※ 本記事は移転前の『オタク転売屋の内情をリークしてみる』を大幅に加筆修正したものです。

どうも、ゲタライド(@ridertwsibu)です。

いつでも嫌な方向にホットな話題ばかりの転売屋話。
特に近年は新型コロナウィルスに便乗したマスク転売。チケット転売規制に逮捕者や、以前もヨドバシカメラの転売規制に関するいざこざなど規制ネタが熱い。
むしろ私が注目している中で、これ程冷めて平和になって欲しいジャンルは他にないんですけどね。フィギュアーツの予約戦争は毎回心が病みそうになります……。

私はニート時代、ブラック企業と己の現実にガチで絶望して、ネットビジネスに手を出していた時期がありました。
そうです。あの与沢翼や高額塾などの詐欺で有名な、現在でも普通によく見かけるネットの闇代表例みたいな扱いを受けている、あのネットビジネスです。

実際に20万円する高額塾にも入って、後にそれが家族バレしてあらやだこのクソニートカモられてると家族会議起こされたこともありました。
その頃にはもうネットビジネスについて理解できていたので、ノープランで入塾したわけでもなく収支で言えばプラスだったのですけど、それはまたの機会にお話しましょう。
(受講した内容も、単純に情報を売るだけのネズミ講みたいな内容ではございません。念のため)

で、そうした世界に浸かり込んでいた時期には、転売に関するセミナーもいくつか行きました。
ちなみに高額塾を売り込む前段階として、この手の無料セミナーを開くのは彼らの常套手段です。
こちらとしてはマジで知識がない時期は、無料の基礎セミナーだけでも結構勉強になります。
ちゃんとしたものを学べると思わせないと、誰もバックエンドの高額塾に入らず、そもそもセミナーやる意味ないですからね。

そして大抵のセミナーでは受講者同士で繋がりを持つことが推奨されます。
これはネットビジネスに限ったことではないのですが、情報共有できる仲間はとても重要です。
そういうわけで個人間で作ったコネクションからも情報を引き出していき、割とガチかつシビアな転売屋の裏側を覗き込んでいました。
今回はそうして得た知識を共有してみようと思った次第です。

そもそもまともな転売屋なんているの?

まず誤解されないよう言っておくと、私は全ての転売屋を批判しようとは思っていない。
極論、転売を全て許さないならブックオフなど全ての中古販売が駄目になる。
まあネットが成熟する以前は、ブックオフでの中古販売も出版業界を中心にボロカス叩いていたけど。

けれど『悪質な転売屋』(以下当記事では悪質な方のみ転売ヤーと呼ぶ)は、廃業するまで一人残らず事あるごとに机やタンスに足の小指をぶつけ続ける呪いにかかればいいと思う。
それくらい大嫌いだ。だって実害酷いんだもの。

私が情報仕入れ先だった転売屋の一人は、主にフリマ(当然ながらネットではなくリアル)で仕入れたパンプスを出品している。
フリマでパンプスを売る人の多くは、もう使わなくなったものを、そのまま捨てるのは勿体ないから少しでもお金に変えたいって人だろう。
この手のファッション品は、買ったはいいがほとんど履いてないまま処分もあるらしい。

フリマで比較的状態の良いものを仕入れて丁寧に清掃して売る。安く仕入れて高く売るのは商売において基本中の基本だ。
ただこの方法だと自分の行ける範囲でフリマの開催日時や場所を抑えて足げに通って見て回らなければならない。
言葉以上にかなり手間暇かかる作業だ。

話を聞くと清掃作業や写真撮影にはすごい拘りがあり、購入者とのやり取りや梱包もすごく丁寧。
転売屋にとって取引評価は命であり、ここに手間を惜しむ人は絶対に稼げないとのことだった。

この辺りの力説っぷりも、私が転売に手を出さなかった理由の一つだ。
この場合清掃は商品をより良くする付加価値の一つで、写真も写り方一つで見栄えが大きく変わるのは言うまでもない。

梱包についても、私もちょくちょく利用しているメルカリでは、未開封品のフィギュアに緩衝材のエアパッキンすら使わず発送する人はザラにいる。
これが転売目的じゃない人だとしても、買う側すれば評価は転売屋以下だ。
転売とは客商売なので丁寧過ぎるくらいで丁度良い。雑な転売屋が生き残れる程甘くはないのだ。

またネットでよく言われるような転売屋のメリットは事実もある。
例えば東京の限定イベントで二千円グッズがあるとしよう。
それが転売屋によって四千円で売られているのを見つけた場合、貴方はどう思うだろうか?

