂々とベルトに50という数字が見える。隠す気更々ないぞこいつ!
また、途中のフォームチェンジがめっちゃディケイドっぽい。なんだったらライダーのカラーも記念系、ディケイド・ジオウで使われているピンク系統だ。

クウガ以後のアニバーサリーではないので物語にメタ要素はないが、小物や設定で50周年を強く意識しているのは間違いない。

リバイスが単品でゼンカイジャーに匹敵するぐらいとんでもなく濃かった。
仮面ライダーバイスの方が、お前絶対元ネタか演技プランの中にデッドプール入ってんだろとしか思えない。

これについては単純なイメージ的な決めつけというのもまぁあるけれど、デッドプール的な『悪辣さ』は意図して入れ込んでいるだろう。
というのも、仮面ライダーは毎年恒例になっていく中で同じようなものを連続しないという意識がある。

すごくわかりやすい例だと、ゼロワンがガチガチのSF作品だったので、その揺り戻しでセイバーは純正のファンタジーとなった。
同じく、ひたすら元気で破天荒なフォーゼの後は、作品構成をシンプルな昔へ戻しら手堅いウィザード。更にその次は、二話前後編を捨てて新しい構成に挑戦した鎧武……と言った具合だ。

セイバーは人の純真さや善性に根ざしており、純粋な人間の悪意みたいなものはあまりない。特に主役の飛羽真は恐ろしく純粋かつ純朴な人間性だ。
逆に悪いモノはマスターロゴスのようにかなりテンプレ的で感情移入し難い。
飛羽真を中心に、物語の中に『人間のドロドロしたもの』が含まれていない。それは欲望や必要悪みたいな、それなしじゃ人間は生きていけない要素。
比較的最近だとゼロワンのGペン回みたいなもの。

バイスや、今回の怪人を生み出した人間はそういうドロドロしたものを面白おかしく描いている。
契約のため敵を倒しているけど、愉しさ優先で周囲の被害を考えない。人間に対する同情心や感情移入をせず刹那的な快楽を求める悪党。
バイスは仮面ライダーオーズでいうところのアンクのような存在だ。
対して真逆の一本気な男を主役に据えての対比はバディモノのお約束。

設定も悪魔となっていることから、フィリップを連想する人もかなり多い。
バディものであることは確定しているが、二人で一人の仮面ライダーではなく二人で一つの名前を共有していることだ。

仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイス。二人合わせてタイトルの『仮面ライダーリバイス』となる。
これは一つの作品に主役級ライダーが二人。そのどちらもが作品タイトル名に収まっている。これはそのまま仮面ライダー1号と2号の関係にあたる。

また、短編映画の中で気になったのは、雑魚戦闘員の多さと戦闘の長さだった。
クウガ以後でも雑魚戦闘員が出てくることはあり、これは短編映画のためかもしれないが、雑魚戦闘員をここまで時間かけて大量に倒す作品はあまり類がない。
この流れはむしろ昭和ライダーのスタンダードに思える。

ここは平成ライダー以後ではなく純粋に50周年を意識して、『初代仮面ライダー』のオマージュとして入れ込んでいるのではないだろうか。

作品単体として掘り下げるなら、今回は『悪魔の契約』と『ハンコ』がモチーフになっている。
もちろん恐竜もモチーフではあり、組織の名前がフェニックスなので、プトティラコンボの紫メダルのように幻創種を意識しているかもしれない。これも色はパープルでちょっと近い。

変身も今回はかなり斬新で、編集中にSNSみたいなので会話している。
セイバーでは毎回変身のCG入れるのが大変なのでバンク作ったのだ。一年でやることが逆行してんじゃねーか!
そういう経緯から考えても、この演出スッゲー面倒くさいのでTVだと途中から端折られるか同じ会話になると見た。

とはいえ毎回違う変身演出と変身中に返信するというギャグセンスの合わせ技は、リバイスの明るくお巫山戯する作品の空気とベストマッチだ。

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【次ページ:章太郎と飛羽真がいた空間の正体は有名な●●●●】

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