ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ

どうも、ゲタライド(@ridertwsibu)です。

劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」が予定取れず観るのが遅れ、その分クローズも一週間ズレてしまいました。
そして感想がその週に書けなくて、上映が終了。
下書き状態のまま暫く置きになってしまったのをようやく仕上げた次第です。
円盤発売には間に合ってよかった……。

しごくザックリとした感想としては、スカイウォールがなくなった世界でもビルドはビルドでした。
いつものSFっぽい解釈でストーリーを作りながらテンポ良く話が進み、平成仮面ライダーの中でも格好良いデザインで派手なアクションを決める!
久々の純粋なビルドらしい流れだなあとしみじみ感じました。

ただしテンポは良いけど尺が足りないのは否めません。
そしてビルドらしさを出すためにこれまでのビルドを犠牲にしているという本末転倒な事象も起きてしまっています。

ビルドとしては面白いのだけど、素直に飲み込むのは難しく消化不良。
実際、賛否両論が強い作品ですが、個人的にはまだ逆転可能な範疇だとも思っています。
その辺の理由も踏まえて感想と考察を書いていきましょう。

ブラッド一族とパンドラボックスの物語

今回の敵はブラッド族の王『キリバス』である。
エボルトの兄にあたるので、エボルトはブラッド族の王族だったらしい。
キリバスは白いパンドラパネルから出てきたのだけど、君どうやってきたの?

明らかに旧世界(エボルト達ブラッド一族が存在する世界)から現れているのだが、どうやって世界を繋いだのかは全くもって不明だ。
加えて言うとジーニアスフルボトルも事実上使用不能になったはずが、さも当然のごとく復活しているのも気になった。

また、キリバスは万丈の中に眠っていたエボルトを使って、パンドラボックスも(中身は空の状態で)復活させる。
この復活方法も詳しい解説はされておらず、全体的に観ても勢いで進行している部分が多い。


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なんせVシネマなので尺が通常の劇場版より更に短いため、重要性の低い部分は積極的に削ってテンポ優先。
結果、そこは説明いるんじゃないの?
ちょっと解説ざっくり過ぎるなあって部分が目立った。

キリバスに関してはキャラの濃さがいかにもブラッド族
華やかなイケメンのオジ様って感じなのだけどねっちょりしてる。
ラブリカの天ヶ崎恋をスマートにしたようなねっちょりさ。
艶めかしい肉体と雄っぱいをおしげもなく晒しているぞ!

ただしキャラクター的な掘り下げや背景は薄くてサラサラしていた。
わっかりやすい狂気を全面的に押し出して、それをそのままキャラクター性にしているタイプだ。

行動も衝動的な破滅型で、パンドラボックスの力でビッグバンを起こして自分もろとも宇宙を破滅させたい。理由は面白そうだから。
このノリでブラッド族の星も破滅させたらしい。

弟がクレバーな悪党なら、兄はクレイジー。
性格の差か、エボルトは人間の可能性に気付きそれを利用して立ち回っていたが、キリバスは最後まで人間を貧弱な生物として見下したままだった。
同じ世界を喰らうことが目的のブラッド族でも、対照的なキャラ付けになっている。

そしてキリバスは、ブラッド星が消滅する前にパンドラボックスを持ち逃げしたエボルトを恨んでいた。
実はちゃっかり万丈の中で生きながらえていたエボルトをエネルギーにして、パンドラボックスを再び起動させようと襲いかかる。
つまるところ、この物語は万丈が主役のストーリーであると同時に、ブラッド族で最後まで生き残った兄弟達の大喧嘩でもある。

なお暗躍を好んだエボルトと違い、キルバスは正面から堂々と攻撃を仕掛けたり、策を使わず呼び出したりと行動がストレートだ。
賢く立ち回るエボルトが戦兎。
勢いで正面突破のキリバスが万丈。
みたいなイメージ対比を意図的に作っているのかもしれない。

ビルドの物語は未完

キリバスがエボルトに深く関わっており、二人の対立が重要な要素になっているのはわかりやすくて面白かった。
テンポ優先の展開においてわかりやすさは本当に重要である。

問題はエボルトのあ使い方だ。
今回万丈のバディ役になるという宣伝がなされていた。
とはいえ部分的な復活、もしくはそれに近い内容を予想していた人は多いだろう。私もその一人だった。

ところがどっこいエボルト完全復活である。
そもそもエボルトによって滅茶苦茶にされた世界の再生策として新世界が生み出されたのだ。
一年かけたビルドの戦いがめっちゃド直球にひっくり返された