「二倍も吹っかけてるよ。だから転売屋は嫌い」

もしただ安直こう考えたのなら、それは都内に住んでいてイベント品を買うのに困ることがそんなにない人。もしくはその商品に対して、さして興味のない人の視点でしか考えていない。

例えば、イベント会場まで一万円以上する切符を買う必要のある人ならどうか。
場合によっては宿泊が必要なケースもあるだろう。
それが二千円で済むと考えれば、一概に高いとは言い切れない。

転売屋視点だと、むしろ不利な想定がいくつも起こる。
まず根本的に二千円が丸々利益になるわけではない。
移動費、出品手数料、販売手数料、税金や梱包材などの諸経費。場合によってはイベント参加費用もかかっている。

イベント限定グッズだと売る側も全員に行き渡るよう一人あたりの購入数を制限していることも珍しくはない。
言うまでもないがイベント限定品を山程買うのはそれだけでマナー違反だ。販売数制限は厳しい程一商品あたりのコストが増えるので、転売屋対策として購入数制限は有用である。

要するに諸経費全てを純益から差し引いて、かかった時間で割る。そこまでやって初めて割のいい仕事かどうかが判断できるだろう。
例えば二千円が丸々純益でも全行程で四時間かけていれば、時給はたったの五百円だ。これなら普通にバイトした方が効率は良い。
一見するとふっかけているように見えて、実はかなり良心的な価格だったなんてことすらある。

他にも古書店やフリマにコッソリ眠る稀覯本を回収して市場価格でネットに放流するのなら、その商品を探していたコレクターの手に届く。
これは大量の商品からレア物を掘り当てる目利きの技術が必要で、誰にでもできることはではない。
しかも回収されなければ、最悪希少な作品が誰の目にも留まらず処分されていく。

私が最近欲しい本も在庫がなくて、Amazonだと七千円オーバーでエグい値段になっている。もっと放流してくれていいのよ。

ここまで読んで中には「転売屋って思ったより面倒くさいな」と思った人もいるかもしれない。
そう、真っ当な転売は面倒くさいのだ。

そしてこれらのケースならば、転売屋は買いたくても買えない人達に役立っている。
けれど面倒を嫌い、技術も磨かず楽な方法に逃げようとする者も出てくる。

利益を上げるため徒党を組んで限定グッズを買い占める。値段設定を極端に釣り上げる。等など人の役に立つという前提を捨て去った行為を選択するのが転売ヤー達なわけだ。

「定価で売れ」は転売屋への援護射撃になる可能性

過去にTwitterで見かけたのだけど、様々な言い訳を盾にする転売ヤーにじゃあ何故定価で売らないのと蹴りを入れるイラストがある。
『定価で売れ』は転売屋に対するカウンターとして、よく使われる言葉だ。

過去にセミナーの懇親会で転売で食べている人に実際に『定価で売れ』と言われることに対してどう思うか対策などを聞いてみた。
そこでの返答は「じゃあ買わなきゃ良いだけだよね(笑)」だった。
残念ながら腹立つとかそういう感じではなく、嘲笑するようなニュアンスである。

残念ながら転売ヤーを嫌って『定価で売れ』や『不買運動』は実のところ大した効果がない

正確には全く意味がないわけでもないのだ。例えば転売ヤーに買い占められた限定グッズの再販が決定した等の情報をTwitterに流せば、再販を待つ人が出るだろう。
そういう対策としての意味は確かにある。決して転売ヤーを止める努力をする人達を否定したいわけではない。

けれど、この手の情報を拾えるのはTwitterで情報収集をしている人だけ。
そもそもTwitterなどのSNSで自分から積極的に情報を取り込むのは情報リテラシーの強い人達である。

新型コロナの影響で、トイレットペーパーが無くなるというデマが流れて、それを信じた人達と転売ヤーによって現実に売り切れ騒ぎが起きた。
それでもSNSを活用している人達は、デマを真に受けたという理由ではトイレットペーパーを買わないだろう。

