スポンサーリンク
リバイスの復活と結末の意味と問題点
五十嵐家の新たな末っ子に思うアレコレ
おめでとう、五十嵐家は六十嵐家に進化した!
美男美女揃いな五十嵐家である。これはさぞ美少年な愛らしベイビーのご尊顔が拝めるに違いないと期待し……案外そうでもねえな!?
ブサイクとかそういう話ではなく、顔面偏差値が一流進学校レベルの中に産まれてしまった一般人のような感覚。ちょっと浮いとる。
しかし出てきた悪魔ベビーの顔を見ると、「あ、この悪魔はこの赤ちゃんから出てきたやつだわ」と直感的に理解できるデザイン。まさにベストマッチ。
先に悪魔ベビーのデザイン決めてから赤ちゃん選んだのだろうか。
敵は悪魔ベビーの中にあるギフ細胞を狙ってきた。
設定上は、ギファードレックスを作った時点で、元太の中にギフの細胞はない。
つまり幸実が身籠ったのはそれ以前の時点で確定。
『バトルファミリア』の時、必死に妊婦を守っていたのに、あの時からすでにママさん妊娠しとったんかーい!
伏線がまったくなかった幸四郎の誕生により、『リバイス』世界の時系列がモノスゲーイ気になりだした今日この頃。
『リバイス』勢のなめプ問題
本作は二章構成になったことにより、先に完結編として『リバイス』側に見せ場を作りつつ、ドラマの連続性を保ちながら、タイトルでもある本筋のバトルロワイヤル展開へとつなげることに成功した。
同時に、この構成を起因とする二つの大きな問題が生じてしまっている。
一つは両作品間にあるパワーバランスだ。
『リバイス』側は本編終了後の時系列であるため、各ライダーの能力値は最高ランクまで上がっている。
物語的にも真の完結編なので、出せる力を振り絞って敵に挑むのは至極当然の流れだった。
対して二章目のバトルロワイヤルは『ギーツ』側とのコラボであり、リアル戦闘力差よりも物語的な連携が重視される。
要は現行作品の『ギーツ』側を立たせるのは作品的にも必須であり、両ライダーの基本フォームが並び合うのも、画として大事だ。
けれど、これを連続して展開されると『リバイス』側は最強フォームから唐突に通常フォームで戦い出す。しかも花と玉置はどこへ消えたのか。
ギフ細胞を巡る世界的な危機であり、幸四郎の命もかかった切羽つまった状況だ。
(末っ子が死ぬ理由はよくわからないけど)
ジャンヌとナーゴのコミカルな追いかけっこや交流には和むのだけど、今ひとつ状況と噛み合わない。ゴール前の自転車も同様だ。
シリアスの中でコントやっても許されるのはボーボボとドンブラザーズだけだよ!!
状況次第でなぜか強化フォーム前で戦うのは、過去の仮面ライダーシリーズでもしばしば起きていた。もはや伝統芸として慣れてしまい、スルーする視聴者も多い要素だ。
しかしながら、ここまで強調されてしまうと否応なく気になってしまう。
スポンサーリンク
バイスの復活と再消滅の考察
本作の二章構成で影響を受けた二つ目の要素はバイスの復活である。
真の完結編として描かれたバイス復活だが、その過程を雑と感じた人は少なからずいるだろう。
というかファイナルステージだと、バイスのことは思い出せずとも、自分の中に『いる』感覚は掴んでおり、前向きに捉えるようになっていた。
話の流れも、お別れプロレスをしっかりと引き継いでいる印象があった。この流れを途切れさせたのは本当に残念でならない。
大二だって大きな前進って言ったのに! 退歩してるよ!!
