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仮面ライダーゼロワン 12話感想 ゼロワンとWの意外な繋がり

2019年11月24日

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仮面ライダーゼロワン 12話『アノ名探偵がやってきた

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

今週は探偵編。脚本はまさに探偵ライダーWのメイン脚本である三条陸氏。
先週までの重くて暗い流れを断ち切るような明るい流れに切り替えつつも、物語的な面白さもしっかり出してくださいました。

物語の構成も無駄がなく、けれど詰め込んでいるような感じもない。
もちろんこれは前後編になっている効果もありますが、探偵回としては今回だけでしっかりと成立しています
短い尺の中でワズのキャラを見事に活かした物語作りは本当に素晴らしい。

シャイニングホッパーも登場しただけでかなりのワクワク感。
またよくよく観ると、今回のシャイニングホッパーは密かなところで仮面ライダーWとの繋がりがあって、あれ、実はこれこういうこと? と一人でニヤニヤしておりました。

では、今週も仮面ライダーゼロワンの感想と考察を始めましょう。

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重くないけど深みある探偵編の面白さを解説

病院編辺りから重くて、すぐには解決しないような問題を抱えたまま次へ持ち越すことが増えていた。
シャイニングホッパー登場回である今回も重くなると思わせて次回予告は一転として軽いノリ。
むしろ軽すぎて大丈夫かと逆に不安を抱いた人もいたが、蓋を開けてみれば明るいと面白いを見事に両立した物語構成。予想の斜め上いくクオリティで魅せてくれた。

全体的な空気からして、最近減り気味だった或人の芸人設定をかなり活かしている
自作の爆笑ギャグをパスワードにしたけどどれだか忘れたと意味不明なことを宣ったと思わせて、パスワードがギャグであることは本当だというまさかの流れだ。

さらっと出てきた、動画投稿サイトにアップされた或人のギャグ集はどれも再生数が三桁にすら達していない不人気っぷり。
冒頭にある定番の『或人じゃないと!』が全体で見ても特に再生数が低い部類なのも涙を誘う。そもそもギャグの中身をそのまま動画タイトルにするとか、どれだけセンスないの?

極めつけは『或人じゃないと!』を副社長の福添がやった。中身は児嶋一哉(アンジャッシュ)氏は本業が芸人の御方に何をさせちゃってるの!

室内で変身して逃走もナンセンスに見せかけて、逃亡したという印象を警察に強く持たせる行為として理論的に成立している。
加えて逃げた先にAIMSが待ち構えているのだから、より変身していたことに意味が見いだせる構成だ。

裏切者ムーブを見せている唯阿ともわざと遭遇させて、自分の行為に迷いを出させることで必要以上に冷血な人間にならないようフォローしている。
本気ならホーネットを使って追跡すればいいものをあえて使わないことからも、内心を察せるようになっていた。

何より今回バッタちゃん天井を壊さず、ジャンプでも社長室を壊していない。
お前、やればできるんじゃねーか!
あまりに周囲の被害大きいから改修されたのかも。

『ゼロワン』は一話から明るいノリと見せかけてかなり重い物語だ。
腹筋崩壊太郎から始まり、倒される度に視聴者の心を抉ったヒューマギアは数知れず。
AIに心はあるのか、というテーマに対して視聴者側に喪失感を与えることでAIの存在に感情移入させてきた。
これは第一話から考察している。

http://kamen-rider.info/01-1/

既に『ゼロワン』ではAIに心が芽生えるシンギュラリティの事象が明確にされている。
今回のワズ・ナゾトークは今までと違い、AIには心が宿る前提で登場したヒューマギアだ。

一見すると遊んでいるようにしか見えない無能のような振る舞い。
けれど中身はしっかりと自分の役割を果たしている。
この絶妙な匙加減はプログラムで動くだけのAIでは起こりえない。
(他の理由もあれ、故にイズはワズを破棄すべきだと断言した)

現在、ヒューマギアは連日暴走事件がニュースで報道され、社会的に見てかなり危険な存在として認識されている。
ヒューマギアだけで何かを調べる捜査活動を露骨に実施すれば、初対面で訝しむ人は少なくないだろう。

だが、ワズは人間臭い軽快な明るさで町の人達に溶け込み終始にこやかに過ごしていた。
警察のような公(この場合は市民が協力する義務的な意味合いで)の捜査権がないため、まずは相手の警戒を解き信用を得てから情報収集をする
シンギュラリティを迎えたからできる足を使った捜査能力。

その上でネットの情報検索で行方不明になっていた祭田ゼットの情報を掴み、集めた情報と合わせて推理する。
まさにヒューマギアと人間の良いとこ取りをしたような理想的探偵技能だ。

なお、ワズがかなり前段階でシンギュラリティを迎えていながら、これまで無事だったのは前社長によって眠らされていたから。
停止していては滅亡迅雷.netも感知できない。
そして或人のピンチに目覚めるようセットされていた。

つまり前社長は滅亡迅雷.netによる暴走事件だけでなく、ヒューマギアがシンギュラリティを迎えて心を芽生えさせている事実を認識している
しかもそれを滅亡迅雷.netが狙うことまで察知していた可能性が高い。
その上ワズはイズのプロトタイプという重要機体だ。めちゃくちゃ重要設定の塊だよ兄上。