『買い物=Amazon』でただ検索して欲しい商品を購入するだけの人や、使ってもせいぜいがGoogle検索で上位の情報だけで決める人。
いくらSNSで呼びかけても、こういった人達に「転売ヤーから買わないで!」の言葉は届かない。
転売ヤーのターゲットは情報リテラシーの低い層なのである。

ポッと出てすぐ消えていく者も多い業界だけど、長く生き残っている転売ヤーは決して馬鹿ではない。
情報リテラシーの強い者が転売品に手を出す可能性が低いことは最初から承知の上で売っている。
なので情報リテラシーの強い人達の集まるところでの呼びかけは、実質あまりダメージにならない。

むしろ転売ヤーにとっては『嫌なら買わなければいい』や『買いたい人だけ買えばいい』という自己を正当化する理由になってしまう。
元々転売というシステム自体は合法のため、上記の二つは理屈の上では正論である。
チケット転売など明確に禁止されているものは別にして、ルールの上で成り立つシステムを否定するのは非常に難しい。

誰も転売ヤーから買わないは確かに理想だけれど、誰かは買うから転売ヤーは今も成立しているのだ。
あの手のイラストは現実的に『見た人が一瞬スカっとできる』以上の意味は持たない。とても残念ながら。

オタクの転売ヤーは多いという悲しい現実

京都ヨドバシカメラでは昔から、人気で入荷数の少ない高級ホビーは転売ヤーが群がりやすい。
その対策として、商品名を言えずスマホなどでも画像指定できない人に予約をさせないという対処を実施した。
これは中国人の転売ヤー対策として実際に一定の効果を上げた。大変ありがたいショップ側も努力の成果である。
この時の商品はエヴァ2号機のフィギュアだった。

ちなみに転売ヤーのよくある言い訳『早めに多く買うのでメーカーは助かる』というのは間違いだ。
今回のニュースで出たような大人向けの高級ホビーは一度に作れる生産数に限りがある。

しかも生産側が需要ありとして供給を上げると、それだけ転売ヤーは利益が減り、旨みがないとして手を引き出す。
そうしたら純粋な客は喜ぶかもしれないが、今度は在庫が余ってしまう。
こういうことされると、生産側はむしろ正確な必要数の把握が困難になって結果的に数を出しにくい。
転売ヤーが絡むせいで売る方も買う方も困るのだ。

Twitterでは一時期、この対策案に乗っかって『予約したい製品のストーリーや主人公の名前などを言えない者は、予約できないようにしよう』みたいな話がでていた。
(途中からネタや大喜利状態だったけど)
転売ヤーはお金目当てなので自分の売る商品に興味がないという前提で、より精度上げて原作の情報すらわからない層をふるいにかける考え方だ。
ただし、これはこれで欠陥がある。

いやまあ、この手の情報ならば検索すればいくらでもカンペは用意できるとかそういうのもあるけれど、もっと根本的な部分だ。
そもそも商品知識のあるオタクの転売ヤーなら普通に解答する。知らない作品でもジャンルが近いなら他より習得は容易だ。
具体的な割合まではわからないが、理論的に考えてオタク転売ヤーはかなり多いのだ。

なんせオタク玩具をメインにした転売セミナーとかもあり、実際私も行ってみた。
ええもうほとんどがガチオタの集まり。解説を聞いていても多種多様なアニメネタが出てきて、普通に一番楽しいセミナーだったともさ。
オタク向け商品を扱った転売セミナー開いたらオタクばっかになるぐらいには、オタクの転売ヤーは多い。

アニメやマンガのグッズに囲まれて仕事がしたいと思っている人が玩具屋を開いたとして、そこには何の疑問もない。
同じように、副業するのなら自分の趣味と被るものがいいとオタクグッズの転売に行き当たるのは自然な思考だ。
趣味ジャンルを取り扱う方がモチベーションも保ちやすく、目利きだって知らないジャンルよりはずっと飲み込みが早くなる。選択としては間違った考え方ではない。

しかもオタクグッズなどの嗜好品はプレミア価格が付いて、売れる商品が多い市場でもある。
オタク街における中古ショップの多さからもこれは明らか。オタク転売ヤーが量産される土壌は十分に整っているのだ。

