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【ジオウスピンオフ RIDER TIME 仮面ライダーシノビ】第三話感想 ラストの大ドンデン返しがすごい! けどズルい!

2019年4月16日

RIDER TIME 仮面ライダーシノビ LAST 忍POW!『八ポウ塞がり危機一髪の巻』

ゼミ生の皆様こんにちは、語屋アヤ(@ridertwsibu)です。

シノビの最終回は本当に構成が上手い、けどズルい! に尽きます。
とにかくアクションシーンに比重をおきながら、ラストにどんでん返し!
終わりまで現実に放映していた番組感にこだわっていましたね。

また、途中に蒔いていた伏線が分かりやすく回収されていく感覚はわりと心地いい。
最初のインパクトが全てな演出に、良い意味で騙された作品でした。

演出の狙い目や回収について、細かく考察や感想を書いていきます。

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忍法と科学を組み合わせた世界観

シノビの舞台は科学での生活維持に限界がきて、エネルギー源を忍法に置き換えた日本だ。
スタート時の取って付けたような忍法感とその解説から、忍者の力は科学とは切り離された魔法のようなものだとわかる。

紅芭が自力で光を生み出したのは科学知識によるものだ。
シノビは忍法を組み合わせることで、科学反応を起こして上忍級の高難度忍法と同じ現象を起こした。

先の二話でスタンダードな忍者対決を見せておき、最後で現代における忍者の戦いとして、もう一歩踏み込んだ技を見せるという構成が上手い。
これによってシノビは現代忍法アクションとして自分の世界観を確立したと言える。

仮面ライダーゼクロスを始めとした歴代忍者ライダーとの差分化もバッチリだ。
というか単純にニンジャというだけなら、今後は代表格になれるのでは?

短い尺でとにかく戦闘シーンが多いシノビは一見すると子供向けな構成だが、一つずつに意味があり、キャラクター性の出し方やストーリーの伏線としても活用されていた。
短い尺の中で計算された構造がちゃんと見えていて、小気味良さとそう繋がるのかという。

刀の構え方一つでも素人感のあるハッタリと、修羅場を切り抜けてきたシノビに明確な差を持たせて、対比の演技をしている。
忍者といえば忍法&アクションと分かりやすくストレートに凝った作品だった。

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正しい力の使い方

ジオウにおける蓮太郎は、正しい力の使い方に自分なりの思想を抱いていた。
第三話で闇忍ぬ向けて力の使い方を解くシーンが入る。

闇忍は私利私欲のために力を使う存在なので、ここまではよくある正義感の強い主人公だ。
その後、闇忍との戦いで蓮太郎はあえてとどめをささなかった。
闇忍は紅芭をさらいはしたが、傷付けていないことに気付き、情けをかけたためだ。

実際、闇忍は紅芭に危害を加える気がなく、一先ず戦いは収まった。
しっかりと倒すべき敵であるかを見極めている。
まあ、ダスタードは容赦なく倒しているのだけど、あっちは非人間的なので傀儡とか式神的な扱いではないだろうか。

また、もう一人のライダーハッタリは動機が闇忍と同じというか、動機は思いきり私闘だ。
正しい力の使い方で力無き者を守る意識を持つのは蓮太郎特有の在り方であり個性として成立はしている。

ただシノビは他に独特な世界観や派手なアクションが目立っている。
ラストに出てきた怒涛の展開もあり、力の使い方に関する思想や、そこに対する人物的な掘り下げは相対的に印象が弱かった。
紅芭を守るという方が蓮太郎のメインパーソナリティになっているので、ジオウとの繋がりはややおまけっぽく感じる。

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ラストで魅せた仮面ライダー感

シノビの最後はなんというかもう、してやったぜ感がすごい。
最初の勢い任せな展開や、唐突に金の瓢箪持って出てくるハッタリのよくわからない立ち位置は、まさにこのラストのためにあったのだろう。
ミライドライバー(シノビドライバー)も結構重要な扱いだった。

平成仮面ライダーに多いパターンの一つとして、最初は世界観やインパクト重視。
話が進むにつれドラマチックさが増していく。
その感覚的な平成仮面ライダーらしさを、三話の物語に集約させてきた。

ラストのガマノ師匠の怪しげな雰囲気と不穏な発言も、ゴーストの仙人やエボルトのノリがめっちゃ出ている。
そこからの新ライダーラッシュ。
こんなのテンション上がらないわけがない。

とにかく視聴者に『2022年で本当に放映しろよ!』と言わせれば勝ちだと言わんばかりの姿勢だ。
現実に放映するなら予算や諸々の事情で出来ない演出を、現実の作品っぽくみせるためにやっている。やっぱりズルい。

ここは「よくないなあ、そういうの」と草加風にねっとりと詰めよって実現化させるべきではなかろうか。
とりあえず現実的な路線としてコミカライズ化などいかがだろう?

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