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転売屋の内情を暴露してみる 実はあまり稼げないからオタクビジネスまで

2020年3月8日

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オタクの転売ヤーは多いという悲しい現実

京都ヨドバシカメラでは昔から、人気で入荷数の少ない高級ホビーは転売ヤーが群がりやすい。
その対策として、商品名を言えずスマホなどでも画像指定できない人に予約をさせないという対処を実施した。
これは中国人の転売ヤー対策として実際に一定の効果を上げた。大変ありがたいショップ側の努力の成果である。
この時の商品はエヴァ2号機のフィギュアだった。

ちなみに転売ヤーのよくある言い訳『早めに多く買うのでメーカーは助かる』というのは間違いだ。
今回のニュースで出たような大人向けの高級ホビーは一度に作れる生産数に限りがある。

しかも生産側が需要ありとして供給を上げると、それだけ転売ヤーは利益が減り、旨みがないとして手を引き出す。
そうしたら純粋な客は喜ぶかもしれないが、今度は在庫が余ってしまう。
こういうことされると、生産側はむしろ正確な必要数の把握が困難になって結果的に数を出しにくい。
転売ヤーが絡むせいで売る方も買う方も困るのだ。

Twitterでは一時期、この対策案に乗っかって『予約したい製品のストーリーや主人公の名前などを言えない者は、予約できないようにしよう』みたいな話がでていた。
(途中からネタや大喜利状態だったけど)
転売ヤーはお金目当てなので自分の売る商品に興味がないという前提で、より精度上げて原作の情報すらわからない層をふるいにかける考え方だ。
ただし、これはこれで欠陥がある。

いやまあ、この手の情報ならば検索すればいくらでもカンペは用意できるとかそういうのもあるけれど、もっと根本的な部分だ。
そもそも商品知識のあるオタクの転売ヤーなら普通に解答する。知らない作品でもジャンルが近いなら他より習得は容易だ。
具体的な割合まではわからないが、理論的に考えてオタク転売ヤーはかなり多いのだ。

なんせオタク玩具をメインにした転売セミナーとかもあり、実際私も行ってみた。
ええもうほとんどがガチオタの集まり。解説を聞いていても多種多様なアニメネタが出てきて、普通に一番楽しいセミナーだったともさ。
オタク向け商品を扱った転売セミナー開いたらオタクばっかになるぐらいには、オタクの転売ヤーは多い。

アニメやマンガのグッズに囲まれて仕事がしたいと思っている人が玩具屋を開いたとして、そこには何の疑問もない。
同じように、副業するのなら自分の趣味と被るものがいいとオタクグッズの転売に行き当たる。
趣味ジャンルを取り扱う方がモチベーションも保ちやすく、目利きだって知らないジャンルよりはずっと飲み込みも早い。
他人に迷惑をかけることを容認する部分以外は、間違った考え方ではない。

しかもオタクグッズなどの嗜好品はプレミア価格が付いて、売れる商品が多い市場でもある。
オタク街における中古ショップの多さからもこれは明らか。オタク転売ヤーが量産される土壌は十分に整っているのだ。

ちなみにオタク転売ヤーはオタク以外に商品を仕入れられたり、転売市場を荒らされたりするのを嫌う。
これも懇親会での話を聞いたことだけど、自分達アニメ好き転売ヤーのためにある市場だと選民思想を抱いている者もいた。と言うかその場にいた人達は割と賛同していた。
お酒が入っているのと、基本転売に対して好意的な空間のため皆本音をポロポロ話してくれる。そういう意味でも懇親会は便利である。

ある種の連帯感も手伝って、趣味が合うジャンルだと仲間を作りやすい。
徒党を組んで情報を共有して、商品を一気に掻っさらう方法も聞いた。
プレ値の付いた商品が再販されてる情報を得たら、メンバーで集まって平積みされているものを買い占めてしまう。

単価の高いレア物商品なら一人で狙う。
色々聞いた中の一人は、よく仕入先にしている中古ショップの店員と談笑して仲良くなっている。

趣味ジャンルだと元々詳しいから努力しなくても普通に話が合う。
オタク転売ヤーほど普通の購入客と見分けが付きにくい者はない。

店員からすればよく買いに来てくれる純粋な常連客のコレクターなので、新たに入荷した商品の情報なども積極的に教えてくれるそうだ。
見事なまでに善意が悪意に利用されている。これは酷い。

他にも色々真っ黒な仕入れ方法などの情報は聞いているのだけど、中には人の迷惑さえ顧みなければ誰でも簡単に実践可能なものもある。
今回の趣旨はそういうではないため、これ以上は伏せておく。

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