ちなみにオタク転売ヤーはオタク以外に商品を仕入れられたり、転売市場を荒らされたりするのを嫌う。
これも懇親会での話を聞いたことだけど、自分達アニメ好き転売ヤーのためにある市場だと選民思想を抱いている者もいた。と言うかその場にいた人達は割と賛同していた。
お酒が入っているのと、基本転売に対して好意的な空間のため皆本音をポロポロ話してくれる。そういう意味でも懇親会は便利である。

ある種の連帯感も手伝って、趣味が合うジャンルだと仲間を作りやすい。
徒党を組んで情報を共有して、商品を一気に掻っさらう方法も聞いた。
プレ値の付いた商品が再販されてる情報を得たら、メンバーで集まって平積みされているものを買い占めてしまう。

単価の高いレア物商品なら一人で狙う。
色々聞いた中の一人は、よく仕入先にしている中古ショップの店員と談笑して仲良くなっている。

趣味ジャンルだと元々詳しいから努力しなくても普通に話が合う。
オタク転売ヤーほど普通の購入客と見分けが付きにくい者はない。

店員からすればよく買いに来てくれる純粋な常連客のコレクターなので、新たに入荷した商品の情報なども積極的に教えてくれるそうだ。
見事なまでに善意が悪意に利用されている。これは酷い。

他にも色々真っ黒な仕入れ方法などの情報は聞いているのだけど、中には人の迷惑さえ顧みなければ誰でも簡単に実践可能なものもある。
今回の趣旨はそういうではないため、これ以上は伏せておくことにしよう。

転売ヤーは一般人を巻き込みながら共喰いする蠱毒の壺

転売屋は悪質な者達ばかりではない。
けれども悪質な者は嫌でも目立ち、実際かなりの数が存在する。
それが理由で辟易する人も多い。

だがここまで数が多いのは、転売ヤー達にとっても喜ばしい話ではない。
先に解説したように転売ヤーは徒党を組むこともあるが、基本的には一匹もしくは一グループずつ孤立した生き物だ。

一般人は転売ヤーとひと括りにしがちだが、奴らは奴らで敵同士なのだ。
この界隈、表で楽に掬える程度の浅い情報だと対して役に立たないか、酷い時は嘘まである。足の引っ張り合いだ。

こちらAmazonにて予約開始一分かからずで売り切れた『仮面ライダーオーズ タジャドルコンボ』の人気フィギュアだ。
フィギュアーツシリーズの特に真骨彫製法はクオリティが高い人気シリーズである。マジスバラ。

この商品、定価は税込み8,250円だが転売屋達によって現在倍近い値段が付けられている。
買い手が付きやすい、予約品切れ直後のピーク時はもっと高くて二万円を余裕で越えていた

開始一分持つなら開始と同時にアクセスすりゃいいじゃんとお思いのアナタは甘い。甘々……大甘だ。
予約の開始時間は夕方の16時で、普通のサラリーマンなら仕事中の時間。そもそも予約競争に参加すらできなかった人も少なからずいる。

そして開始と共にアクセスしたとしても人が多過ぎて繋がらない。
「やっと画面が表示できた……商品予約を……終了してる……!」

これが現実……現実です!
仕事終わりと同時に職場を飛び出してショップに向かえど、一人一限のリアルショップすら二時間持たず売り切れ。ふざけるな! ふざけるな!

現実問題として多くの人が買えず、Twitterでは怨嗟の叫び響いていた。当然の如く私の声も混ざってた。

それにも拘わらず、Amazonからの転売はバカみたいな値段でバカみたいな数の出品がある。
予約開始と同時に実店舗のショップを回り一人で複数の在庫を抱えているケースもあれば、同時にヤフオクやメルカリなどでも多数流れている。
どれだけ大量の商品が転売屋によってさらわれていったかわかるだろう。

まさに転売天国! ……なように見えるのは外側からだけの話。
転売ヤーにとって理想的なシチュエーションは、購入できない難民が多く、競合が少ない状態である。
だが現実だと難民は多いが競合も多い