なぜこうなったかを考えると、最大の理由は『リバイス』側の尺は三十分程度しかないためだろう。
ドラマとして新しい事件を起こし、二章目につながる設定や展開を用意して、さらにバイスの復活を深く掘り下げて描けというのは無理がある。
ドラマとしては尺がないので、物語やロジックよりも画で魅せるしかなかった。
本編の後半でも尺不足は散見されたが、相変わらず演出から読み解く形式で説明不足だ。
ただし、(ファイナルステージの矛盾に目を瞑る前提だけど)元々あった設定とこれまでの積み重ね、パンフレットで書かれていた情報も含めて整理すると、物語としての筋は通っている。
悪魔は一度消えてもまた復活する。
ヒロミの悪魔や、カゲロウもそうであったように、例はこれまでいくつもあった。
本編のラストでも、記憶のない一輝からバイスと思わしき言葉が出てきている。
ファイナルステージでは、一輝の記憶の奥底にはバイスの記憶があり、復活の予兆となる展開は描かれていた。
けどそれは、あくまで記憶であり実体ではない。故に他の人物達は一輝個人のイメージと混ざり別人になっているケースもあった。
悪魔は人間の負の感情を糧としており、バイスも例外ではない。
一輝のように根が善人で生活環境が良ければ、そりゃあ復活も遠くなるだろう。
ギフ関係で心身共に追い詰められていた大二と比較すればとてもわかりやすい。
また、何よりも一輝がバイスの復活を望んでいなかった。
完全に忘却して、仮面ライダーとしては引退済み。いないのが普通で生活も満たされている。しかもバイス関連について、周囲から半ば腫れ物扱いされていたら、良い感情も抱きにくいだろう。
一輝とバイスの双方から取れるアクションが一つもないので、復活も進まない図式ができあがっていた。
しかし幸四郎の誘拐によって事態は大きく動き出す。
大ニ達だけでは手に負えない強敵。一輝は家族を守るための力を再び欲しながら、けれど手も足もでずに死の渕へと立たされた。
一輝の魂が彷徨っていたのは走馬灯の世界。そこはテレビ本編のOPで描かれていた悪魔サイドに世界でもあるのを画で表現している。
一命を取り留めていた一輝は光に導かれそのまま元の世界へと戻るチャンスはあった。
それは身の安全を優先する悪魔の囁きであり、自分の声であり、一輝の身をおもんぱかるバイスの声でもあった。
だが、家族を守りたい意思から一輝はあえて炎が燃え盛る悪魔の道を選ぶ。
このままだと幸四郎は取り戻せない。家族を守るためならば悪魔の手でも掴む覚悟で手を伸ばす。
そしてバイスもまた一輝の手を掴み、二人の再契約が成立したのだった。
仲間たちが次々と力尽きた中、復活したリバイとバイスが異次元からの侵略者に立ち向かう!
いや待って待って? ジュウガでも倒しきれない強敵がギフ細胞でさらにパワーアップしたんだよ? アルティメットリバイ&バイスって、そんなハイパームテキクラスのトンデモスペックだったっけ!?
尺のなさと強引にバイス復活をエモく演出するために、かなり強引で整合性無視な展開になってしまってないだろうか。
仲間たちが一輝とバイスコンビの復活を祝福して応援する姿は、涙のお別れプロレス展開に近いのだけど、状況が状況なのでものすごく当て馬にされた感がある。
また、ジュウガを倒したリバイ&バイスが最強の仮面ライダーである設定が前に出過ぎて、皆で力を合わせてギフを打倒した展開が霞んでしまっているようにも思えた。
劇的な再契約から敵を打倒した二人だったが、バイスの契約はあくまで一時的なものに過ぎない。
時間の経過と共にバイスの体は消滅へと向かっていく。
デザイアグランプリ優勝の願いでバイスの消滅は止められなかったのだろうか? という疑問を抱いた人も多かったろう。
ここも説明が端折られているなと感じる。
まずこの流れで一輝がバイス復活を願わないこと自体があり得ない。英寿も同様だ。
だったら『願えなかった相応の理由』がそこには必ず存在する。
バイスの消滅をデザイアドライバーで遅延させたが、それも所詮一時的なものでしかなく、ゲーム終了までに再消滅が始まっていた。
加えて、ツムリからも悪魔の願いは無効であると宣言される。
つまり悪魔に関する事柄はデザイアグランプリでも完全には制御できないのだろう。
ならば一輝を通してバイスの完全復活を願っても無駄だ。
バイスの復活ができず、一輝も叶えたい願いを見いだせなかった。
そこで英寿は裏技的に一輝が『バイスの記憶を忘れない世界』を願った。
これならば願いによって干渉されるのはあくまで一輝だけだ。
他プレイヤーの力や流れを利用し、意表を突く戦略が得意な英寿だからとっさに思い付けた願いではないだろうか。
唯一の家族を探し続ける青年が、もう一つの家族のつながりを切らせずに継続させたのだ。に死の渕へと立たされた。
スポンサーリンク