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だがエボルトもキリバス戦で損耗はしているらしく、最後は力を付けるため一旦地球外へと旅立つ。
元気になったら戻ってくる気しかしない。

それに地球は一先ず安全だからといって、エボルトをそんな軽々しく地球外逃亡させるのはいかがなものだろうか。
エボルトが回復シて戻ってくるということは、どこかの星が食糧になってしまうに等しい。
特に戦兎は一度、他の星が食い潰されてエボルトが強化される姿を見ている。
少しは罪悪感を表に出すシーンが欲しかった。

『仮面ライダークローズ』は万丈龍我の物語としては完成していた。
しかし『仮面ライダービルド』の大きな流れで見ると新章開幕。
『ビルド NEW WORLD』の第一部として『仮面ライダークローズ』編がある感覚だ。

全ての元凶であるエボルトが自由になって放たれたのだから、終わった気がしないのは当たり前だ。
エグゼイドで言えばトリロジーの一本目だけ見せられて、これで完結ですと言われたようなものである。

公開前の宣伝でも、これでビルドは終了だという話があった。
結果的には続編として『仮面ライダーグリス』の制作は決定している。

平成ジェネ公開前に、犬飼氏が続編について質問された時に、もう戦兎達を休ませてあげてほしいともコメントしていた。
完全に終わったからではなく、むしろTV本編の展開をちゃぶ台返されて思うことがあったからではと邪推する。
とはいえ一視聴者としては、ちゃんと決着付けてね! としか言いようがない。

新ヒロインの扱いも後味が悪い

また新ヒロインの扱いも賛否両論が出る部分だった。
馬渕由衣が万丈を恨む理由はわかる。

必至に助けを求めているところを運悪くスルーされ、その後は拷問を受けて惨殺されてしまう。
守ろうとしていた生徒達も同じ目に遭っていて、新世界でも目を覚まさない。

途中で捕まって殺されたので、由衣は旧世界で起きた事件の真実は何も知らない。
純粋な戦争被害者という視点になるだろう。

しかしながら世界は既に平和そのもの。
由衣には憤りをぶつける相手が、もはや自分と生徒を見捨てた(と思っている)万丈くらいしかいないのだ。
万丈も否定しないので振り上げた拳は下ろせず、ただ叩きつけるしかない。

しかし顔も中身もイケメンに成長した万丈は、熱い流れで今度こそ由衣を救う。
由衣は万丈に惚れてキスシーンが入る。
あの流れで掌返しは理解できなくはない。

ただ恨みに関する描写に比べて、惚れるまでの間が短くて描写も少ない。
また万丈は香澄の死後も想いは変わらず一途だったことも手伝い、唐突って程ではないが不意打ちのキスシーンは泥棒猫的に見えて、流石にやり過ぎではと感じてしまう。
その後、由衣が万丈の店を手伝うシーンもあり、ここだけで十分に由衣が万丈を見直して惚れているというのはわかる。
演出としてはこれだけでもOKだったのではなかろうか。

一応フォローを入れておくと、香澄は新世界の万丈とよろしくやっているため不貞ではない。
また前世界の香澄に義理立てしているのか、万丈は由衣を悪しからず思っていても、ある程度距離を置いた反応を取っている。
少なくとも万丈のキャラ性は崩れておらず、純粋に熱く格好いい成長を遂げた姿が見れた。


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かつては自分のため、そして自分を信じてくれる人のために戦っていた万丈。
それ故に目の前のことしか見えていなかった。
そこから長い戦いの果て、真のヒーローとして成長し今に至る。
万丈の成長物語の総決算としての舞台装置の一つしてなら、由衣はちゃんと機能していた。

結果をまとめると、新世界の後日談はこれまでの濃厚な世界観よりもわかりやすさを優先したファンサービス的な作品だ。
しかしエボルトと新ヒロインの扱いでラストにモヤモヤが残り、ファンサービスとしても上手く機能しきれていない、どっちつかずな作品という印象が残った。

とはいえ、今回の物語が新世界編クローズの章だと考えれば、グリスの章で巻き返しは十分に可能な範疇だ。
まあ、最悪グリスまでVシネマがモヤモヤした終わり方して先の展開がなくても、我々にはまだ小説版がある。
媒体としては一番自由にできるので、鎧武やエグゼイドなどでも完結編として重宝されてきた。
続きはノベルで! を覚悟しつつグリスの活躍を待つことで心の平穏を保とう。