競合が多いと売れにくくなり、市場価格は下がる。
そこへ在庫を抱えたまま再販がかかると、値崩れが起きて赤字による投げ売りが発生。
新型コロナ関係でマスク転売規制の検討が発表された時も、在庫を抱える恐怖から即投げ売りが始まった。
稼げると安易に手を出して、現実は中々売り抜けられず在庫を抱えるか赤字になる者が多い。

ここまでの説明を統合すると、転売ヤーとは参入がしやすく数も多いが生存競争も激しい地獄みたいな惨状だ。
専門用語だとレッドオーシャン。マグマみたいにヤバい泡ボコボコ浮いてそう。

それと受注生産があるならそっちは問題ないの? と疑問に持つ人もいるだろう。
店頭販売は常に地獄の釜みたいなものだが、受注生産でも転売ヤーはかなり多い。

受注生産はそのタイミングで買わなければ次があるかもわからないため、特に人気ブランドならプレミア価格になりやすいのだ。
こちらは在庫確保の面に置いて全くのメリットがないわけではない。

その商品の存在を知らなくて、とっくに受注が終わっていたという話はよくある。
私はたまに玩具レビューをするが、Twitterでそんな商品あったの知らなかったとリプが付いた。
Amazonや楽天で売らない受注生産だとこういう話はよくある。

そういう時に転売屋がある程度在庫を確保していると、欲しい人の手に渡るチャンスがあるだろう。
当然定価よりは高くなるが、転売屋が数を持っていることで逆に在庫が少なくてトンデモ価格になることを防ぐ効果もある。

だから全面的に賛成……なんことはない。全くない。
受注生産だと一回の生産量には限度がある。それを超えると生産終了したり、二次や三次受注になってしまい発送が遅れてしまう。
どんな販売形式だろうが、需要と供給バランスを狂わせるレベルで介入されるのは普通に迷惑だ。

特に質が悪い転売ヤーはこのシステム自体を悪用する。
例えば先に挙げたフギュアーツの受注生産品を予約して、支払い方式を代引き払いにする。
そこから売るのはフギュアーツそのものではなく商品の購入権利だ。

権利を買い取った者へ住所変更すれば、転売ヤーは在庫を持たず商品の発送すらする必要がない。
商品を注文し損ねたり、存在を知った頃にはもう発注期間が終わっていた者が商売相手だ。
更に二次発注以降になった場合、より商品が早く欲しくて転売ヤーから買うケースもある。うん、そいつらが買い占めなかったら君も一次発注変えたかもしれないんだけどね!

もし売れなければどうするか。
自分で買い取って、新たに商品を出品し直すならまだいい。
中には支払いを拒否して強制返品する最低な者がいる。

実際、支払い拒否による返品が多過ぎて、販売元のプレミアムバンダイは後払い方式を全て中止した。
転売ヤー達のせいで何の関係もないに買えなくなってしまった人が多数出たのだ。

それだけではない。
プレミアムバンダイは人気キャラクター程、フギュアーツを受注生産ではなく店頭販売にする傾向がある。

転売ヤーがいても買えるぐらい生産体制を整えているならいいが、多くのケースが予約瞬殺でこの方式には批判も多い。
けれど中には受注生産だと料金を支払えないから、店頭販売はありがたいと言う人もいる。

ネットで買えていた人が買えなくなり、店頭販売にすると買い占められる。
モラルのない転売ヤーは互いに足を引っ張り合いながら、善良な購入者の機会を奪う。これらをどうして害悪と呼ばずにいられようか。

悪質な転売屋が多くて減らない理由と対処方法

転売という行為は前でも悪でもない。
ネットを使えば人を社会的に殺せるが、それはネットというツールではなく使う者が悪い。

転売も同じだ。やり方を間違えなければ中古販売として人の役に立てる行為である。
では何故こうも悪質な転売ヤーが多いのか。

ネット転売最大の利点と問題は参入が容易であること。
他のネットビジネスといえば、代表的なものはアフィリエイトやYouTuberだ。

アフィリエイトは一見簡単そうに見えるがそんなものは幻想である。
ブログの構築。商品選定。キーワード選定。記事作成。
やるべきことは大量にあって、しかもうまく行ったとしても成果が出るまでは何ヶ月もかかる。