そしてワズの胡散臭さと自分の兄に当たる機体である事実に触発されたイズもまた、これまでにない反応の数々を見せていた。
或人が怒ってると聞くくらいに辛辣な態度は、誰の目から見ても心が芽生えだしている証だ。
そもそももうちょっと我慢してと言われて、辛抱するって言っちゃってるよ。完全に人間の反応だこれ。

ここまでだけでもボリュームすごいのにシャイニングホッパーまで登場。
象さんはキャンセルくらってクリスマス商戦の主力からは外された。哀しみ。

この変身演出もバッタの上にバッタが乗っている驚きから、まさかの虫取り網!
ネタの連続だけでなく、ちゃんと増えたバッタの脚が顔などの尖ったデザイン部分になる演出が面白いだけでなく、ちゃんと格好いい。

尺がないのを、変身で使い切る形で次回へ持っていく。
しかも胸騒ぎを感じるAIで特大のシンギュラリティまでブチ込んで、気になり方も二倍だ。

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業深き暗殺ちゃんの設定

一度も暗殺を完遂することなく暗殺を極めし者、暗殺ちゃんが独立宣言した! ドードーだけに巣立ちだね。
完全にシャイニングホッパーの生贄である。クリスマス商戦のために散っておくれ……。

暗殺ちゃんの正体は、お祭りヒューマギアの祭田ゼット。五体セットのヒューマギアだった。
(名前から漂う水木一郎感……)

作り直しによる量産ではなく、それぞれ別固体だった衝撃の事実。これ実はかなり大きな意味がある。
つまり飛電にできていないと思われたデータのバックアップは飛電の技術そのもので、データの同期が可能な特殊型だったのだ。

そうなると現在ヒューマギア生産技術は飛電インテリジェンスが独占状態。
ZAIAがここまで傾いている経営状態をより傾けてでも買収したい理由も頷ける。

同時に滅亡迅雷.netの生産能力が幻であることが判明した。
普段は友達を外から集めていることからも、むしろ現在の自己生産能力はほぼ皆無と考えた方が自然だろう。

ただし、複数個体を利用した経験値を溜め込む暗殺者を生み出す発想力から、滅が強敵である事実は変わらない。

なお、祭田ゼットシリーズが既製品であった事実。
そしてゼツメライザーを使えていたこと時点で、大和田事件以前から、シンギュラリティを迎えていたのは明白だ。

つまりアンサツゥー! な、あの異様に高いテンションは元々祭型による癖が残っていたため
逆説的に考えれば、暗殺ヒューマギアを作るための条件がかなり限定的なので、元の性質が暗殺向き不向きかは選べなかった。

滅は自我の芽生えていたAIに、暗殺者となるようドードーゼツメライズキーを使用してら再教育を施したのだ。
何気にエグい洗脳行為だよね、これ。

そして一体だけ無事だった祭田ゼットが、事件のせいで顔を隠して、祭に参加したくてとできない哀しみを抱えながら隠れ生きている。
彼には何の罪もない、被害者なのに、だ。

しかも暗殺ちゃんがわざわざ狙ってきたのは、更なるバックアップを確保することが目的と思われる。
暗殺ちゃんは次の素体がないため、今回倒したら自動的に物語からは退場。
罪なき祭田ゼットを救い、再び祭を盛り上げる使命を果たすためには、心を狂わされた兄弟を破壊して解放してやることだけ。

或人は今こそ『お前を救えるのはただ一人、俺だ!』と、正しく叫ぶべき時なのだ。

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シャイニングホッパーとWの深い繋がりが熱い

探偵編! 三条陸氏! となったら物語中に『仮面ライダーW』の要素を探してしまうのはWヲタのサガだ。
というわけで注意して観ていたらあった。というか思ったより露骨だった。

暗殺ちゃんの正体が祭田ゼットだったことでお祭り会場が登場。その撮影現場は実際に『W』でも使用されていた場所だ。
正確には『第31話 風が呼ぶB/野獣追うべし』と『第32話 風が呼ぶB/今、輝きの中で』の二話分。
(検証にはいつも通りTTFC様のお世話になりました)

そして重要なのはこの話と次の32話は『W』の重要なパワーアップ回、TV本編での最終フォーム『エクストリーム』が登場したのだ。

ここまでくればもう明らか、祭と強化フォーム登場繋がりを合わせにきている。
『W』といえば左翔太郎とフィリップが相棒として戦う二人で一人の仮面ライダー。エクストリームはその究極形態である。
フィリップの力が強くなり過ぎて変身できなくなった二人が、もう一度自分達の原点である鳴海荘吉の教えを思い出し、絆の力で限界を越えた。

今回の構図も実はよく似ている。
鳴海荘吉の代わりとなる人物が祖父の前社長、飛電是之助。その意思を継ぐ者であるワズが或人とイズの前に現れた。
『W』でも鳴海荘吉は既に故人で縁ある人物が止まっていた時を再び動かすように登場する。

シャイニングホッパーは強力だが欠陥を抱えているフォームだ。
Wエクストリームの問題も、その原因は左翔太郎の相棒フィリップにあった。
これも次回予告から或人の秘書であり実質相棒でもあるイズが、何かしら大きな失敗を犯したような描写がされている。

飛電インテリジェンスの社長、飛電或人。
そして社長秘書、イズ。

或人は社長としてはどこまでも未熟で、それをイズが支えることでいくつもの壁を乗り越えてきた。
そしてイズもまた或人と共に過ごすことで少しずつ、AIを越えた心を目覚めさせていく。

これは共に成長してきた二人が輝く未来を切り開く、或人とイズの成長が魅せる絆の物語だ。

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