昔転売ヤー並に大流行したまとめブログですら、現実に稼げていたのはほんのごく一握りで、大部分は小遣い稼ぎにすらなっていない。
まとめブログが激減したのはGoogle検索の変化による部分が大きい。
つまり自分ではどうにもできない要素によって、アフィリエイトの成果は大きく左右されてしまう。

YouTuberも、昔に比べてシステムは進化したが、現在は収益化までたどり着くだけでも難しい。
芸能人や企業ぐるみの参入により求められるレベルも上がった。
Vtuberともなれば、まず準備に費用と時間がかかって敷居は更に上がる。

対して転売は、ヤフオクやメルカリの発達によって素人の商品売買はむしろ容易になった。
Amazonですら、簡単に登録して個人で出品ができてしまう。昔に比べて敷居はかなり低い。

また、数年前に流行した情報商材の効果も、実は大きいと思われる。
情報商材は単なるネズミ講と思っている人も多いが、それは問題を単純化した結果生じた誤解だ。

情報商材の本質は、ネットビジネスの手法を売ること。
その中でも転売は一つの選択肢として人気ジャンルだった。

ネットビジネスは怪しげという先入観があるものの、転売は実態が知れているため手が出しやすいのも要因の一つだろう。
売りやすい商品を安く買って売るというプロセス上、ネットビジネスの中でも転売は確実性が高く利益が出やすいことで知られている。
根本的にネットビジネスへ手を出すのは、手軽に、そしてできるだけ楽に稼ぎたい人が多い。故に一見条件と見合う転売は手を付けやすいジャンルだ。

まっとうにやるなら、仕入れに手間暇や目利きが必要だ。
けれど自分の足で仕入先やルートを開拓して、目利きで商品を探して売るの流れは、ネットビジネスで楽して稼ぎたいと考える人達の思想と合わない。

そういう人達は、まず安直に仕入れも全部ネット上で済まそうと考える。
メルカリやヤフオクで仕入れて再出品するのもこの手の輩だ。

ヤフオクの落札価格とAmazonマーケットプレイスの出品を比較しても、Amazonの方が比較的高いことは割とある。
けれどそこから販売手数料やら何やらを差っ引くと、実際は多くがほぼ利益なしかマイナスになることが多い。

ヤフオクやメルカリでも手数料は取られて、ショップや商品によっては送料も購入者負担のケースもある。そのため、まともに仕入れるよりも値段は上がるのだ。

結局楽したい人達の思考は安直で、行き着く先も皆同じ。
参入は簡単でも商品という名の弾は数が限られる。
スキルの伴わない転売ヤーとは誰でも見つけられる商品しか狙えないため、結局は限られたパイの奪い合いなのだ。

そうなると次に狙うのは先程説明した予約買い占め。
こちらも同じく、狙われ過ぎて転売ヤーすら在庫確保は容易じゃない。

中には品薄になるとわかっている商品や、品薄になりつつあり予約すると美味しい情報をあえて積極的に流して、アフィリエイトで稼ごうとする者もいる。ゴールドラッシュのツルハシ売りかよ。
この手のサイトも転売を助長する厄介な代物だ。

この状況を変えるにはどうしたらいいかだけど、転売そのものが悪ではないという現実が邪魔をする。
安く買って高く売る行為とは商売の基本原則。これ自体を否定することはできない。
悲しいかな、悪質な転売ヤー達は法により守られている。

結論として、私はもうこれ個々の努力でどうこうできる段階をとっくに過ぎていると思う。
新卒の就活失敗や失業によって、国の完全失業率が三割を超えているとしたら、もはや失業者云々より国がどうにかしろよと考えるだろう。

個々の努力は無意味だと言いたいわけではなく、一定の数値を越えたら、それはもう社会問題として捉えるべきだ。
転売ヤー界隈はあまりに煮詰まっていて、その段階に達している。
それは新型コロナによるマスクや消毒液の買い占め、トイレットペーパーのデマ等によって、日本中に知れ渡った。

現実でもマスクやチケット転売へ規制が入ったように、お国の奮闘に期待するしかない。
私が生きているうちに、転売ヤー達が敷き詰められた真っ赤な海ごとセメントで固められ、皆まとめて海底に沈んでいく様が見れたらいいなって……。